
「目をもう少し大きく見せたい」「優しくて女性らしい目元になりたい」「写真写りを良くしたい」など、目元に関する悩みは年齢を問わず多くの女性が抱えています。その中で、比較的よく知られている美容外科手術のひとつが目頭切開です。
一方で、インターネットやSNSを見てみると、「目頭切開 しなきゃよかった」「やりすぎて後悔した」「不自然になった」という声が目につき、不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
目頭切開は、ほんの数ミリの変化でも顔全体の印象を大きく左右する、非常に繊細な手術です。正しく行えば満足度の高い結果につながりますが、安易な判断で受けてしまうと後悔につながるリスクもあります。
だからこそ大切なのは、「なんとなく良さそう」「すすめられたから」という理由ではなく、しっかりと事前知識を持ったうえで、自分に本当に必要な施術かどうかを見極めることです。
・目頭切開は変化が大きく出やすい手術
・後悔の多くは情報不足や準備不足が原因
・正しい知識があれば失敗リスクは下げられる
「不安がある=やめた方がいい」ではありません。不安を解消できるまで情報収集する、または実際にカウンセリングを受けて不安を解消することが大切です。
目頭切開とはどんな手術?

目頭切開とは?
目の内側にある「蒙古ひだ」と呼ばれる皮膚を切開・調整することで、目の横幅を広げ、目を大きく見せる手術です。蒙古ひだが強いと、目が小さく見えたり、目と目の間が離れて見えたりする原因になります。
この蒙古ひだを適切に処理することで、目の内側が見えるようになり、すっきりとした印象の目元を目指すことができます。
代表的な術式 Z形成術・W形成術

目頭切開にはいくつかの方法があり、代表的なものとして以下が挙げられます。
| 手術 |
特徴 |
| Z形成術 |
・切開線がZ字になるため、傷の緊張が分散されやすい
・目頭の開き具合を細かく調整しやすい
・比較的自然な仕上がりを目指しやすい |
| W形成術 |
・傷が直線にならず、瘢痕が目立ちにくい
・皮膚の調整幅が広く、蒙古ひだが強いケースにも対応しやすい
・デザインの自由度が比較的高い |
これらは、傷跡が目立ちにくくなるよう工夫された方法ですが、いずれも切開を伴うため、効果は半永久的です。
目頭切開の特徴
- 目の横幅が広がる
- 目元の印象がはっきりする
- 一度行うと元に戻すことは難しい
「目を大きくする手術」ではなく、「目元のバランスを整える手術」と理解することが重要です。
目頭切開「しなきゃよかった」「やりすぎ」と後悔する失敗例とは

後悔が起こる主な理由として、目頭切開で後悔する方の多くは、「思っていた仕上がりと違った」と感じています。特に多いのが、切開量が多すぎてしまったケースです。
目と目の距離が近くなりすぎると、以下のような違和感につながります。
- 目元がきつく見える
- 冷たい印象になる
- 顔全体のバランスが崩れる
よくある失敗例
- 切開しすぎて不自然になった
- 左右差が目立つ
- 白目の露出が多くなりすぎた
- 傷跡が思ったより残った
- 流行の目元をそのまま真似してしまった
これらの多くは、デザインのすり合わせ不足や、「大きくしたい」という希望を優先しすぎた結果です。
「変化量」ではなく、「自然さ」をゴールに設定することが後悔回避のカギです。
失敗・後悔しない目頭切開手術の流れ

- カウンセリングで確認すべきこと
後悔しないためには、カウンセリングの質が非常に重要です。
・なりたい目元
・なりたくない仕上がり
・不安や疑問点
これらを遠慮せずに伝えましょう。医師は目の形、骨格、蒙古ひだの強さ、目と目の距離などを総合的に判断します。
- デザインと手術
デザインでは、切開範囲をミリ単位で確認します。必要最小限の切開にとどめることで、自然な仕上がりになりやすくなります。
- 術後とダウンタイム
術後は腫れや赤みが出ますが、ダウンタイムの過ごし方やアフターケアによって、仕上がりに差が出ます。
- 後悔しにくい流れのポイント
・即決せず、考える時間を持つ
・リスクやダウンタイムを理解する
・術後ケアの説明をしっかり聞く
カウンセリング後の「今日決めれば安くなる」という提案があった場合には、特に注意が必要です。慎重に検討してから決定しましょう。
再手術・修正手術の場合

「やりすぎた」「左右差が気になる」と感じた場合、修正手術を検討することは可能ですが、簡単ではありません。
切開によって失われた皮膚を完全に元に戻すことはできないため、あくまで「目立ちにくく整える」ことが目的になります。
修正手術の注意点
- 初回手術より難易度が高い
- 修正できる範囲には限界がある
- 医師の経験と技術力が重要
「修正できるから大丈夫」と考えず、何度も手術を考えるのではなく、最初の目頭切開手術が最重要と考えましょう。
目頭切開はこんな方におすすめ

