今回ご紹介する石灰化上皮腫は、「皮膚のできもの」で粉瘤、脂肪腫など並んでよく見られる皮膚・皮下腫瘍の一つです。
そして、良性の腫瘍です。
毛母と言われる毛の根幹にある細胞で毛の成長に深く関わっている部位があります。その毛母細胞から起源となる腫瘍だということは分かっていますが、なぜ出来るのか?は分かっておりません。はっきりとした原因は不明です。
*諸説によれば外傷(ケガ、蚊に刺されたなど)などが原因で起こるということも言われています。
石灰化上皮腫は、文字通り石灰化をしており硬い腫瘍です。皮膚の下に硬く触れるデキモノです。一部皮膚の上から腫瘍の一部が透けて白〜青色に見えたりすることもあります。
石灰化上皮腫は、小児・10代に好発する腫瘍とも言われています。とくに小児の顔(まぶた)、腕、頸などに発生することが多いようです。また、多発する例も報告されています
治療は手術による摘出です。自然になくなることは残念ながらなく、大きくなることもあるので小さいうちに摘出することをお勧めします。
提示するケースは2つ
症例1は、小児で好発部位であるまぶたに出来た石灰化上皮腫です。
症例2は、外傷を契機にできたケースです。
症例1
7歳 男児 眉毛の下にできたデキモノでした。
眉毛の直下に認めた1cm大の硬い腫瘤でした。
傷跡が目立たないように切開線は眉下切開で行いました。
摘出し、縫合終了しました。
病理の結果は、石灰化上皮種でした。
症例2
30代 男性 後頭部にできたデキモノ。
非常に体格の良い方でした。筋トレが趣味で、首ブリッジで首を鍛えたようです。首ブリッジをすると後頭部にできたデキモノが当たり痛みがあるということでした。
開けると瞬間に石灰化上皮腫と思われる外観をした腫瘍でした。
摘出して病理検査に出すと結果は石灰化上皮腫でした。
石灰化上皮腫の手術合併症
出血、感染、術後瘢痕問題(ケロイド、肥厚性瘢痕などの発生)、麻酔によるアレルギー、再発など
石灰化上皮腫の料金
粉瘤手術にかかる自己負担金
露出部 ¥5,000〜¥14,000円
非露出部 ¥4,000〜¥13,000円
*露出部とは、半袖半ズボンの衣服を着用して衣服で肌が覆われない部位、例えば顔や首、前腕や膝下などの部位を言います。一方で、非露出部はその反対で衣服で覆われている部位を示します。
*費用の幅は、部位や大きさによって変わります。