眼瞼下垂とは、
上まぶたが黒目にかぶさり、上まぶたを開けることができず、しっかりとものを見ることができない状態を『眼瞼下垂』といいます。
眼瞼下垂症は疾病(病気)です。それはまぶたが下がる病気です。
原因としては、生まれつき(先天性)もあれば、機械的刺激といって、コンタクレンズを長期間にわたり装用したり、よく目を擦るなどのアレルギー疾患が基礎にある方におこる後天性の場合があります。また、皮膚が伸びるのと同じように瞼の筋肉についている腱膜というものが伸びてしまう加齢によるものなど様々です。
眼瞼下垂の症状としては、
見えにくい(とくに上が)などの視野障害から、頭痛、肩こり、睡眠障害、めまい、自律神経障害、抑うつなどの気分障害など
様々なものがあります。
保険が適用される眼瞼下垂症とは?
眼瞼下垂症では機能的な障害を認めます。
それは眼瞼(上まぶた)をあげられないということで日常生活に支障が生じます。
そういった症状の重症度として一つの目安となるのがMRDというものになります。
眼瞼下垂症の重症度診断には、主に下記説明にあるMRDという測定を使用します。
*診断はMRDのみでは行いません。代償性の有無やその他の症状なども含めて総合的に行います。
保険適用手術『挙筋前転法』とは?
保険診療で行う眼瞼下垂症治療は、『挙筋前転法(読み方 きょきんぜんてんほう)』という手術を行います。
眼瞼挙筋とは上まぶたをあげる筋肉のことをいいます。
眼瞼下垂症ではなんらかしらの原因でこの眼瞼挙筋機能の低下をきたしています。
眼瞼下垂症手術ではこの眼瞼挙筋機能の修復をしなければいけません。
保険適用の場合は、皮膚を切って行う手術となります。上まぶたの皮膚切開を行い、まぶたを上げる筋肉である眼瞼挙筋を確認し適切な位置に戻すということを行います。
こうすることで眼瞼下垂という病気をしっかりと治療することができます。
保険適用『挙筋前転法』の手術まで
手術当日の施術時間は、両目で約1時間程度です。事前に血液検査が必要となります。結果が出るまで3~4日かかるので、余裕をもって手術日を設定します。
その後、個人差がありますが1週間程度の腫れ(これをダウンタイムといいます。)があります。術後1週間で抜糸をおこない、その後術後検診として1ヶ月後・3ヶ月後の通院が必要です。
手術前後の日数・注意事項 一覧
- 血液検査は、手術前に行います。
- 腫れは、約1週間。
- 通院は、術後翌日、1週間、1ヶ月後、3ヶ月後に必要。
- 入浴・シャワーは、翌日から可能。
- 洗顔・メイク(目元以外)は、翌日から可能。
- コンタクトは、術後約一週間の抜糸後から可能です。*コンタクトの長時間使用はお勧めできません。
- アルコールは、1週間ほど控えてください。
眼瞼下垂 保険適用後の手術費用
眼瞼下垂症手術は、健康保険が適用できる治療です。
保険診療とは病気・けがなどそれらに関する機能回復の場合にかぎり利用可能です。
患者様は1~3割負担のため、一般的に両眼2~5万円前後で治療が受けることができます。
自費診療で行う眼瞼下垂症手術について、
挙筋前転法は経皮的といって上まぶたの皮膚を切開して行うため、出血や術後の腫れなどを多かれ少なかれ伴います。
一方で皮膚を切らないでおこなう『切らない眼瞼下垂症治療』というものがあります。
皮膚を切る切開法に抵抗のある方、手術自体に抵抗がある方であれば、切らずに行う治療をおこなえば、術後に状態を確認して機能を回復させることも可能です。
重度の眼瞼下垂症の方、他院で眼瞼下垂の治療済みの方で再発したといった場合、切開法をお勧めする場合もあります。
切らない眼瞼下垂・切る眼瞼下垂、どちらを選択されるか、<専門の医師がまぶたの状態を診察してみないと分からない部分も多いため、一度、カウンセリングを受けてみてください。
あなたに合った治療法を検討いただき、医師のカウンセリングを受けたあと、決定されることをオススメします。
*『切らない眼瞼下垂』の場合は、美容外科での治療となりますので、保険は適用できず、全額自己負担での治療となります。
まとめ
- 眼瞼下垂症治療では保険が適用され、挙筋前転法にて治療を行います。
- 挙筋前転法では皮膚切開を行うため個人差はあるものの内出血や術後の腫れが見られます。
- 腫れ・出血など、ダウンタイムが気になる方は、自費診療『切らない眼瞼下垂』をお選びください。