血小板;PRPとは、
はじめに、PRP療法とは、血小板を利用した再生医療です。血液中に含まれる血小板には様々な機能があります。代表的なものとして止血機能がありますが、その他に壊れた組織を修復するための機能があります。PRP療法はその血小板の組織修復機能によって身体の再生を可能にした再生医療の一つです。
血小板とは
血小板は大きさが2μmで、生存期間が7~10日間とされています。血小板内には様々な機能をもつ顆粒が含まれています。その顆粒は粘着能、凝集能、放出能、収縮能があります。
顆粒はα顆粒と呼ばれており、その中にはPDGF(血小板由来増殖因子)、VEGF(血管内皮増殖因子)、TGF-β(トランスフォーミング増殖因子ーβ)などが含まれています。これらの増殖因子はその他の細胞を活性化して創傷治癒(再生)を促進するものと考えられています。
PDGF(血小板由来増殖因子
PDGFの作用としては、
1.細胞増殖作用
2.血管の新生・修復作用
3.コラーゲン産生作用
などがあげられます。
作用機序としては、PDGFが繊維芽細胞を刺激してコラーゲン合成を促進します。そして、繊維芽細胞から放出されたFGF(fibroblast growth factor)がコラーゲンやヒアルロン酸産生を促します。
VEGF(血管内皮増殖因子
VEGFの主な作用は血管内皮細胞増殖と血管透過性亢進などがあります。
TGF-β(トランスフォーミング増殖因子ーβ)
TGF-β(トランスフォーミング増殖因子ーβ)は、多くの細胞増殖因子であり、それと同時に増殖抑制因子です。上皮、内皮、血球系などの細胞には増殖的または抑制的に作用し、繊維芽細胞、平滑筋細胞には促進的に作用することが明らかになっています。
PRPとは、
PRPは、Platelet Rich Plasmaの頭文字を意味します。
PRPは自己血から作製することが可能です。全血(静脈血)を遠心分離して、血液に含まれる各種の細胞の比重の勾配を利用して血小板を濃縮して抽出することができます。
PRP療法とは、
PRP (Platelet Rich Plasma)療法とは高濃度の血小板を含む血漿を注入して組織再生を促す再生治療です。
PRP療法は、シワやたるみなどの皮膚老化改善において広く用いられており、老化によって衰えた皮膚機能であるの水分保持力を取り戻す再生効果が期待できます。
その他PRP療法は美容医療だけではなく歯科や整形外科・産婦人科領域における創傷治癒促進を目的とした治療にも取り入れられて多くの実績をあげています。
PRPの適応
美容医療目的においてPRP療法を開始した当初では、従来の治療法で改善が乏しかった下眼瞼のいわゆるちりめんジワを目的としていました。ですが、多くの改善に効果が期待ができるということがわかり下記のような症状が適応となります。
・たるみ
・ニキビ跡の陥凹
・首のシワ
・乾燥・脂性肌(肌質改善)
・薄毛
*近年、PRPを頭皮に注入して育毛効果をだす方法が報告されています。男性型脱毛症の場合には発症にジヒドロテストステロン(DHT)が関与することが解明され、現在治療の第1選択で内服薬(フィナステリド、デュタステリド)によって効果が大いに期待できます。しかし、薬剤による合併症:肝機能障害などを起こすことがあり、内服を継続できない場合があります。また女性型脱毛の場合には女性ホルモンの低下などが原因と示唆されていますが、治療法の選択が少ないのが現状です。PRP療法はそんな薄毛の問題に悩まされている人々に朗報ともいえる治療法の一つの選択肢として期待されています
PRPの作製方法
PRPは専用の作製キットを用いて行います。
①採血:
はじめに採血を行います。静脈血である全血11ccを採取します。
②遠心分離:
2000回転7分間で遠心分離を行います。
遠心分離を行うと、血球と血漿に分かれます。PRPはこのセパレートした近傍に多く存在します。
③PRPの抽出
PRPキットを用いてPRPのみを抽出します。1回の採血管から抽出できる量は2ccです。
以上の行程を↓動画でお見せします。
PRP 注入療法 治療費・料金
初回限定 ¥82,500(税込)
2回目以降 ¥104,500(税込)
まとめ
・PRP療法とは、血小板を利用した再生医療
・PRP療法は、美容医療(シワ、たるみの改善)だけではなく多岐にわたる医療分野で活躍する再生医療
・近年治療効果に難治する薄毛に対して育毛効果が期待されている