向いている可能性がある人
- 蒙古ひだが強く目の内側が隠れている
- 目と目の距離が広く見える
- 二重手術だけでは変化が出にくい
- 自然で控えめな変化を求めている
慎重に検討すべき方
- とにかく大きな目にしたい
- 流行の目元を優先したい
- 短期間で劇的な変化を求めている
10年後、20年後も「やってよかった」と思えるかどうか、目頭切開後の状況を想像してみましょう。
施術事例【20代/女性 二重全切開+目頭切開を同時に行い目元改善】

完全な一重まぶたの方では、蒙古襞が強く発達しているケースが少なくありません。今回ご紹介する症例では、蒙古襞の張りが非常に強く、壁のように厚みのある状態が認められました。
患者さまは並行型の二重ラインをご希望されていたため、目頭切開(Z形成術)と二重全切開を同時に行っています。


また、本症例では眼瞼下垂の所見も確認されました。一重まぶたの方は、ご自身では気づきにくい「隠れ眼瞼下垂」を合併していることが多く、見た目以上にまぶたが十分に開いていない場合があります。
解剖学的には、まぶたを引き上げる役割を担う挙筋と、まぶたの先端をつなぐ腱膜が通常より長くなっていることがあります。その影響で、黒目(瞳)が実際よりも小さく見えてしまいます。

Dr.三沢
手術では、この腱膜の位置を調整し、適切な部位へ固定しました。その結果、黒目の露出が改善し、目がしっかりと開くようになります。上方を見ている写真を比較すると、術後は眉毛を過度に持ち上げなくても、自然に上を見られていることがお分かりいただけるかと思います。
【二重全切開+目頭切開】同時に行なった症例
よくあるご質問
目頭切開を失敗する確率はどれくらいですか?
目頭切開の「失敗率」を明確な数字で示すことは難しいのが実情です。なぜなら、失敗の定義が「医学的なトラブル」なのか、「仕上がりに対する主観的な不満」なのかで大きく異なるためです。
医学的に大きな合併症が起こる確率は低い一方で、「思っていたより目頭が開きすぎた」「不自然な印象になった」「左右差が気になる」といったデザイン面での後悔を含めると、一定数の方が不満を感じています。
多くの場合、失敗の原因は手術そのものよりも、術前のカウンセリング不足やデザインのすり合わせ不足によるものです。そのため、経験豊富な医師による十分な診察と、控えめなデザイン提案が重要になります。
目頭切開を失敗した後の修正は難しいですか?
目頭切開後の修正手術は可能ですが、初回手術よりも難易度が高くなるケースがほとんどです。目頭切開では皮膚や蒙古ひだを切除するため、一度切り取った組織を完全に元の状態へ戻すことはできません。
修正では、傷跡の修正や目頭の開き具合を和らげる処置が中心となりますが、状態によっては「完全に元通り」ではなく「できる範囲で自然に近づける」治療になることもあります。
そのため、修正を検討する場合は、目頭切開の修正経験が豊富な医師を選び、現実的な仕上がりについて十分に説明を受けることが大切です。
目頭切開のやりすぎ注意というのは何回くらいが目安ですか?
目頭切開は、基本的に1回の手術で完結させることを前提とした施術です。2回目以降の手術は、やりすぎによる不自然さや傷跡の目立ちやすさが一気に高まります。
「もう少しだけ広げたい」という理由で再手術を行うと、目頭が尖ったような印象になったり、寄り目が強調されたりするリスクがあります。そのため、多くの医師は初回手術では控えめな変化をおすすめしています。
仕上がりに不安がある場合は、いきなり大きく変えるのではなく、ナチュラルさを重視したデザインを選ぶことが、後悔しないための重要なポイントです。
目頭切開後の傷跡が気になりますが、ダウンタイムはどれくらいですか?
目頭切開後のダウンタイムには個人差がありますが、腫れや内出血は術後1〜2週間程度で落ち着くことが一般的です。この頃にはメイクでカバーできる状態になる方が多いです。
傷跡は術後しばらく赤みや硬さを感じることがありますが、時間の経過とともに徐々に目立ちにくくなります。最終的な傷跡の状態を判断できるのは、早くても3か月、安定するのは6か月前後が目安です。
体質や術式、アフターケアの有無によっても経過は異なるため、術後の指示を守り、必要に応じて定期的な診察を受けることが大切です。
まとめ
- 目頭切開は、正しく行えば目元の印象を大きく高め、自信につながる手術です。しかし、事前知識が不足したまま受けてしまうと、「しなきゃよかった」「やりすぎた」と後悔するリスクもある施術です。
- 大切なのは、自分にとって本当に必要な手術かどうかを見極め、信頼できる医師と十分に話し合うことです。流行や勢いではなく、納得したうえで選択することが、自然で満足度の高い仕上がりにつながります。
- 目頭切開で後悔しないためにも、事前知識をしっかり持って施術を受けたい――そう思える状態で決断することが、理想の目元への一番の近道です。