外反母趾について解説!
2021.12.02
- Dr.服部の足話
- 足
目次
はじめに
足の親ゆびが曲がってしまう外反母趾はランナーを含めた運動愛好家に非常に多くみられます。
男性より女性に多く、23%~35%の女性に起こると言われています。ほとんどの場合は曲がっていても支障なく運動ができるのですが、痛みを感じるようになったり、変形が強くなったかなと気づいたら注意が必要です。
また、親ゆびだけでなく、となりのゆびや中ゆびに痛みが起こることもあります。親ゆびや足のゆびの痛みは体全体にも影響を及ぼします。
腰痛など他の部位の痛みにもつながるため、早めに対処することが必要です。
外反母趾とは?
足の親ゆびが外側に曲がってしまう(外反すると言います)ことを指します。
それだけでなく、親ゆびの付け根は内側に出っ張ってきます。外反母趾が進行すると、その出っ張りが痛くなったり、隣の指や中ゆびの関節に痛みが起こったり、胼胝(タコ)ができたり、巻き爪になったりします。
親ゆびが使いづらくなり、しっかりと地面と捉えることができなくなるので、歩いたり走ったりするフォームも悪くなってしまいます。
なぜ起こる?なぜ悪くなる?
足の縦のアーチが低下する偏平足や、横のアーチが低下する開帳足(かいちょうそく)が原因となると言われてます。
また女性に多いことから推察されるように関節の弛緩性(やわらかさ)も関与していると思われます。関節がやわらくても親ゆびに付着する筋肉がしっかりしててバランスよく使えていれば良いのですが、筋肉によって親ゆびの関節を支えることができなければ外反母趾が引き起こされてしまいます。
最初のうちは、歩いたり走ったりすると足の親ゆびが痛いという症状だけです。
この時に治療を行えなければ「親ゆびを支える筋肉を使えない→変形が進行する→ますます親ゆびを使えない→変形が進行する」という悪循環になってしまいます。
外反母趾に対する治療?
親ゆびの筋肉をしっかり使って、歩いたり走ったりできることが目的になります。
【1.】ストレッチと筋肉トレーニング
親ゆび先端を内側に引張ってまっすぐになるようにストレッチをしましょう。
また親ゆびを自分の力で内側に開くトレーニングをするのも効果的です。親ゆびを含めたゆびでグーを作るようなトレーニングや、タオルを握るトレーニングもおこないましょう。
【2.】インソール
市販のインソールとカスタムメードのインソールがあります。
時間がなければ、まずは市販のインソールを装着することをおススメします。時間をとってしっかり治すならば、個々人の足の形や歩き方に合わせたカスタムメードのインソールを作成するのがよいでしょう。
それによって「親ゆび周囲の筋肉をしっかり使えるようになる→体幹やお尻の筋肉が使いやすくなる→歩き方や走り方がよくなる→親ゆびがさらに使いやすくなる」といういい循環が生まれます。
【3.】手術
変形が強くて、1.2.の方法でも悪循環(変形が強い→親ゆびを支える筋肉を使えない→変形が進行する→ますます親ゆびを使えない→変形が進行する)を断ち切れない場合は、変形した関節をいい位置に矯正するための手術が必要になります。
親ゆびをいい位置に整えるだけでなく、親ゆび周囲の筋肉も使いやすくなるという効果もあります。
それによって好循環(親ゆび周囲の筋肉をしっかり使えるようになる→体幹やお尻の筋肉が使いやすくなる→歩き方や走り方がよくなる→親ゆびがさらに使いやすくなる)へ移行していきます。