
40代〜50代に差し掛かると、ふと鏡を見たときに「なんだか老けて見える…」と感じることが増えてきます。その原因のひとつが、「目の下のたるみ」です。若いころにはなかった影やふくらみが現れ、疲れた印象、老けた印象を与えてしまうため、多くの女性が気になりはじめます。
この「目の下のたるみ」は、自然に治るものではなく、メイクで隠すにも限界があります。しかし、だからといって「手術は怖い」と感じる方も多いのではないでしょうか。実際に、メスを入れる外科的手術に抵抗を感じる40〜50代の女性もおられるようです。
「切らない治療」として、ヒアルロン酸やHIFU(ハイフ)、スレッドリフトなど、医療技術の進歩によって、メスを使わずにたるみを改善できる選択肢が増えてきました。
今回の記事では、40〜50代女性に向けて、目の下のたるみに対する「切らない治療」について、わかりやすく解説していきます。
目の下のたるみの原因

目の下のたるみは、加齢とともに起こる自然な現象です。以下のような複合的な原因によって進行します。
主な原因
- 眼輪筋(がんりんきん)の衰え
目の周囲を囲む筋肉である眼輪筋が加齢により弱くなり、脂肪を支えられなくなります。
- 皮膚のハリ・弾力の低下
コラーゲンやエラスチンの減少により、皮膚の弾力が失われ、たるみが目立つようになります。
- 眼窩脂肪(がんかしぼう)の突出
眼球を保護する脂肪が前に押し出されることで、ふくらみや影(クマ)を形成します。
- 骨格の変化
40代後半からは顔の骨が萎縮していき、皮膚や脂肪が余ってしまい、下垂の原因になります。
- 乾燥や摩擦などの日常刺激
目元は非常に皮膚が薄いため、クレンジングやアイメイクの摩擦でも徐々にダメージを蓄積していきます。
40〜50代特有の悩み
特に40〜50代の女性は、加齢による変化が顕著に現れる年代です。「クマ」「たるみ」「くぼみ」が複合して起こりやすくなり、若いころの印象と大きく変わってしまいます。
目の下のたるみは自力で治すことはできるかどうか

- 自力で完全に治すのは難しい
「毎日マッサージしていれば治る?」「スキンケアで元に戻る?」という疑問を持たれる方は多いですが、残念ながら目の下のたるみを自力で根本的に治すのは難しいのが現実です。
- 原因が皮膚だけでなく脂肪・筋肉・骨にあるため
目の下のたるみは単に皮膚の問題だけではありません。眼輪筋の衰え、脂肪の突出、骨の萎縮など、複合的な内部構造の変化が関係しています。マッサージやアイクリームで一時的にハリが出ても、根本的な改善には至りません。
- エステでは限界、医療のアプローチが必要
例えばエステでは血行促進や表面の引き締めは期待できますが、突出した脂肪を戻すことはできません。そのため、たるみが気になってきた段階で、医療的な選択肢を検討するのが賢明です。
- たるみが軽いうちに医療の力を借りることが大切
目の下のたるみが進行してからでは、切らない治療では効果が不十分になる場合もあります。気になり始めたら早めに専門医に相談することで、メスを使わずに改善できる可能性が高くなります。
切らない治療のメリット

メスを使わずに改善が期待できる「切らない治療」は、忙しい女性やダウンタイムに不安がある方にとって心強い選択肢です。
- ダウンタイムが短い
切開手術に比べて腫れや内出血が少なく、翌日からメイクが可能な治療もあります。
- 自然な仕上がり
顔の印象が大きく変わらないため、周囲に気づかれにくく、ナチュラルな若返りが可能です。
- 心理的ハードルが低い
メスを使わないため、痛みや恐怖心が軽減され、初めて美容医療を受ける方でも挑戦しやすいです。
- 通院回数が少ない
一度の施術で効果が出る治療も多く、忙しい40〜50代の女性にとって通いやすいメリットがあります。
切らない治療のデメリット

切らない治療にも「向き・不向き」があります。たとえば、眼窩脂肪の突出が大きく、すでに重度のたるみが固定化している方にとっては、これらの治療では根本的な解決に至らないことがあります。
- 効果が永久ではない
多くの治療は半年〜1年程度で効果が薄れるため、定期的なメンテナンスが必要です。
- 状態によっては効果が出にくい
脂肪の突出が強い場合や皮膚のたるみが進んでいる場合には、外科的治療が必要になることもあります。
- 技術差が出やすい
切らない治療は医師の経験や技術により結果が大きく変わります。信頼できるクリニック選びが重要です。
- 複数の治療を組み合わせる必要がある
一つの治療だけで完璧に仕上がるわけではなく、ヒアルロン酸+HIFU+スレッドリフトなど、総合的なプランニングが必要な場合があります。
目の下のたるみ 切らない治療方法
美容医療の現場で人気の「切らない治療」を4つご紹介します。それぞれの特徴や向いているタイプを把握することで、自分に合った治療を見つけるヒントになります。
ヒアルロン酸注入

ヒアルロン酸注入とは?
目の下のくぼみや凹凸にヒアルロン酸を注入して滑らかにすることで、影を目立たなくし、若々しい印象を取り戻す治療です。
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内容 |
メリット |
施術時間が短く、10〜15分程度で完了
効果が直後にわかる
ダウンタイムがほぼない |
注意点 |
眼窩脂肪の上に注入すると膨らみが強調されるリスク
不自然な仕上がりになることがある(経験豊富な医師に依頼すべき) |
持続期間 |
約6ヶ月〜1年程度(製剤により異なる) |
HIFU(高密度焦点式超音波)

