エムズ皮フ科形成外科クリニックのAyaです。
最近は雨の日が多く、秋晴れの爽やかな空気をなかなか感じられないですね。
部屋で過ごすことが多いので、溜まってしまった積読本の解消に努めています。読書の秋です📚
今日は『粉瘤』について、お話しを。
粉瘤とは、皮膚腫瘍の一種でアテロームとも呼ばれるものです。ウイルス感染や外傷などのなんらかの理由で毛穴の一部が内側にめくれて袋状となり、その中に脱落した角質や皮脂がたまり徐々に成長していく疾患です。膨らんだしこりの中央に、黒い点の開口部があるのが特徴ですが、毛根や汗腺・脂腺などにある表皮細胞が袋を作るもととなった場合は、穴を生じません。
開口部に衝撃が加わり蓄積された内容物が排出された場合、不快な臭いを発しますが、そのまま放置しても命に関わることはありません。しかし、炎症性粉瘤(大きく腫れて炎症を起こしてしまっている状態)となってしまったものは、痛みや熱を伴うため早めに治療を行う必要があります。
〈炎症性粉瘤となってしまう原因〉
風邪を引いたり免疫力が弱くなった時に、粉瘤の小さな穴を通じて感染を起こし、袋の中に膿が溜まります。袋の中の垢のかたまり自体が異物なので、排除しようとして炎症や化膿が起こったり、粉瘤が圧迫され袋が破裂し、角質や皮脂などの内容物が巻き散らかされた結果、炎症反応が起こります。背中やおしりにできた粉瘤は、座った時に強く圧迫されるため、炎症性粉瘤になりやすい傾向にあります。
〈粉瘤の治療〉
粉瘤は、自然に消滅することはほとんどなく、手術で取り除くことが基本的な治療法です。放置しておくと前述のように感染の危険があるので、化膿する前に摘出することが望ましいです。
患者さんの中にも、押したり触ったりして炎症を起こしてしまっている方が、多く見受けられます。押したり触ったりして刺激を与えずに、まずは診察にお越し下さい。
粉瘤に気づかれましたら、早めに受診することをお勧めします。