
肌のくすみやシミ、毛穴の開き、赤ら顔…。年齢とともに増えていく肌悩みを、できるだけ自然な形で改善したい。
そんな希望を叶える治療として注目を集めているのが「フォトフェイシャル」です。
フォトフェイシャルはIPL(Intense Pulsed Light)という光を用いて、肌の内側に働きかける美肌治療。
「シミが薄くなった」「肌が明るくなった」と感じる人が多い一方で、ネット上では「効果がない」「やめたほうがいい」という声も見かけます。
実は、フォトフェイシャルの評価が分かれるのは、“受け方”や“肌質との相性”によって効果が大きく左右される治療だからです。
正しく理解し、適切なペースと出力で受ければ、フォトフェイシャルは驚くほど肌を変えてくれます。
今回の記事では、フォトフェイシャルの「効果がない」と言われる原因から、「すごい効果を出す方法」までを丁寧に解説します。
最終的には、あなたが自分の肌に最適な受け方を理解し、「フォトフェイシャルを受けて良かった」と実感できるようになることを目指します。
フォトフェイシャルは効果がない/やめたほうがいいと言われる原因

フォトフェイシャルで効果が出ないと感じる人は、治療そのものが悪いのではなく、肌の状態や受け方に問題があることが多いです。
フォトフェイシャルは、光エネルギーを肌のメラニンや毛細血管に反応させて、トラブルの原因を内側から改善します。
しかし、「照射条件」「肌診断」「通院頻度」「アフターケア」など、どれかひとつでも適切でないと、十分な結果が得られません。
1. 肌の悩みに合っていない治療を選んでいる
- フォトフェイシャルは表皮層に働きかける治療のため、肝斑や真皮層のニキビ跡、深いシワなどには向きません。
- 肝斑のように炎症型の色素沈着は、IPLの刺激で悪化することもあります。
2. 出力設定が弱すぎる/機器性能の違い
- フォトフェイシャルはマシンの種類や設定により効果が大きく変わります。
- サロンの光フェイシャルは安全性を重視するあまり出力が弱く、医療機関で扱う「M22」などの医療用IPL機器と比べて効果が限定的です。
3. 効果を1回で判断してしまう
- フォトフェイシャルは1回の施術で肌のトーンアップを感じることはありますが、シミや毛穴などの改善には3〜5回以上の継続が必須です。
- 肌のターンオーバー周期に合わせて少しずつ再生されていくため、1回だけで結論を出すのは早計です。
4. 施術後のケアが不十分
- フォトフェイシャル後の肌は非常にデリケートです。紫外線対策や保湿を怠ると、シミの再発や色素沈着を招くことがあります。
5. 肝斑・敏感肌などのリスク/肌質を見逃している
- 「やめたほうがいい」と言われる最大の理由はここです。肝斑を見落として照射すると、かえって悪化しやすいのです。医師による診断を経て、レーザートーニングや内服治療を先に行うべき場合もあります。
つまり、「効果がない」と言われる背景には、治療法の選び方・受け方のミスマッチがあります。
肌質と目的に合わせて適切に照射すれば、フォトフェイシャルは本来、非常に優れた美肌効果を発揮する施術です。
フォトフェイシャルの1回の効果/効果が出る期間の目安

フォトフェイシャルの効果は、1回でも実感できる短期的変化と、複数回による長期的な肌質改善の2段階で現れます。
IPLはメラニンを分解すると同時に、真皮層の線維芽細胞を刺激してコラーゲン生成を促すため、即効性と持続性の両方を備えています。
施術回数ごとの主な効果
- 1回目(初回)
肌のくすみが取れ、全体的に明るく見えるようになります。
細かいそばかすが浮き上がり、数日で薄いかさぶたのように剥がれ落ちることもあります。
- 2〜3回目(1〜2か月)
シミの輪郭が徐々に薄くなり、毛穴の開きが目立たなくなってきます。
化粧ノリが良くなり、肌の透明感を実感しやすい時期です。
- 4〜6回目(3〜6か月)
コラーゲンが増え、ハリや弾力が高まります。
肌全体の質感が均一になり、まるで“フィルターをかけたような明るさ”が生まれます。
効果の持続は3〜6か月程度ですが、定期的に受けることで「肌老化しにくいベース作り」が可能です。
フォトフェイシャルの効果は、「即効性+積み重ね」がポイントです。
短期的な満足よりも、長期的に美肌を育てる治療と考えると、より良い結果を得られます。
フォトフェイシャルがすごい効果を出す肌の症状

