
年齢を重ねるとともに、目の下のしわやたるみが気になり始める方は多いのではないでしょうか。目元は顔の印象を大きく左右するパーツであり、特に30〜60代の女性にとって「目の下の疲れ顔」や「たるみのある目元」は、実年齢以上に老けて見えてしまう原因となります。
そんなお悩みの改善に注目されているのが「目の下のボトックス注射」です。ボトックスと聞くと、「不自然な顔になる」「痛そう」などネガティブなイメージを持つ方もいるかもしれません。しかし、近年の美容医療では、微量のボトックスを用いて自然な仕上がりを目指す技術が確立されており、日常生活に支障なく取り入れられるアンチエイジング手段として注目されています。
今回の記事では、目の下ボトックスの仕組みや効果、施術部位、メリットに加えて、リスク・副作用・ダウンタイムを丁寧に解説します。
目の下のボトックス注射とは?

ボトックスとは?
「ボツリヌス毒素A型」という神経毒を主成分とした薬剤で、筋肉の動きを抑制する働きがあります。もともとは眼瞼けいれんなどの治療に使われていた医療用製剤で、現在では美容分野においても「しわ改善」や「小顔効果」など、さまざまな目的で使用されています。
目の下への使用
目の下のボトックス注射では、主に「目の下の小じわ」や「軽度のたるみ」に対して筋肉の過剰な動きを抑えることで、ハリのある滑らかな目元に導くことを目的としています。
特に笑ったときにできる「表情じわ」や、力みやすい目元の筋肉(眼輪筋)による細かいしわの改善に効果を発揮します。
ボトックスはどこに打つ?効果と期間

上記イラストのように額・眉間・鼻・目尻・口・あご・首などさまざまな部位のしわやリフトップに効果的ですが、目の下へのボトックス注射は、以下のような部位に行われます。
- 目の下の皮膚表面に浅く打つ:表情じわを軽減
- 下まぶたの眼輪筋に打つ:目元の緊張を和らげてたるみ感を緩和
- 目尻近くに打つ:下への引きつれを改善
このように、目の下の細かな筋肉の動きを緩めることで、しわを「寄らせにくくする」状態を作り出し、表情のクセによる加齢印象を抑えます。
効果の持続期間
- 効果の発現:3〜7日後に徐々に現れ、2週間程度で完成
- 持続期間:約3〜4ヶ月
- リピートの目安:年3〜4回程度でしわ予防効果も期待できます
1回の効果は永続的ではないため、定期的な注射を継続することで、長期のしわの予防にもつながります。
目の下のボトックス注射 メリット

しわ・膨らみ・凹み
- メスを使わず、手軽にしわ改善できる
ボトックス注射は、メスを使わず注射のみで施術が完了します。治療は5〜10分程度で終了し、麻酔の必要もありません。ダウンタイムも比較的軽く、気軽に取り組みやすいのが魅力です。
- 表情じわの抑制に効果的
目の下のしわには、「静止じわ」と「表情じわ」があります。特に笑った時や力んだ時に現れる「表情じわ」は、ボトックスによって筋肉の動きを抑えることで目立ちにくくできます。
- 若々しい印象に
目元が滑らかになることで、顔全体が明るく・すっきりとした印象に。化粧ノリも良くなり、老け顔を防ぐ効果も期待できます。
- クマやたるみの悪化を防ぐ効果も
目の下の筋肉の過剰な動きが原因で、クマやたるみが強調されている場合、ボトックスで筋緊張をゆるめることで悪化を防げるケースもあります。
目の下のボトックス注射 デメリット

- 効果の個人差がある
ボトックスの効果は筋肉のつき方や皮膚の厚みによって個人差があります。また、まれに「抗体」ができて効果が薄れたり、効かなくなることも報告されています。
- クマやたるみの根本治療にはならない
ボトックスは「筋肉の動きによるしわ」に対して有効ですが、脂肪による膨らみや皮膚のたるみそのものを改善することはできません。根本治療には裏ハムラ法など他の選択肢が必要となる場合があります。
ボトックス注射のリスクと副作用

- 内出血
針を刺す行為自体により、まれに毛細血管を傷つけて内出血を起こすことがあります。多くの場合はコンシーラーで隠せる程度で、1週間ほどで自然に消失します。
対策・予防
・血行促進するサプリメント(ビタミンEやEPA)は施術数日前から中止
・血液をサラサラにする薬(ワーファリン、バイアスピリンなど)を服用中の場合は医師に相談
- 腫れ・むくみ
注入直後に軽度の腫れを感じることがありますが、多くは数時間〜1日以内に治まります。
対策
・冷却パックの使用(15分程度)
・強い摩擦を避け、静かに洗顔する
- 表情の違和感・不自然な目元
経験の浅い医師が施術すると、注入位置のずれや過剰投与により「笑いにくくなった」「表情が不自然」と感じることがあります。
対策
・表情の動きと解剖学を熟知した医師に依頼
・ナチュラル志向の「マイクロボトックス」などを選ぶことも検討
- 薬剤に対する耐性やアレルギー
非常にまれですが、繰り返し注射することでボツリヌストキシンに対する抗体(耐性)ができて、効果が薄れることがあります。また、極めて稀にアレルギー反応が出ることも報告されています。
ダウンタイムと術後の過ごし方

