眼瞼下垂治療に関するご相談で、
『腫れるんですか?』とよく質問されます。
回答としては、『術式によっては腫れます。とくにまぶたの上から皮膚を切る;経皮的眼瞼下垂症手術挙筋前転法では必ず腫れます!』としています。
この経皮的というのがポイントで、皮膚を切ってアプローチをするということです。
まぶたの皮膚は人間の体の中で一番薄い皮膚です。色白の方のまぶたをよくみると血管が透けて見える方がいます。血管が透けて見えるほど薄いのがまぶたの皮膚です。ですから、そこを切開すれば、、、その前にそこに局所麻酔薬を注射する針でも、どんな極細の針であっても血管にあたれば出血します。出血するということは腫れるということです。
では、一方まぶたの皮膚を切らないで眼瞼下垂症手術という方法があります。
それが『切らない眼瞼下垂症手術』という方法です。
これに関してはM’sオリジナルの方法で行っております。
絶対腫れないのか?と言われると、絶対はないので『腫れにくい』とお答えしておきます。それは、確実に経皮的(まぶたの上を切る方法)に比べては確実に腫れにくいです。
そこで今回ご紹介する『切らない眼瞼下垂症手術』を行ったお二人の方をご紹介します。
①20代 女性 過去に埋没法で二重を形成したことのある方
②50代 女性 片側眼瞼下垂。コンタクトレンズ使用者です。
まずは、①の方ですが、
二重の幅が広いというのがお悩みでした。まぶたは瞳孔縁にかかっていませんが、この写真をみてもお分かりかと思いますが、『眠そうな目』です。軽度くぼみ目にもなっています。
お仕事上、腫れるのは難しいということなので『切らない眼瞼下垂症手術』を選択されました。
*二重を受けた方、特に幅広の二重などの無理がある術式などを過去に施されている方では将来的に眼瞼下垂に移行する方が多いです。これは挙筋自体もしくは挙筋腱膜などに負荷がかかり癒着などを起こして眼瞼下垂を引き起こしていると考えられます。
↓施術直後の状態です。左側が若干ですが腫れています。
↓施術前後の比較です。見かけの二重幅は2mm狭くなりました。施術前が5mmでしたので、3mm幅なのでアジア人にあった自然な二重幅と言えるでしょう。
目の動きも自然です。
『切らない眼瞼下垂症手術』は、
まぶたの上を切らないので、目の裏側よりアプローチするのですが施術後の状態も↓
結膜側で常に涙に覆われているのでキズが治癒するのも早いです。
次にご紹介する方は、②50代 女性です。
片側ですので、左を『切らない眼瞼下垂症手術』を行えばヘリングの法則に従って健康な目も落ちるかと思ったのですが、後の経過を見ていただければと思いますが、右側は下がりませんでした。もしかすると、こういった左側のみなどの片側性の眼瞼下垂症にはあっている手術法なのかもしれません。。。
*ヘリングの法則に関して詳しくは、↓こちらを
眼瞼下垂症(ヘリングの法則)
目を大きく開けた時、代償といって眉毛の動きを止めた時の様子です↓。
左目は代償なしではMRD0〜マイナスという状況です。重度眼瞼下垂症です。
この方もお仕事の都合上どうしても腫れたくないということで『切らない眼瞼下垂症手術』を選択されました。
①代償で左眉の挙上
②両黒目の大きさが違う
③左目のくぼみ目
④二重幅の乱れ
などがあります。
そして、
施術直後の状態です。ほぼ腫れもなく①〜④の施術前の症状は改善しました。
ところが、施術1週間後にくると、
左眉があがり、それに伴いくぼみ目が再出現していました。
これは、
眼瞼下垂症の方に特徴的なのですが、施術前には眉毛を上げて(=代償)目を大きく開けようとして物を見る習慣性があります。特に長期にわたりこの代償を行なっている方では、施術をした後もこの習慣=癖は抜けません。
この方の場合、施術直後では改善されているのに1週間でこのような結果になったのは固定糸が外れたのか?、固定が弱ったのか?という懸念がされました・・・、
ところが、左眉をブロックすると施術効果は認められるということが分かりました。
前述した通り、眉をあげる=左前頭筋の運動が反射的に行われていことによる症状でした。このまま放置しておくと折角の改善手術の意味が半減するので、この運動機能を減弱させることにしました。
その減弱効果となるのが、ボトックス注射です。この注射の仕方と投与量が特に重要です!
↓結果です。
いかがでしょうか?
こういった眼瞼下垂症術後の方で運動機能が反射的に残っている方では、放置しておくと再発や改善が低いという結果に繋がります。その時にこのボトックス注射を行うことで再発予防などに努めることができます。
人間の習慣というのは非常に強いということを再認識したケースでした。
*重要:眼瞼下垂症の方でおでこのシワがあるからボトックス注射でなんとかしようと考えている方がいます。順序は逆です。これを間違えると大変なことが起こるので十分注意が必要です。
眼瞼下垂症の
手術合併症
出血、感染、術後瘢痕問題(ケロイド、肥厚性瘢痕などの発生)、麻酔によるアレルギー、再発、ドライアイ、一過性の視力低下、顔貌の変化、二重の左右差、上まぶたの皮膚知覚障害など
眼瞼下垂症の
料金
粉瘤手術にかかる自己負担金
眼瞼下垂症手術(挙筋前転法):片側 約 ¥22,500円
眼瞼下垂症手術(挙筋前転法):両側 約 ¥45,000円
切らない眼瞼下垂手術(自費診療) |
切らない眼瞼下垂(埋没式):片側 |
100,000 |
切らない眼瞼下垂(埋没式):両眼 |
150,000 |
切らない眼瞼下垂(切開式):片側 |
200,000 |
切らない眼瞼下垂(切開式):両眼 |
300,000 |