今回ご紹介するのは、
傷跡(きずあと)に関する治療です。
キズアトに関するお悩みは人それぞれです。
かゆみや痛みが伴うものもあれば、醜塊(しゅうこん)といって見た目に問題があるものなど・・・
そして、それによって
コンプレックスとなり、心にキズがつく方もいらっしゃいます。
30代 女性のかたです。以前(2年前)、左胸にできたデキモノを摘出したということです。
その後よりキズアトが膨れ上がり、赤みをおび、痛みとかゆみが出現してきました。
以前にもご紹介しましたが、傷跡(キズアト)修正にはZ形成という方法があります
↓
キズアトに対してZ字型のように皮フを切開します。
そうすると、皮弁と言われる皮フの弁ができます。この二つの皮弁を入れかえることで瘢痕によって縮んだ皮フを引き延ばす=延長効果やキズ自体にかかる力を分散させる効果などが期待できます。
ですが、今回用いた手法はZ形成ではなく
↓
W形成というものです。
W形成は別名ジグザグ縫合とも呼ばれています。
直線状のキズアトは何かと問題となります。また直線は目立ちます。ですが、W形成のように一辺が4〜6mm台の三角弁を入れ込み、ジグザク状になることでキズは目立つことなく、またZ形成同様キズにかかる緊張を和らげる分散効果が期待できます。
*なぜ直線は目立つか?
同じ全長5cmのキズが顔にあったとします。一つは一直線、もう一つはジグザク状です。顔に5cmのキズが一直線にあった場合シワに沿ってない限りかなり目立ちます。人の目は5mm以下のものを認識するのが困難だと言われております(光の具合や見る距離にもよりますが・・・)。同じ全長5cmでも一辺が5mm以下のものが交互にあると、全体的にボンヤリしてしまいカモフラージュされるのです。
3ヶ月経過して再発はなく、キズの6割程度が成熟瘢痕化しています。
W形成は、顔や頭など突出した部位に発揮する手法です。
最初は赤々としていますが6ヶ月も経過すると周囲と馴染んでほぼわからなくなります。
『心のトラウマを解消する傷跡修正~キズも消えれば心も晴れる~』