Before/施術前
After/施術後
この施術に関して
10年以上前に前医(他院)で脂肪腫を摘出したことがある方です。その時の傷跡は胸椎(背骨)に対して垂直に認める傷でした。手術前のMRI検査では筋肉内脂肪腫であり、前回取った時も筋肉内にあったということで再発を強く疑いました。腫瘍は左肩甲骨上にあり前回の手術創を利用することは難しく、再発手術でもあるため確実に行うためには、今回別に手術創で行う必要がありました。筋肉内脂肪腫は通常の皮下にある脂肪腫とは違って筋肉の中に発生します。摘出する際には筋肉を割って摘出しなければならず、筋肉は血液が豊富な組織であるため、術後の出血、血腫形成を防ぐ上でも丁寧に取らなければなりません。筋肉内脂肪腫の場合には創部内にドレーンという管を留置します。ドレーンは通常24〜48時間後に抜去します。このケースの場合には48時間留置しました。合併症もなく元気に通院されています。
術後の経過
治療前
横にある線状の傷跡は前医で手術を受けた時の傷跡です。
治療前
左肩甲骨の上に丸い膨らみを認めます。
治療前
善意での傷跡を利用したかったのですが、今回2回目の手術でもあり確実に腫瘍を取るには新たに手術創で行う必要がありました。
治療前検査(MRI)
術前のMRI検査では僧帽筋内に白く見えるのが脂肪腫です。筋肉内脂肪腫と診断。
術後1週間
術後1週間の状態です。
術後1ヶ月
術後1ヶ月の状態です。前医の傷跡と比べていただければ分かりますが、しっかりと内部縫合を行うことで傷跡が凹むことを予防できます。
筆者のご紹介
形成・美容外科 エムズクリニック 院長三沢 尚弘
資格
所属学会