ダウンタイム期間:目の下のボトックスはダウンタイムが短いことで知られていますが、以下のような経過をたどります。
日数 |
主な経過 |
当日〜翌日 |
軽い腫れや赤み、ピリつき感 |
2〜3日後 |
内出血が出た場合はやや目立つ(稀) |
1週間以内 |
多くの方が落ち着く |
2週間後 |
効果の完成期 |
術後に注意すべきこと
・当日の洗顔・入浴:洗顔は優しく、当日は湯船につからずシャワーで済ませる
・飲酒・激しい運動:血行が良くなることで内出血のリスクが高まるため、24時間は控える
・マッサージやエステ:注入部位の薬剤が拡散し、不均等な効果となるため、1週間は控える
施術を受ける前の注意点
・妊娠中・授乳中はNG:胎児・乳児への影響が明らかでないため、避けるのが原則
・感染症や皮膚トラブルがある場合は延期
・過去にボトックスアレルギーのある方は不可
施術事例・症例【40代/女性 ボトックス注射でおでこ・眉間のしわ改善】

筋肉の動きによってできるのがシワで、その筋肉の動きを止めてシワを作らなくするのがボトックス治療です。ボトックスは主に『カラスの足跡』と呼ばれる目の横の方にあるシワに有効です。
ボトックス注射は、手軽に受けられて、出血なし腫れなしのノーダウンタイム、しかも即効性のある施術です。
ですが、深さ・量・打つ場所を間違えると、合併症であるフローズンフェイス(凍った顔)だったり、スポックアイブロー(眉毛が上がってしまう)が起こってしまうリスクがあります。
Dr.三沢
眉間とおでこなど、ボトックスを打つ部位を決めてから施術を行いました。アフターは写真の通り、おでこを上げた時も、ほとんどシワは寄りません。『ツルん』とした感じに仕上がりました。
施術事例・症例【30代/女性 裏ハムラ法で膨らみ改善・涙袋復活】

30代のため、年齢的にも見た目も眼窩脂肪の突出による目の下の膨らみがそれほど顕著ではない方ですが、目の下の『ハの字』変形と涙袋の消失が認められる方でした。

裏ハムラ法による治療により、眼窩脂肪の膨らみが改善し、さらに分からなくなっていた涙袋が真顔でも出現するようになり、笑顔だともっと出るようになりました。
クマたるみ・膨らみの根本改善+ポテンツァ水光注射によるメンテナンスで若々しい目元をキープ

目の下のクマたるみ・膨らみを改善するのには、裏ハムラ法が最適の治療です。とくに目の下の皮膚にシワや緩みが無いうちに膨らみを改善しておくことが重要です。
一度、移動した眼窩脂肪が、将来『膨らみ』として再発する可能性は限りなくゼロに近いですが、年々、肌(=皮膚)のハリや弾力は衰えていくため、若々しい目の下を永続させるためには、外側からのアプローチが重要です。
Dr.三沢
裏ハムラ法による術後の状態を保ったまま、いつまでも『若々しい目元』をキープしていただくことが重要であると考えているため、ポテンツァ水光注射によるメンテナンスをお勧めしております。皮膚のシワ・たるみが改善でき、予防にもなります。
詳しくは以下の記事もご覧ください。
クマ取り後の肌治療(シワ改善・シミ取り)にポテンツァ・水光注射で術後ケア
よくあるご質問
ボトックス注射の失敗例と失敗を避けるには?
ボトックス注射の失敗例としては、「左右差が出る」「表情がこわばる」「目元が重たく見える」といったケースがあります。これらは、注入量や部位の調整が適切でない場合に起こることがあります。失敗を避けるためには、顔の筋肉の動きを熟知した医師に施術を依頼することが大切です。カウンセリングで仕上がりのイメージや目的を丁寧に伝えることも、自然な仕上がりにつながります。
ボトックス注射をすると、不自然な仕上がりになることはありますか?
はい、施術部位や注入量が適切でないと、不自然な表情になることがあります。たとえば、笑ったときに目元が動かず無表情に見える、目が開きにくくなる、といった副作用が報告されています。ただし、経験豊富な医師が顔全体のバランスを考慮して施術すれば、自然な表情を保ったままシワを改善することが可能です。
目の下のボトックス注射は、クマ・たるみにも効果がありますか?
目の下のボトックス注射は、主に表情ジワの改善に効果があります。軽度のクマやたるみであれば、筋肉の緊張を和らげることで目元が明るく見えることがありますが、根本的な治療にはなりません。脂肪のふくらみや皮膚のたるみが原因の場合は、別の治療法(裏ハムラ法など)を検討する必要があります。
まとめ
- 目の下のボトックス注射は、「しわを手軽に改善したい」「老けた印象を少しでも和らげたい」という方にとって、非常に有効な選択肢です。短時間で施術が完了し、ダウンタイムも少ないため、忙しい日々の中でも取り入れやすい美容治療として人気を集めています。
- 目の下のしわやクマ、たるみに悩む30〜60代女性の多くが、「もう少し若々しく見せたい」「自然に老け見えを解消したい」と感じているのではないでしょうか。
ボトックス注射は、そうした願いを叶えるための第一歩として有効です。さらにクマたるみの症状が進んでいる場合には、根本治療である裏ハムラ法での改善と術後のポテンツァ水光注射による継続的なケアも視野に入れることで、より理想的な目元が実現できます。