70代 女性
目元のアンチエイジング
高齢者:65歳以上の方においては腱膜性眼瞼下垂という病態が隠れています。
一見、眼瞼下垂症という状態(=黒目の半分が上まぶたに覆われた状態)がなくても、前回のケースで説明したように、眉毛の上を指で固定すると上まぶただけの力では目を開けない状態を高齢の方のほとんどといってよいほど認めます。おでこの筋肉使ったり、眉毛を上げて見ることができる=代償している(出来ているので)ので、眼瞼下垂の症状である肩こり、頭痛など認められないかもしれません・・・
が、解剖学的には退行性変化(老化)が認められております。
↓今回ご紹介する方もその状態でした。
何もしない状態では黒目はほぼ見えております。でも、おでこにはシワがあり、眉毛の上を指で押さえるとMRD0mmでした。
今回のケースは、目元のアンチエイジング、言いかえれば上眼瞼形成術です。
上眼瞼形成には、①まぶたを上げる機能改善手術+②整容的改善手術の両方を目的としていますので
まずは、
①まぶたを上げる機能改善手術=眼瞼下垂症手術を瞼縁切開(けんえんせっかい;睫毛の上を皮膚切開行う)
ですが、
注意しなければならないのは
1. 高齢者であること、
2. 外側の皮膚が余っている、
3. 皮膚が厚いということでした。
というわけで、
まず、どこで皮膚切開線を設定して皮膚切除をどの程度必要なのか?という細かなデザインが重要です。
そこで、↓
高齢者の場合の重瞼線の固定位置は通常とは違うので、
(*高齢の方で、『二重の幅を広く!』『パッチリ!』にしていう方はほぼ皆無です。)
見かけの重瞼幅(=二重幅)を3mm以内にするように施術前のシミュレーションでこのように行います。
①まぶたを上げる機能改善手術1ヶ月後の状態です。
二重=重瞼固定線はしっかりとできているのですが、皮膚が多いため被ってしまって『見かけの二重の幅』が狭く、特に右の外側ではほぼ見えません。
瞼縁切開(まつげの上を切開する方法)では、極力皮膚を多く取ることは控えなければいけません。特に今回の方のような分厚い皮膚の場合は、、、
まつげの上で皮膚を多く取ると分厚い二重まぶたになってしまいます(正確には、この方の場合は実際取っていないのでなんとも言えませんが、裏を返せば、皮膚を取り過ぎてしまってからではその後の修復は不可能です。)。不自然な二重になってしまいます。ですから、取ってからでは遅いので、一か八かのチャレンジよりは確実な方法を選択するというのがM’sのコンセプトです。
瞼縁切開で眼瞼下垂症手術をきちんと行なった症例で、
②整容的改善手術=二重の幅の調整
を行う場合は、
眉下皮膚切除を行うことでこのような結果が得ることができます。
眉下切開を行った直後と1ヶ月後の状態です。
傷跡はほぼ分からない状態です。
2段階のステップを踏む施術です。結果を出すのに時間を要しますが、賭けをするような施術ではなく確実な方法で良い結果を得るというのが重要だと考えております。