基礎知識コラム
女性にとって乳首に関する悩みは、とてもデリケートで人に相談しづらいものです。その中でも「陥没乳頭(かんぼつにゅうとう)」に関する不安は非常に多く、見た目の問題だけでなく、授乳や健康への影響についても心配されることがあります。
乳首が周囲の皮膚に埋もれた凹んだ状態で、外側に突出していない乳頭のことです。先天的な要因や乳管の短さなどが原因で、程度は軽度から重度まであり、場合によっては手術治療が必要です。
また、「陥没乳頭は乳がんのリスクを高めるのではないか」「自分以外に同じような悩みを抱えている人はいるのか」といった疑問もよく耳にします。
これまで、陥没乳頭となる原因やリスク、保険適用となる切らない手術法、手術以外で治す方法、他院修正事例などご紹介してきました。
この記事では、陥没乳頭に関する基本的な情報から乳がんとの関係、日本における発生率、さらには男性の場合についてなど、Q&A形式で詳しく解説します。
陥没乳頭そのものが乳がんのリスクを高めるわけではありません。ただし、乳首や乳房の状態が急に変化した場合には注意が必要です。
陥没乳頭は主に乳管が短い、乳腺の発育が不十分であるなどの構造的な問題が原因です。一方で、乳がんは乳腺内の細胞が異常増殖することによって発生します。したがって、陥没乳頭そのものが乳がんの原因となることはありません。
ただし、乳首の形状や状態が急に変化した場合(例:以前は陥没していなかった乳首が突然陥没した、乳首から分泌液が出るなど)、乳がんやその他の疾患の兆候である可能性があります。
陥没乳頭が乳がんのリスクを高めることはありませんが、乳首や乳房の変化を見逃さないことが重要です。以下を実践して、健康管理を行いましょう。
陥没乳頭について、日本では約10~15%の女性に見られるとされており、決して珍しい状態ではありません。
陥没乳頭は、乳管が短い、乳腺が未発達であるなどの先天的な要因によって発生することが多いです。また、加齢やホルモンバランスの変化によって後天的に発症するケースもあります。7〜10人に1人の女性の割合で発症しており、多くの女性の悩みでもあります。
男性にも陥没乳頭は発生しますが、女性に比べてその頻度は低く、健康面での影響が注目されることが多いです。
男性の陥没乳頭は、女性と同じように乳管や乳腺の構造的な問題が原因で起こることがあります。ただし、男性の場合、乳管や乳腺の発育は女性に比べて限定的であるため、発生頻度は少ないとされています。
また、男性特有のケースとして、後天的に乳がんやホルモン異常が原因で陥没乳頭が発生することがあります。特に乳がんは男性では稀な疾患ですが、乳首の形状変化や分泌物が見られる場合は注意が必要です。
具体例 | 内容 |
---|---|
先天性の陥没乳頭 | 生まれつきの陥没乳頭を持つ男性Cさんは、美容的な悩みがある一方で、健康上の問題はありませんでした。彼は医師に相談し、特に治療を必要としないことを確認して安心しました。 |
後天的な陥没乳頭 | 40代男性Dさんは、右側の乳首が突然陥没したため病院を受診しました。結果、ホルモンバランスの異常が見つかり、適切な治療を受けることで健康を取り戻しました。 |
陥没乳頭がかゆくなる原因の多くは、乾燥や刺激、衛生状態の問題ですが、まれに感染症や病気が隠れている場合があります。特にかゆみが長期間続いたり、異常な分泌物や変色を伴う場合は、早急に医師の診察を受けることが重要です。
陥没乳頭は乳首が皮膚に覆われた状態になり、湿気や汚れがたまりやすい環境です。
陥没乳首は、通常の乳首よりもトラブルが起きやすく、以下のような原因でかゆみが発生することがあります。
陥没乳頭によるかゆみを改善するためには、以下の方法を試してみてください。
方法 | 内容 |
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保湿と衛生管理 | – 乳首専用の保湿クリームを使用して乾燥を防ぎましょう。 – 毎日シャワーでやさしく洗浄し、石鹸は低刺激のものを選びましょう。 |
下着の見直し | – 通気性が良く、肌に優しい素材の下着を選ぶことで摩擦や湿気を軽減します。 |
症状が改善しない場合は医師に相談 | – かゆみが数週間以上続く場合や分泌物・ただれがある場合は、早めに乳腺外科や皮膚科を受診してください。 |
かゆみについて、陥没乳頭そのものが原因の根本となっている場合は、改善治療を検討することで、根本的なトラブルから解放される可能性があります。
陥没乳頭の状態でも授乳は可能ですが、補助器具や搾乳機を活用するなど工夫が必要です。授乳が困難な場合は専門家のサポートを受けましょう。
陥没乳頭は、乳首が赤ちゃんの口に届きにくいため、吸引が難しい状態になることがあります。しかし、授乳前に乳首を引き出す補助器具を使用したり、搾乳機で母乳を取り出すことで、授乳をサポートできます。
授乳中に手術を行うと乳管に影響が出る可能性があるため、通常は授乳終了後に手術を行うのが一般的です。
授乳終了後も乳首の形状や機能が気になる場合は、専門医に相談して陥没乳頭治療を行うことによって、第二子・第三子の際は、安心して授乳を行うことができます。
陥没乳頭でも搾乳機は使用可能で、母乳を与える際の助けとなります。また、授乳中の赤ちゃんの吸引力によって軽度の陥没乳頭が改善することがあります。ただし、必ずしも授乳で治るわけではありません。
搾乳機は乳首の形状に関係なく使用できるため、母乳育児をサポートする重要なツールになります。また、授乳中の赤ちゃんの吸引力が乳首を引き出す形になり、軽度の陥没乳頭であれば改善する可能性があります。ただし、中等度以上の陥没乳頭では、授乳だけで形状が変わることは難しいとされています。
搾乳機を活用し、授乳をサポートするための流れは以下の通りです。
治療前、陥没乳頭重症度GradeⅡでした。第一子のときに赤ちゃんが乳頭を咥えることができない授乳障害があり、第二子のときには「しっかりと突出した乳頭で母乳で育てたい」という思いで、今回治療を決心されました。
エムズオリジナルの小切開法は、1.術後の痛みが少ない、2.再発率も少ない、3.最大の特徴である傷が目立たない、4.術後の乳管損傷がない治療法です。乳汁分泌を認める方の両側陥没乳頭形成:エムズ小切開法を行い、術後1ヶ月後、両側から乳汁分泌を正常に認めていました。
形成外科専門医・救急科専門医
医学部を卒業後、日本屈指の研修施設病院である亀田総合病院で卒後研修を開始。医療の原点となる救命救急センターに8年間従事。
その後、米国臨床留学の登竜門である米国海軍病院に1年間勤務。医師として、そして外科医としてのトレーニングを研鑽し医療の礎を築き、平成28年6月に横浜市鶴見に『形成・美容外科 エムズクリニック』を開院
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