HIFUとは?
超音波の力で皮膚の深部に熱を与え、筋膜(SMAS層)を引き締めるリフトアップ治療です。
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内容 |
メリット |
メスを使わずにたるみを引き上げる
コラーゲン生成によるハリ改善
施術後も徐々に効果が高まる(1〜3ヶ月) |
注意点 |
骨に近い目元では痛みを感じやすい
効果がマイルドなため、重度のたるみには不向き |
持続期間 |
約6ヶ月 |
ポテンツァ・水光注射

ポテンツァ・水光注射とは?
マイクロニードルとRF(高周波)を組み合わせたポテンツァや、ヒアルロン酸・成長因子を微量注入する水光注射で、肌質そのものを改善します。
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内容 |
メリット |
毛穴の引き締め、くすみ・小ジワ改善に効果的
肌のハリ感アップに貢献 |
注意点 |
劇的なリフトアップ効果は少ない
赤みや点状出血が一時的に出ることがある |
持続期間 |
数週間〜数ヶ月(繰り返し施術で効果維持) |
スレッドリフト(糸リフト)

スレッドリフトとは?
極細の医療用糸を皮膚下に挿入し、たるみを物理的に引き上げる治療。糸は体内で吸収されながらコラーゲン生成を促します。
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内容 |
メリット |
リフトアップ効果が実感しやすい
糸の種類によりデザインが自在
たるみの進行予防にも効果的 |
注意点 |
術後に違和感やひきつれを感じることがある
医師のスキルで仕上がりに差が出やすい |
持続期間 |
約6ヶ月〜1年半 |
たるみの根本治療を選ぶなら『裏ハムラ法』

切らない治療は、手軽に受けられる魅力があります。しかし、50代を超えて明らかな脂肪の膨らみや骨のへこみがある場合、どれだけ美容機器や注入で整えても、限界が訪れます。そこで注目されているのが、「裏ハムラ法」と呼ばれる外科的な根本治療です。
裏ハムラ法とは?
皮膚を切らずに下まぶたの裏側(結膜側)からアプローチし、突出した眼窩脂肪を再配置する施術。余分な脂肪を切除するのではなく、下方へ移動させることで、段差や影をなだらかに整えます。
Dr.三沢
皮膚表面に傷が残らず、自然な若返り効果が得られるのが最大の特徴です。骨や脂肪の構造的な変化に対処するため、効果は長期的。将来にわたってたるみが戻りにくくなるため、「最善のたるみ治療」として選ばれる方も多くいます。
施術事例【40代/女性 目の下のクマたるみ・くぼみ目を裏ハムラ法で改善】

体型が痩せ型、お顔もほっそりとした方ですが、顔を含めた細めの体型の方に多いのが皮膚の柔らかさです。必然的に目の下の皮膚も薄く、柔らかい状態でした。また、目の上がくぼんでいます。
アフター写真は術後6ヶ月の状態ですが、目の下の膨らみは改善されており、再発も認めません。


目の下の膨らみはないのですが、皮膚が柔らかいために皮膚のたるみが出ています。
Dr.三沢
クマたるみの根本治療である『裏ハムラ法』で眼窩脂肪は移動しても上部構造である皮膚や筋肉の緩みは将来的にも出てきます。そのため、皮膚のたるみを改善するために美容皮膚科領域におけるポテンツァ・水光注射などの術後のケアを定期的に行い、皮膚を切らずに改善していくことをお勧めしております。
【顔が痩せ型の目の下のクマ=眼窩脂肪の突出・くぼみ目(目の上)】を裏ハムラ法で改善
よくあるご質問
目の下のたるみが気になり出したのですが、何科に受診すれば改善できますか?
目の下のたるみが気になる場合は、美容皮膚科や美容外科を受診するのが一般的です。たるみの原因は皮膚の老化や脂肪の突出などさまざまなため、専門的な診察を受けることで、あなたに合った治療法を提案してもらえます。まずは相談してみるのがおすすめです。
20〜30代でも早めに切らないたるみ治療を受けた方が良いですか?
はい、20〜30代でもたるみが気になる場合は、早めのケアが有効です。切らない治療(ヒアルロン酸、HIFU、スレッドリフトなど)は肌への負担が少なく、予防効果も期待できます。加齢によるたるみが本格化する前に、軽度の段階で治療を始めることで、老化の進行を緩やかにできる可能性があります。
40代以上のたるみ取りは、失敗して後悔することが多いと聞きましたが本当ですか?
一概に「多い」とは言えませんが、40代以上になると肌の状態や回復力に個人差が出やすいため、仕上がりに満足できないケースもゼロではありません。ただし、経験豊富な医師に相談し、あなたの状態に合った適切な治療法を選べば、自然な若返り効果を得られることが多いです。リスクやダウンタイムについて事前に十分な説明を受けることが、後悔を防ぐポイントになります。
まとめ
目の下のたるみは、見た目年齢を大きく左右する要因です。特に40〜50代は、老化のサインが加速するタイミングでもあるため、早めの対策が重要です。
- 切らない治療は、「手術はしたくない」「でも老けて見られたくない」という方にとって、非常に魅力的な選択肢です。ヒアルロン酸、HIFU、ポテンツァ、水光注射、スレッドリフトなど、症状や希望に合わせて選べる治療が豊富にあります。
- 構造的なたるみが進行している場合には、やはり外科的な治療が根本的な解決につながります。特に『裏ハムラ法』は、自然な見た目のまま、長期的な若返りが期待できる優れた選択肢です。
- 1.『裏ハムラ法』で目の下のクマたるみの根本治療、2.術後のケアとしてポテンツァ・水光注射で定期的なたるみ改善、という順序を推奨しています。