エムズ皮フ科形成外科クリニックのAyaです。
シトシト降る雨☔️ 実際の気温よりさらに肌寒く感じさせられますね。
我が家のチワワくん、寒いのかホットカーペットとなぜかクッションの間に挟まり、暖をとっております😂
急激に寒くなってきたここ数日。こたつやホットカーペットなどの暖房器具や、ホッカイロなどを使い始めた方も多いと思います。
ポカポカした温かさが心地よい暖房器具ですが、注意したいのが “低温やけど”。
そこで今日は、低温やけどについてお話を。
*低温やけどとは…
カイロや湯たんぽ、暖房器具など、体温より少し高めの温度(44℃〜50℃)のものに長時間触れ続けることによって起きる火傷のことです。
60℃で5秒、50℃で3分、44℃だと約6〜10時間で皮膚が損傷を受けると言われています。
*低温やけどの症状
やけどはダメージに応じて、1度〜3度に分けられます。
1度 … ヒリヒリとした痛み、赤み。
2度 … 強い痛みや赤み、水疱。
3度 … 皮膚の壊死。
ダメージの深い2度や3度のやけどは、治療に2週間以上要してしまいます。
特に低温やけどを起こしやすい部位は、スネ・くるぶし・かかとなどの脚になります。他の部位よりも知覚が鈍いことと、血行が悪い場所だからです。
*通常のやけどとどう違う?
通常のやけどは、皮膚の表面に熱源が触れてしまうことで発症します。一方、低温やけどは、皮膚の奥深くでじっくり進行してしまうので、通常のやけどより治りにくいのです。
受傷早期は赤みや水疱だけで浅い火傷に見えても、時間が経つにつれて、皮膚や脂肪が黒く壊死をして、思いのほか深いやけどになることがあります。これは、皮膚よりも皮下組織などが強く障害を受けるためで、普通のやけどより重症になることが多く注意が必要です。
*低温やけどの原因は?どんな人がなりやすい?
原因に挙がりやすいものは、湯たんぽやカイロ、ストーブ、ホットカーペットやこたつなどです。
特になりやすい人は…
・皮膚の薄い高齢者
・寝返りのできない乳児
・知覚や運動能力に麻痺がある方
・糖尿病などで手足の循環が悪い方
・泥酔している方
・冷え性の女性
*低温やけどになってしまったら…
軽症か重症か分からなくても、早めに医療機関を受診しましょう。間違った処置や放置することで、重症化したり感染症にかかってしまう恐れもあります。
皮膚の表面にあまり変化が見られないと、軽症に見えることもあります。しかし、深部にかなりダメージを受けている場合もあり、ひどい時には手術が必要なケースもあるため軽く見ないようにしましょう。
以前、外来で出会った高齢の女性の方。貼るカイロをなんと肌に直接貼ってしまっており、お肌が真っ赤に…なんていうこともありました。
低温やけどは通常のやけどと違い、ご自身で気をつけたり周囲への気配りなどで、未然に防ぐことができる症状です。暖房器具をお使いの際は、低温やけどを防ぐ工夫や対策に心がけ、安全に使用できるようにするといいですね😊
寒い日が続きますが、体調を崩されないよう気をつけてお過ごしください♡