20代 男性
お悩み:ホクロの大きくなってきた。出血を認めるようになった。
施術名:皮膚腫瘍切除+皮弁作成
以前からホクロはあったようです。ですが、1ヶ月ほど前から徐々に大きくなり、ホクロの中心が潰瘍といって掘れるようになってきました。そして、その潰瘍部分から出血を認めるようになりました。
ホクロは、母斑細胞性母斑という皮膚腫瘍です。日常生活に支障がない=病的ではないものは放置しても良いのですが、今回のように「増大傾向」、「出血」というのは明らかに異常です。
今回は、腫瘍切除+皮弁作成術を行いました。皮弁作成という方法は、形成外科特有の方法で摘出後の皮膚欠損部を修復(再建)するやり方です。
皮弁作成を行った理由は、
①場所(解剖学的位置):今回は下まぶたであること
②腫瘍の大きさ
③その他の方法では起こる合併症を危惧して
です。
①の場所では、まずtear troughというもっとも人体で皮膚が薄い場所です。ここを単純に腫瘍を切除して縫縮(縫い縮める)と下まぶたが引きつれる可能性があります。そして、外反といって、『あっかんべー』をしたようにまぶたがひっくり返る恐れがあります。
*下まぶた形成(美容を含めて)を行なっている上で、この外反を術後合併症に起こるとその後の修復が非常に困難です。これを知っている外科医は、その可能性が少しである方法を施術前に選択することはありません。どうしても、選択せざるを得ない場合は、その対策(予防)を施術中に行うほど外反には注意して行うことになっています。
傷跡に関しては、どんな傷跡も最低3ヶ月待つことが必要です。
合併症もなく、再発もなく、整容的にも非常に満足できる結果となりました。
皮膚・皮下腫瘍摘出術の手術合併症
出血、感染、術後瘢痕問題(ケロイド、肥厚性瘢痕などの発生)、麻酔によるアレルギー、再発など
皮膚・皮下腫瘍摘出術の料金
粉瘤手術にかかる自己負担金
露出部 ¥5,000〜¥14,000円
非露出部 ¥4,000〜¥13,000円
*露出部とは、半袖半ズボンの衣服を着用して衣服で肌が覆われない部位、例えば顔や首、前腕や膝下などの部位を言います。一方で、非露出部はその反対で衣服で覆われている部位を示します。
*費用の幅は、部位や大きさによって変わります。