エムズ皮フ科形成外科クリニックのAyaです。
3連休の方も多かったと思いますが、お休みを満喫できましたでしょうか?
今日は、『蕁麻疹』についてお話を♪
私たちの皮膚の表面には角層(皮膚の最外層)があり、外部の刺激物などの侵入から体を守る役目を担っています。蕁麻疹は、真皮に存在するマスト細胞がなんらかの刺激を受けることでヒスタミンが分泌され、これが毛細血管や神経に作用し膨疹や赤み、かゆみとなって発症します。
蕁麻疹の患者さんの約70%は誘因不明の突発性で、比較的夕方から夜に症状が出現することが多いようです。疲労の蓄積やストレス、細菌やウイルス感染で症状が悪化することがあります。
その他に蕁麻疹を起こしやすい刺激として、食品や薬剤、物理的刺激などがあります。
《症状》
急激に発症する膨疹が特徴で、見た目は蚊に刺された跡に似ています。1㎝ほどの大きさのものから地図状に広範囲に広がることもあります。非常に強いかゆみを伴い、体の至る所に広がり、その後しばらくして跡形もなく消失します。
《治療》
蕁麻疹の治療は、薬物治療と原因除去です。ヒスタミンの作用を抑える薬を用いたり、原因となる刺激誘因を避けるようにします。
蕁麻疹の種類によっては生命に関わるアナフィラキシーショックを発症することもあります。アナフィラキシーショックを発症した場合には、すぐに医療機関へ受診しましょう。
特定の食物の摂取後に運動をすることで蕁麻疹やアナフィラキシーが誘発される、食物依存性運動誘発アナフィラキシーと呼ばれるタイプのアレルギー反応もあります。
以前、中学校・高校の保健室に勤めていた際、この症状が出た児童がおり、救急車を呼ぶ事態となったケースがあります。アレルギーの報告はされていない児童でしたが、お昼休み後の体育の授業中に発症。蕁麻疹から始まり、激しい嘔吐、血圧低下をきたし救急要請しています。お弁当に入っていたアレルギーではないはずのエビが原因だったようで、食後の運動により誘発・発症してしまいました。
蕁麻疹はなかなか原因が明らかにならない割に、様々な因子が影響して症状が現れたり悪化したりします。
日常生活では、過労やストレスの蓄積、細菌やウイルス感染等に気をつけ、規則正しい生活と充分な睡眠・休養、そしてバランスの良い食生活を心がけることが大切です。