
「なんだか老けて見える」「疲れて見える」そんな悩みの原因の多くは「目の下のクマやたるみ」です。30代後半から60代にかけて、加齢とともに目の下のボリュームが減少し、影ができるようになります。メイクで隠しても限界があり、セルフケアでは改善が難しいため、美容医療の力を借りたいと考える方も増えています。
その中でも「脂肪注入」は、ご自身の脂肪を使って目の下のくぼみを埋め、ふっくらとした若々しい印象を取り戻せる治療法として注目されています。ただし、脂肪注入には「定着率が不安定」「吸収されてしまうことがある」などのデメリットも存在します。
今回の記事では、脂肪注入による目の下のクマ治療のメリット・デメリットを整理しながら、失敗を避けるための定着率を高める方法や、より安定した結果を得られる治療法の選択肢についてもご紹介いたします。
目の下のクマ取りに脂肪注入を行うメリット

脂肪注入とは?
脂肪注入は、目の下のくぼみや影クマ(黒クマ)に対する治療法のひとつで、ご自身の脂肪を太ももや腹部などから採取し、精製したうえで目の下へ注入します。
この治療には次のようなメリットがあります。
自然な仕上がり
- 自身の脂肪を使用するため、アレルギー反応の心配が少なく、肌になじみやすい
- ヒアルロン酸よりも質感が柔らかく、目元の繊細な皮膚にも違和感なくなじみます
長期的な効果が期待できる
- 定着した脂肪は半永久的に残るため、メンテナンスの頻度が少なくて済みます
- ボリュームが失われた目の下をふっくらとさせ、老けた印象を改善します
他部位の脂肪除去効果も
- 脂肪採取部位(太もも・腹部など)の部分痩せも同時にできるという副次的なメリットがあります
このように、脂肪注入はナチュラルで長持ちしやすく、しかもご自身の脂肪を活用できる治療法として人気があります。
脂肪注入の一般的な定着率は?

脂肪注入治療において重要なポイントが「脂肪の定着率」です。定着率とは、注入した脂肪が術後にどれだけ生着して残るかを示す指標です。
平均的な定着率の目安
一般的には30〜70%程度とされ、個人差が大きいです
残りの脂肪は、術後数週間〜数ヶ月かけて吸収されてしまう可能性があります
この差は「脂肪の質」「注入技術」「術後のケア」などにより大きく影響されます。特に目の下は皮膚が薄く、血流が少ない部位であるため、他の部位よりも脂肪の定着が難しい傾向にあります。
目の下の脂肪注入が定着しないデメリット・定着率が異なる理由

脂肪注入の定着率が安定しない場合、以下のようなリスクや問題点が生じます。
定着しないことで生じるデメリット
- 施術直後はふっくらしても、時間が経つと元に戻ったように見える
- 左右差が生じやすい(片側だけ脂肪が多く定着するなど)
- ボコボコ・凹凸が出る可能性がある
- 再治療が必要になることもある(再注入や修正手術)
なぜ定着率が異なるのか?
- 脂肪の質:年齢や採取部位によって脂肪細胞の活性度が異なる
- 注入方法:粗い注入や塊状の脂肪は血流を妨げ、壊死の原因となる
- 目の下の構造:皮下が薄く、脂肪が流れやすい部位
- 術後の腫れ・圧迫:内出血や腫れによって脂肪が圧迫され、壊死しやすい
脂肪注入による施術後に、「思ったより吸収されてしまった」「仕上がりが左右で違う」といった不満の声が出てしまう可能性があるのは、これらの原因に起因しています。
失敗しない脂肪注入の定着率を上げる方法・術後のケア

脂肪注入による治療で良好な結果を得るためには、医師の技術力だけでなく、術後のケアやご自身の体質も重要な要素となります。
定着率を高めるコツ
- 熟練の医師を選ぶこと
微細な脂肪を少量ずつ、層ごとに注入する技術が重要です。
経験豊富な医師は、脂肪の生着率を高めるノウハウ(定着率が高い「純度の高い脂肪」を抽出するピュアグラフトを使用するなど)を持っています。
- 高品質な脂肪の抽出と加工
コンデンス(濃縮)脂肪注入やナノファット注入など、脂肪を精製する工程を丁寧に行うことで、生着率が上がります。
- 術後の過ごし方に注意
目元の強いマッサージや圧迫、喫煙、過度な飲酒などは脂肪の壊死を招くリスクがあります。
術後数週間は安静に過ごし、血流を良く保つことが望ましいです。
- 適切な量での注入
一度に大量に注入すると壊死やしこりの原因になります。段階的に行うほうが安全で効果的です。
上記のような定着率を上げる方法や術後のケアをすべて実行しても、「確実に定着する」とは言い切れないのが脂肪注入の難しさです。
脂肪注入後のしこりのリスクは、以下のページでご説明しております。
裏ハムラ法による目の下のクマ取り後のしこり/脱脂と脂肪注入後のしこりがいつまで残るか比較
目の下のクマ取りに脂肪注入の定着率が気になる方へおすすめの治療:裏ハムラ法