フォトフェイシャルは、表皮〜浅い真皮に存在する複数の肌トラブルを一度に改善できる点が最大の魅力です。
以下に代表的な適応症状と得られる効果をまとめます。
肌の悩み |
効果 |
シミ・そばかす |
メラニンの分解と排出を促し、肌トーンを均一化 |
くすみ |
光エネルギーにより血行促進・角質代謝を活性化 |
赤ら顔・毛細血管拡張 |
拡張した血管を収縮させて赤みを軽減 |
毛穴の開き |
皮脂分泌を抑制し、コラーゲン生成でハリを回復 |
ニキビ跡(炎症後色素沈着) |
メラニン沈着を改善し、肌の再生をサポート |
小じわ・ハリ不足 |
線維芽細胞を刺激し、真皮のコラーゲン産生を促進 |
特に、「顔全体をトーンアップしたい人」や「複数の悩みをまとめて改善したい人」に最適です。
部分的なレーザー治療とは異なり、“肌全体の質感改善”という総合的な美肌効果を得られるのがフォトフェイシャルの強みです。
フォトフェイシャルを効果的に受ける方法と流れ

フォトフェイシャルは、施術プロセスとアフターケアの両方を正しく行うことで最大の効果を発揮します。
IPLの光は肌の状態に敏感に反応するため、施術前後の準備やスキンケアが結果を大きく左右するからです。
施術の流れ
- カウンセリングと肌診断
医師が肌の悩み・症状・生活習慣を確認します。肝斑や日焼けがある場合は照射を避けることも。
安全に最大の効果を得るには、経験豊富な医師による診断が必須です。
- クレンジング・洗顔
メイク・皮脂・日焼け止めを完全にオフし、光の通りを良くします。
- ジェル塗布と照射
冷却ジェルを塗り、マシンで顔全体を数ショットずつ照射します。
パチッと弾かれるような軽い痛みがありますが、麻酔は不要なレベルです。
- クーリング・鎮静
照射後は肌を冷やして鎮静。赤みやほてりを落ち着かせます。
- 保湿・UVケア
施術後の肌は一時的に乾燥しやすく、紫外線に敏感です。
保湿と日焼け止めが最重要ポイント。
効果を最大化するポイント
- 2〜4週間おきに定期的に受ける
- トラネキサム酸・ビタミンCなどの内服を併用
- 紫外線・摩擦・ピーリング系スキンケアを控える
- 生活リズム・睡眠を整え、肌の再生力を高める
施術を繰り返すたびに、肌が“光を吸収する層”を自ら再生していくのがフォトフェイシャルの特徴です。
医師と相談しながら継続することで、1回では得られない“底上げされた美肌”が手に入ります。
施術後の副作用やリスク

