この施術に関して
5mm以上になったイボには液体窒素やレーザーを照射しても回数がかかったり、ダウンタイムが長かったり、また取れてもすぐに再発したりとあまり感触の良い治療を提供できませんでした。M’sの新たなイボ治療であるICON Max Gはダウンタイムがなくイボを治療できます。週1〜2度の頻度で治療が必要です。また自費診療となります。今までの治療で改善しなかった方はご検討いただければと思います。
M’sの新たなイボ治療法:光治療(ICON)
ここから本題ですが、イボ治療は上記にまとめたように基本的には取り除くというのが主流であり、そこはこれからも変わりないと思います。
従来の方法は、直接イボに傷害を与えて取り除きます。
一方、M’sの新たなイボ治療法である:光治療器(ICON:アイコン)という機械を用いた方法は、戦国時代でいう兵糧攻め(ひょうろうぜめ)に似ています。ライフライン(食料、水、電気など)を断つことでジワジワとじり貧に追い込んで降参させるようなやり方です。イボに栄養される血流を遮断することでウィルスの増殖と活動を停止させて自滅に追いやるやり方です。
その原理を説明します。
下にある写真は実際のイボ=尋常性疣贅との病理組織標本です。
尋常性疣贅=ウィル性疣贅(HPV感染)は、表面が過角化となるのでザラツキを認め、皮膚が盛り上がっています。また、イボの下にはウィルスが増殖するために必要な栄養源を得るために毛細血管が拡張しています。
したがって、実際にイボを切除すると、↓
このように出血します。出血した部位の止血およびウィルスを死滅させるためにレーザーで焼灼を行います。このように綺麗にザラついたイボは取れ、1週間程度で上皮化といって新しい皮膚が再生するので傷を残さず治療することが出来ます。
↓ イボの切除した時のイメージ的にはこのような感じです。
そして、この毛細血管をターゲットにしたのがM’sの新しいイボ治療:光治療器です。
以前も、シミ、赤ら顔、毛細血管の拡張などメラニンとヘモグロビン(赤血球内にあります)に吸光するのが特徴であるICON(アイコン)MaxGという光治療器ですが、↓
通常は、美顔器として活躍しているものです。
今回は、よく外来などでみかけるイボに関する画期的な治療法をご紹介したいと思います。
イボは、大きく分けて
①ウィルス性
②加齢性
に分けられます。外来などでは、ほぼ半々くらいの頻度です。
①のウィルス性は若い人に多いですが、年配の方でも②の加齢によるものと思いきや、実は①だったということもあります。
イボの原因としてウィルスによる感染でもあるため、放置しておけば増殖=大きくなるし、また拡散=多発することもあります。
そして、外見上も皮膚のでっぱりがあればあまり良いと言えないので原則的には治療して取り除いた方が良いと思われます。
イボの種類
①ウィルス性
②老人性疣贅
イボの種類のなかでよく目にする①ウィルス性は、尋常性疣贅か、足底疣贅/ミルメシアです。
手の平や手の甲に出来る多くは尋常性疣贅で、足の裏にできるものは足底疣贅です。
イボが見たら、小さいうちに早めに治療したほうが良いでしょう。治療の第1選択となるゴールドスタンダードなものの代表は、日本問わず欧米(研修先の病院でもそうでした。)でも液体窒素による冷凍凝固療法です。当院M’sにおいても冷凍凝固療法が最初に行う治療です。液体窒素による冷凍凝固療法は保険適応となります。
冷凍凝固療法のメリットは、
一方、デメリットは、
です。
また、こういった意見もあります。
*いぼを専門とする研究者との研究会においても、液体窒素による冷凍凝固術を週1回、2ヶ月程度繰り返し、良くならない症例においては他の治療法に変更すべきであるとの意見が多数でした。
したがって、
M’sでは冷凍凝固療法を第1選択とはしますが、長期に長引くものや足底疣贅などには以下の治療法を組み合わせたり、保険は効かない治療(自費診療)ですが、短期間で終わら比較的楽に治療するものなどもご用意しております。
イボの治療
冷凍凝固療法
イボの第1選択になる治療です。
スピール膏
サリチル酸含有のシートをイボの部位に貼ります。サリチル酸という酸によって角質が溶けるので角質が厚い足の裏などにできたイボに効果的です。貼ってしばらくの間はそのままなので手間は少ないです。
高周波レーザー治療
手術療法と同じくらい確実性の高い治療法です。局所麻酔を行いレーザーの熱でウィルスを蒸散させてしまいます。
手術療法
治療に難治性のモノや顔などにできた場合で治療の跡などが気になるような部位にはメスで切除する方法です。