足の爪は『体重を支える』重要な役割を持っており、爪の状態が悪いと歩き方にも支障が出て、体全体に不調をきたします。
足の爪の状態を見て変形していたり、痛みが出たとき、どのような病気なのか、正確な判断と治療が必要です。
よくある爪のトラブルは『巻き爪』または『陥入爪』である場合が多く、今回はその起こる原因や見分け方、治療法や再発防止について解説します。
巻き爪とは?
上記の写真のように、爪の端が内側に巻き込んだ状態になり、変形することを指します。
多くの場合は、足の爪に起こり、爪の周りの皮膚を傷つけるため痛みが出ます。
巻き爪になることで、さらに細菌感染により炎症を起こすこともあります。
また、足の痛みにより、姿勢や歩き方が悪くなることで、膝・腰にも影響を与えたり、足の不調により転倒につながる危険も潜んでいます。
陥入爪(かんにゅうそう)とは?
深爪となった状態で爪の角がトゲのように皮膚・軟部組織に食い込んで、炎症を起こしている状態のことを指します。
巻き爪・陥入爪の主な原因・パターン
巻き爪の状態として、主に上記4パターン、陥入爪の状態として上記2パターンがあります。
爪の変形や痛みが出たときは、上記のパターンに該当していないかご確認ください。
巻き爪となる主な原因としては、脚力の低下・間違った爪切りによる深爪・靴文化の多様化による不適切な靴・外反母趾などが挙げられます。
脚力の低下
近年、移動手段が発達して歩行することが少なくなり、 足腰の筋力低下によって、地面をしっかりと踏みしめる力がなくなってきているという事実があります。
足指を使って体重を乗せることができない状態が続くことで、爪に力が伝わらないため歪みが生じることで、爪が内側に巻いてきてしまいます。
間違った爪切りによる深爪
人は歩行時、足の親指に力がかかり、爪はその力に抵抗する役割があります。
深爪となった状態でこの力がかかると、爪の先の皮膚が上方に盛り上がります。
指先の軟部組織が爪を押して、両端が巻いてきてしまいます。
靴文化の多様化による不適切な靴
ハイヒールなどが代表とされる先端部分が窮屈になっている靴や、ぶかぶかで大きすぎる靴を履くことで、足底に対する荷重バランスが悪くなり、爪へ均等に力が伝わらないため、爪が変形してしまいます。
これは靴を履く文化がなかった古代人には見られなかった現象であり、爪に対する力がなくなることで、巻き爪になることがわかってきました。
外反母趾
足の親指の関節が小指側に曲がってしまっている状態を外反母趾と言いますが、その他にも足裏が平らになった状態である扁平足など、足自体が変形した状態でバランスが悪くなることで、巻き爪となることもあります。
巻き爪と陥入爪の違い・見分け方
それぞれのパターンについて、上記の写真で示したとおりですが、巻き爪は爪が曲がり丸くなる状態であることに対して、陥入爪は炎症を起こして腫れが出て、発赤や痛みを伴う状態となるというのが大きな違いです。
深爪を繰り返すことで痛み・炎症を引き起こして陥入爪となり、症状が悪化してしまうこともありますので、ご注意ください。
また、陥入爪は巻き爪があると起こりやすいですが、巻き爪になっていなくても起こりますし、巻き爪と陥入爪は合併することもあります。
最終的に巻き爪・陥入爪かどうか、医師による診察が必要
足爪が巻いている、皮膚に刺さっている、痛みがある、炎症や出血・腫れが出ているなど、それぞれの変形と症状によって、判断します。
足の爪のあたりが痛い、変形しているという状態だけでは、巻き爪なのか、陥入爪なのか、どちらも併発しているのか、わからない場合がありますので、医師による正確な診察と治療が必要です。
痛くない巻き爪矯正・治療『VHO』
巻き爪矯正治療である、3TO(VHO)とは、痛みがない矯正治療であり、施術当日から入浴・運動も可能で、日常生活に支障がない優れた治療法であるため、オススメしております。
巻き爪・陥入爪でお悩みの方が多いにも関わらず、従来の治療法は痛みを伴うなどこれまであまり良い治療法がない中、『VHO』であれば、深爪の方でも施術可能で、重度の巻き爪であっても矯正できる痛みのない治療法です。
方法としては、爪を特殊なワイヤーをかけて少しずつ巻いた爪を矯正するもので、歯の矯正のようにゆっくりと時間をかけて治療を行います。
爪を伸ばさないと矯正できなかった従来のワイヤーとは違い、VHOワイヤーであれば、短い爪でも装着でき、かつ、矯正力は非常に強力であり、爪の基部にフックをかけるため、これから新しく生えてくる爪にも有効です。
爪の基部へ矯正をかけるため、矯正期間は長く、ゆっくりと治していく方法となります。
【再発防止】インソールとは?