脂肪注入に不安がある方にとって、有力な選択肢となるのが「裏ハムラ法」です。
裏ハムラ法とは?
まぶたの裏側(結膜側)からアプローチし、目の下の脂肪をくぼんだ部位へ移動させて再配置する治療法で、目の下の膨らみとくぼみを同時に解消する画期的な方法です。傷跡が表に残らず、自然な仕上がりが期待できます
なぜ裏ハムラ法が優れているのか?
- 脂肪を新たに注入するのではなく、元々ある脂肪を使うため、生着率の不安がない
- 目の下の構造に合わせて丁寧に配置できるため、凹凸や左右差が出にくい
- 中長期的に見ても安定した結果が得られやすい
Dr.三沢
裏ハムラ法は、「脂肪注入でうまくいかなかった」「繰り返し治療したくない」と感じている方にこそ、検討していただきたい治療法です。
裏ハムラ法と脂肪注入の比較
施術事例【60代/女性 脂肪注入はやりたくないという希望で裏ハムラ法により目の下の膨らみを改善】

60代の場合、以下について少なからずどれかが存在し、それらの問題を改善するには皮膚側から行う必要があるため、通常、裏ハムラ法は適応となることは少ないです。
1. 皮膚のたるみ
2. 皮膚のシワ
3. 筋肉の弛み
4. 靭帯(リガメント)の弛み
5. ほうれい線の深さ
60代であれば、皮膚側から切開して眼窩脂肪を移動して眼輪筋の吊り上げ固定をし、皮膚切除を行う。ほうれい線が深い場合はミッドフェイスリフトを追加するなど、多くの点が改善できる範囲が広がります。
ですが、今回の60代女性は、以下の強い思いがありました。
1. 皮膚側の治療は希望しない
2. ダウンタイムが少ない施術
3. 膨らみをなくしたい
4. 脂肪注入はやりたくない
そのため、裏ハムラ法による施術を行い、膨らみはなくなり、笑った時も涙袋が形成され、大変ご満足していただきました。


Dr.三沢
「クマ・たるみ・膨らみを改善したい」「皮膚を切りたくない」「脂肪の定着が気になる」「ダウンタイムを短くしたい」全てを叶えることができるのが、裏ハムラ法による施術です。
よくあるご質問
脂肪注入は1回だけでは定着しませんか?
目の下への脂肪注入は、1回である程度のボリュームアップが可能ですが、注入した脂肪のすべてが永久的に残るわけではありません。一般的には定着率は50〜70%程度とされており、残りの脂肪は数週間〜数ヶ月かけて体内に吸収されていきます。
定着率は個人差が大きく、以下のような要因で左右されます。
・注入技術(脂肪の処理方法や注入層の選定)
・術後の過ごし方(圧迫・冷却の有無など)
・血流や代謝、体質など生理的要因
そのため、1回の施術で満足できる結果が得られる方もいれば、複数回の施術が必要な方もいます。医師と相談しながら、定着を見極めたうえで追加注入を検討するとよいでしょう。
目の下の脂肪注入を行なって10年後はどうなりますか?
脂肪注入の効果は半永久的とされる一方で、10年という長期スパンで見ると、加齢による皮膚や筋肉の変化に影響されることが少なくありません。具体的には、以下のような経過が考えられます。
・定着脂肪が少しずつ委縮・下垂する可能性 年齢とともに皮膚がたるむことで、当初は自然だった仕上がりがふくらみや影になって目立ってくることがあります。
・左右差や凹凸が現れるケースも 体質やライフスタイル(体重変動など)によって片側だけ脂肪が減ると、不自然な非対称感が出ることもあります。
・再治療が必要になる可能性 加齢変化に伴って見た目が気になった場合、ヒアルロン酸や脂肪の再注入、あるいは裏ハムラ法などの外科的修正を検討するケースもあります。
つまり、脂肪注入は「一度行えば一生そのまま保たれる」というものではなく、経年による変化に柔軟に対応していく意識が必要です。
目の下に脂肪注入をした後、笑うと膨らみが目立ちますか?
目の下は、顔の中でも非常に動きが大きい部位です。笑う・泣く・話すなどの表情筋の動きにより、脂肪注入部分が動いたり、膨らみが強調されて見えることがあります。とくに以下の条件では、笑ったときに違和感を覚えることがあります。
・脂肪の注入量が多すぎる場合
・浅い層に脂肪が入ってしまった場合
・皮膚が薄くて浮き出やすい体質の場合
また、術直後は腫れがあるため一時的に目立つこともありますが、これは時間とともに改善することが多いです。 根本的な対策としては、注入位置や量を慎重にコントロールすることが重要です。笑顔に違和感が出るのが心配な方は、経験豊富な医師のもとで相談・施術を受けることをおすすめします。
まとめ
- 目の下のクマやたるみを改善するための美容医療は数多くありますが、脂肪注入は自然な仕上がりを目指せる一方で、「定着しない」「左右差が出る」「再治療が必要になる」などのリスクも伴います。
定着率を上げる工夫や術後のケアも重要ですが、それでも結果が安定しないことがあります。そうした不安を払拭したい方には、「裏ハムラ法」が非常に有効です。
・脂肪を新たに入れるのではなく、元々の脂肪を再配置するため、定着率に悩まされない
・長期的にも自然で安定した目元を保ちやすい
・傷跡が目立たず、ナチュラルな若返りが可能
- 「目の下のクマが気になる」「何度も施術を繰り返したくない」という方は、脂肪注入のメリット・デメリットを理解したうえで、裏ハムラ法という選択肢をぜひご検討ください。