粉瘤をよく『脂肪のかたまり』が出来て・・・、と尋ねて来られる方がいます。
脂肪のかたまり=脂肪腫であって、粉瘤は脂肪のかたまりではありません。粉瘤は医学用語で表皮嚢腫といい、皮膚良性腫瘍の一つです。
皮膚は、二層に分かれます。表皮と真皮です。また、表皮は四層に分かれており、その一番上の層が角質層と呼ばれます。皮膚を目で見たときに網あみに見えるのがその角質層です。角質層を構成する角質はいずれ肌サイクル(肌周期)によって剥がれて落ちる運命でそれが垢(アカ)なのですが、それが落ちていかず、粉瘤の袋の中に少しずつ溜まって行った結果が粉瘤という腫瘍なのです。
その証拠にMRIの粉瘤の画像を示します。
太ももにできた粉瘤です。これくらい大きいと鑑別も必要なので画像検査を行いました。
筋肉の周りには脂肪があります。MRIでは脂肪は白く映りますが、粉瘤は白く映りません。
粉瘤は脂肪の塊ではないということです。