靴の中敷きのことを指します。矯正治療のあとは、適切なインソールを使うことで、再発防止を図ります。
巻き爪を適切に矯正し、再発させないためにも、どのようなインソールを選ぶかも重要なポイントです。
足の形をサポートするインソールとセルフケア
VHOで治療が完了したとしても、日々の歩き方や足の形によっては、再発することがあります。
インソール療法は、まず理学療法士が歩き方を観察して、そこに現れる体全体のゆがみを確認します。
その評価に基づき、体にゆがみが出ないような歩き方を目指し、その方に合ったインソールを作成します。
正しいインソールを装着して歩くことで、身体のゆがみと歩き方が徐々に矯正され、脳に正しい身体の使い方がインプットされていきます。
適切なインソールによって爪の痛みも楽になっていき、爪の矯正・改善が加速されます。
その他にも、巻き爪の再発を予防・改善するために、足の爪を切りすぎない、足を締めるけるような靴やサイズの合わない靴は避ける、歩き方の癖を直し足の指がしっかりと地面につくように歩くなど、日々の改善やセルフケアも欠かせません。
【施術事例】痛くない巻き爪治療
抗生剤投与をおこない、外用薬で炎症・痛みを取ったあと、1週間の経過後に『痛くない巻き爪治療』であるVHOを行いました。
2~3ヶ月に一度、交換を行って、ゆっくりと矯正していきます。
【自費診療】巻き爪・陥入爪の治療費
- 爪囲炎(そういえん)の場合:保険診療に準じた診療報酬となります。
- VHO初回治療:(1足趾) 16,500円(税込)
- VHO交換治療(2回目以降):(1足趾) 11,000円(税込)
巻き爪の手術・治療 まとめ
- 足から起こる体の不調、足爪の変形・痛み・炎症が見られたら、巻き爪・陥入爪の症状を疑い、適切な診察と治療が大切です。
- 巻き爪治療を受けた後は、セルフケアとインソールを使用した再発防止の取り組みが不可欠となります。
巻き爪矯正 よくあるご質問FAQ
巻き爪のような症状が出た場合、どこで受診すれば良いですか?
皮膚科・形成外科など医師が治療を行うところと、医療行為を行わない足のクリニックやサロンなどがあります。
皮膚の炎症が見られる爪囲炎などの場合は医師が医療行為を行う保険診療となりますが、巻き爪の場合は自由診療となります。
医療機関であれば、巻き爪・陥入爪の適切な診察と治療のどちらも行うことができます。
陥入爪で痛みがあるので刺さっている爪を自分で切ってもいいですか?
既に軟部組織に刺さってしまっている爪を切ってしまうと、一時的に刺さらなくなるので痛みは和らぎます。
ですが、爪が伸びてくると再度刺さって痛みが出てくることになりますし、深爪になると巻き爪を引き起こしてしまうこともあるので、ご自身で切ることは避けた方がよいです。
陥入爪の症状や痛みがある場合は、医師に相談することをオススメします。