他の光治療器で合併症を起こされた方の例
フォトフェイシャルは安全性の高い施術ですが、副作用を理解しておくことでより安心して受けられます。
光エネルギーを用いるため、肌の反応によっては一時的な赤み・かさぶたなどが起こる可能性があるからです。
主な副作用
これらはほとんど一時的で、正しいケアをすれば数日で改善します。
むしろ多くの人が、「少しの赤みを経て透明感のある肌に変わる」と実感しています。
リスクを恐れすぎず、医師と相談しながら適切な施術を受けることが最善の予防策です。
肌質や季節に合わせた施術プランを立てれば、安心してフォトフェイシャルの恩恵を受けられます。
よくあるご質問
1回のフォトフェイシャルの効果は何年続きますか?頻度はどれくらいが良いですか?
フォトフェイシャルは、1回の施術でもシミやくすみの改善、肌のハリ感アップなどの効果を実感できる方が多い施術です。しかし、光の刺激によって活性化されたコラーゲンの生成やターンオーバーの促進は時間とともに緩やかに戻るため、1回の効果が何年も続くわけではありません。一般的には1〜3か月程度で少しずつ元の状態に近づいていきます。
美肌を維持するには、初期は2〜4週間ごとに3〜5回連続で受けるのが理想です。その後は、肌の状態に合わせて2〜3か月に1回のメンテナンスを続けることで、透明感・ツヤ・ハリのある肌をキープできます。紫外線ダメージを受けやすい夏や、乾燥しやすい冬など、季節ごとの肌状態を考慮しながら頻度を調整するのもポイントです。
また、肌質や年齢、生活習慣によって効果の持続には個人差があるため、定期的に医師の診察を受け、照射設定や治療間隔を見直すとより長期的な美肌維持が期待できます。
フォトフェイシャルの光は目に悪いですか?
フォトフェイシャルで使用される光(IPL=Intense Pulsed Light)は、広範囲の波長を含む強力な光エネルギーです。適切な安全管理のもとで使用すれば問題ありませんが、直接目に入ると網膜や角膜に悪影響を与える恐れがあります。そのため施術時には、患者も施術者も必ず専用のゴーグルやアイシールドで目を完全に保護します。
信頼できる医療機関では、照射範囲を細かく調整し、目の周囲では照射角度や光量をコントロールしています。特に目の下や頬骨の近くを施術する際には、シールドをしっかりと密着させ、まぶしさを最小限に抑える工夫がなされています。
万が一、不適切な管理下で施術を受けると「光がまぶしく残像が残る」「チカチカする」といった症状が出ることもあるため、美容医療の経験豊富な医師がいるクリニックで施術を受けることが安全の第一歩です。
フォトフェイシャルは逆に老けるということはありますか?
「フォトフェイシャルを受けると老ける」と聞くことがありますが、これは誤解や間違った施術による副作用が原因です。実際には、適切な光量・間隔で照射すればフォトフェイシャルは老化予防に役立ちます。
ただし、光の強さを過剰にしたり、短い間隔で繰り返し照射すると、肌のバリア機能が一時的に低下し、乾燥や赤みが出る場合があります。その結果、肌がしぼんだように見えて「老けた」と感じる方がいるのです。
また、施術後の紫外線対策や保湿ケアを怠ると、せっかくの効果が損なわれて肌ダメージが進行してしまうこともあります。
フォトフェイシャルの正しい受け方は、医師が肌質を見極め、出力を細かく調整しながら行うこと。そして施術後は日焼け止め・保湿・睡眠を徹底することです。これらを守れば、フォトフェイシャルは「老ける施術」ではなく「老化を遅らせる施術」と言えます。
フォトフェイシャルを受け続けた10年後の肌はどうなりますか?
フォトフェイシャルを継続的に受けている方の肌は、シミ・くすみができにくく、ハリ・ツヤを維持した若々しい印象になりやすいです。IPLの光は肌内部のメラニンを穏やかに分解し、コラーゲンの生成を促すため、「肌の基礎体力」を高める効果があります。
10年という長期で見た場合、施術を受けない人と比べると、肌のキメや透明感、色むらの少なさに大きな差が出ることが多いです。ただし、効果を持続させるには、フォトフェイシャルだけでなく日々のスキンケア・紫外線対策・睡眠・食生活などの基本を守ることが欠かせません。
また、年齢とともに皮膚のたるみが進行するため、必要に応じてたるみ治療(HIFUや糸リフトなど)を併用すると、より自然な若返りが可能です。
つまり、フォトフェイシャルを10年続けることで、単に「若く見える肌」ではなく、「肌そのものの健康状態が良い」という本質的な美しさを維持できるのです。
フォトフェイシャルでビニール肌になることはありますか?
ビニール肌とは、皮膚の角質層が薄くなってツヤが出すぎ、テカテカと光を反射してしまう状態です。触れるとツルツルしているのに乾燥してつっぱる特徴があります。フォトフェイシャルそのものが直接の原因になることは稀ですが、照射頻度が高すぎたり、他の刺激的な施術を重ねすぎるとビニール肌になるリスクが上がります。
たとえば、ピーリング・ダーマペン・高出力レーザーなどを短期間に組み合わせると、角質層が過度に剥がれ、肌のバリア機能が低下してしまうことがあります。
ビニール肌を防ぐためには、施術間隔を守ること、肌が乾燥しているときに施術を控えること、施術後はしっかり保湿を行うことが大切です。
もし施術後にヒリヒリ感やつっぱりを感じた場合は、刺激の少ないスキンケアに切り替え、皮膚が落ち着くまで間隔を空けてから次の施術を行いましょう。医師が肌の状態を確認しながら治療計画を立てることで、フォトフェイシャルは安全に美肌を保つサポートとなります。
【ビニール肌とは?】主な特徴・原因・見分け方と美容皮膚科による改善治療
まとめ
- フォトフェイシャルは、シミ・くすみ・赤ら顔・毛穴など、多くの肌悩みを同時に改善できる優れた治療法です。
「効果がない」「やめたほうがいい」と言われる理由の多くは、出力設定や回数、アフターケアの不備にあります。
・医師による正確な診断
・適切な出力と通院間隔
・UVケアと保湿の徹底
この3つを守るだけで、フォトフェイシャルの効果は格段に高まります。
- フォトフェイシャルは「目的ごとに使い分ける」のも効果的です。美白を重視するならM22、赤みやニキビ跡ならライムライトなど、機器ごとに得意分野があります。カウンセリング時に「どんな肌になりたいか」を明確に伝えることで、あなたに最適な照射プランを提案してもらえます。
- フォトフェイシャルは正しく受ければ、肌本来の透明感とハリを取り戻す「再生型治療」です。“効果がない”ではなく、“受け方を変えればすごい効果が出る施術”として、あなたの肌の未来を変えてくれるでしょう。