先日、『眼瞼下垂症の診断』でご紹介した20代 男性 先天性右片側眼瞼下垂症の方です。
手術をして挙筋機能を確認すると、長期にわたり右のまぶたは下垂した状態だったので、腱膜及び眼瞼挙筋周囲と眼窩脂肪は高度に癒着しており、挙筋機能はほぼ認められませんでした。
したがって、右の側頭部を切開し、深側頭筋膜を移植する筋膜移植術を行いました。
先天性眼瞼下垂症 筋膜移植術の治療と経過
筋膜移植とは?
生まれつきの先天性眼瞼下垂または重度の眼瞼下垂症の方に、目の開きを良くするために筋膜を移植する治療法です。
先天性の場合、前述のように挙筋=まぶたを上げる筋肉は残念ながら機能することはできないので、おデコ=前頭筋を使い代償することで上方視をすることが可能となります。
筋膜移植は自分のもの=自家移植となるので拒絶反応や感染などのリスクにも強く、何事も問題なく生着してしまえば、一生ものと言えます。
術後1週間で抜糸したばかりですが、左右ともに瞼裂幅もほぼ同じで、バランスがいい状態です。機能的にも整容的にも良い状態かと思われます。
眼瞼下垂症の手術合併症
出血、感染、術後瘢痕問題(ケロイド、肥厚性瘢痕などの発生)、麻酔によるアレルギー、再発、ドライアイ、一過性の視力低下、顔貌の変化、二重の左右差、上まぶたの皮膚知覚障害など
眼瞼下垂症の治療料金
保険適用後にかかる自己負担金
眼瞼下垂症手術(挙筋前転法):片側 約 ¥22,500円
眼瞼下垂症手術(挙筋前転法):両側 約 ¥45,000円