先日、仕事から帰ると・・・
次男がソファーになって横になっており、右下のお腹が「痛い!」と、
これはおかしいと思い、救急時代の感覚を思いだしてお腹を触診すると、、
『右下腹部を痛がる・・・』
右下腹部痛
・虫垂炎
・大腸憩室炎
・精巣捻転
・鼠径ヘルニア嵌頓
・骨盤内炎症症候群(女性)
・・・・
といくつもの鑑別診断が頭をよぎります。
しかし、
小児の右下腹部痛といえば、もっとも念頭に置かなければならない(信じこんではいけませんが・・・)、
そして、否定(Rule out)しなければならないのは
虫垂炎
です。
いわゆる、盲腸といわれるものです。
*虫垂炎で問題なのは穿孔といってお腹の中で虫垂が破裂してしまうことです。破裂すると膿がたまり細菌などがお腹の中にばらまかれてしまいます。結果として起こるのが腹膜炎です。腹膜炎を起こすと治療が難渋します。そういった経験をたくさんしてきたのでよく分かっています。そして、小児、高齢者の虫垂炎ではその重症化する穿孔→腹膜炎を起こす危険性が高いのです。したがって、診断から治療までの時間が重要です。なタイミングで適切な治療が必要となります。
もっとも信頼のおける小児外科医に連絡し、
身体所見→血液検査を行うと
白血球 16,000↑
*小児では白血球が高くでますが、16000は異常高値です。
身体の中で炎症が起きて最初に異常所見として出てくるのが白血球上昇です。
なにかが起こっている・・・
こういった場合に次に行う検査は
腹部CT検査
撮影すると、分かるでしょうか?
これです!
黄色の矢印でさしたところが炎症をともなった虫垂です。
*通常虫垂はCT検査をしても観察することができません。ですが、今回のように炎症があったりするとハッキリとこのように描出されるのです。
確定診断は
虫垂炎
したがって、ウチのDr. LOVEは入院となりました😢
久々に取り出して読んでしまいました。
診断までのプロセスが難解であり、そして治療である手術も奥が深い・・・、
研修時代は非常に勉強になった虫垂炎でした。
ちなみに、小児虫垂炎の初発の場合、治療の第一選択は
・入院加療
・絶食による安静
・抗生剤点滴
です。
Dr.LOVEはその後、5日間の入院を要し手術治療を免れて現在も元気にしております。。。
先日頂き物をしました。
お心遣いいただき誠にありがとうございます。
本日ご紹介するケースでは、
脂肪腫の2症例です。
一つは首の後ろにできもの、もう一つは肩にできたものです。
↓こちらをご覧ください。
【脂肪腫】①首の後ろにできたもの、②肩にできたもの