耳の見た目の問題、コロナ禍でもマスクがかけられないといったことでお悩みの方は、折れ耳・カップ耳などの症状の可能性があります。
生後、新生児期・乳児期など早期の段階であれば、外力による矯正も試みることもできますが、成長とともに耳介軟骨は硬化し、矯正は困難となるため、手術が必要となります。
特に最近のコロナ禍で必須のマスクがかけられない、という状態の方は、早期の治療をオススメします。
折れ耳・スタール耳とは?
折れ耳とは、上のイラストのように、通常の耳と異なり、耳の上の部分が前方に折れ曲がっている状態にあり、耳が畳み込まれている状態であることを指します。
折れ耳の場合は、眼鏡・マスクなどを耳にかけてもすぐに取れたり、外れたりしますので、日常生活に支障をきたします。
対して、スタール耳とは、耳の上部が余分な軟骨の隆起(第3脚)が形成され、とがった状態に見えるのが特徴です。
立ち耳は、その見た目から、カップ耳・コップ耳などとも呼ばれ、対耳輪が消失して形成がなく、耳介がコップ状になった状態を指します。
先天性の耳の形態によって、さまざまな呼び名があります。
折れ耳の原因・デメリット
- 生まれつき(先天性)、変形している
- 親からの遺伝の可能性がある
- 詳しい原因はわからない
デメリットとしては、見た目の問題で耳が曲がっている、垂れている、立っている、というだけでなく、メガネ・マスク・髪の毛を耳にかけられないといった機能障害もあります。
折れ耳と立ち耳は合併することもあり、特に西洋では立ち耳は小悪魔のイメージがあり、避けられる傾向にあります。
こんな症状がある方は要注意
- 耳が痛くて眼鏡がかけられない
- マスクをかけてもすぐ外れてしまう
- 左右の耳の形が異なり、対称でない
保険適用可能な治療法・手術
耳輪と呼ばれる耳の上の部分を構成する皮膚や軟骨が低形成となっている状態から、耳輪を形成することで、折れた・垂れた耳を戻すことで治療できます。
耳の変形の度合いは様々なですが、先天性の折れ耳・スタール耳は、保険診療での手術が可能です。
折れ耳 治療の流れ
- 耳の後ろ側の皮膚を切開して耳介軟骨:耳輪の部分を露出
- 軟骨がある程度しっかりしている場合には垂れている軟骨を移動
- 軟骨が低形成で足りない場合は違う場所の軟骨をもってきて移植
- 耳介は固定するのが難しいので、血腫が形成されないよう、予防のため左のように固定
- 術後7日目、固定を解除
- 術後1ヶ月も経過すれば、安定
※手術後1ヶ月では、力がかかると後戻りのリスクがあるので、マスクはつけられますが、十分注意が必要です。
まとめ
- 先天性の折れ耳・立ち耳のまま成長した場合は、保険適応による手術・治療が可能です。
- 手術後1ヶ月でマスクがかけられるようになり、左右の耳の見た目の問題も解消します。