この施術に関して
眼瞼下垂症状がない場合はダウンタイムがほぼ認めないヒアルロン酸注入が良い適応です。ですが、眼瞼下垂症状(まぶたの重みなど)がある場合にヒアルロン酸注入などを行えばまぶたが重くなるので症状が悪化するというのが直感的にお分かりかと思います。くぼみ目は診断は重要です!
上記分類の1.遺伝性(家族性)2.加齢性の場合では、眼窩脂肪の絶対量が少ないです。
その場合は、くぼんでいる部分を何かで補う必要があります。
くぼみ目ヒアルロン酸注入関して、詳しくは↓
そのほかの3.医原性、4.眼瞼下垂症性の場合では、眼窩脂肪が不足しているわけではありません。後ろに引っ込んでいるか、もしくは癒着などで滑りが悪く引っかかっている場合があります。
したがって、その場合は癒着を解除したり、挙筋腱膜を元の位置に戻す必要があります。
今回のケースもそうでした。
施術カテゴリー
施術の説明:
眼瞼下垂症手術(挙筋前転法):まぶたの上を切開して眼瞼下垂とくぼみ目を改善します。
施術のリスク:
出血、感染、術後瘢痕問題(ケロイド、肥厚性瘢痕などの発生)、麻酔によるアレルギー、再発、ドライアイ、一過性の視力低下、顔貌の変化、二重の左右差、上まぶたの皮膚知覚障害、目の中のゴロゴロ感、頭痛、吐き気、再発など
施術費用:¥50,000~¥250,000(税別)
よくあるご質問
くぼみ目にヒアルロン酸を注入した場合、どれくらい持続しますか?
ヒアルロン酸は生体内で加水分解されます。分解・吸収されるまでにヒアルロン酸の種類によっても様々ですがM'sでくぼみ目に使用するタイプは通常6ヶ月程度で分解・吸収されます。ですが、経験上予測される6ヶ月よりも長持ちする傾向があります。注入する皮膚の深さやヒアルロン酸の注入方法によルものと思われますが、期間としては6ヶ月〜1年、中には1年以上も持続する方がいます。
軽度の眼瞼下垂があっても、ヒアルロン酸を注入することができますか?
眼瞼下垂症状がある場合は原則オススメしていません。根本的には解決しませんし、かえって症状が悪化します。
眼瞼下垂手術を受ければくぼみ目は必ず改善しますか?
眼瞼下垂性のくぼみ目は、眼瞼下垂症手術を行わなければ改善は見込めません。手術中に眼窩脂肪を確認して前方に引き出してくるのですが、絶対量が不足しているケースもなかには存在します。その場合は、後日ヒアルロン酸注入もしくは、脂肪注入が適応となります。
くぼみ目、
向かって右側(患者さんの左目)の目にご注目ください。
くぼみ目は、
医学用語では上眼瞼陥凹症といいます。原因による分類が下記のようになります。
1.遺伝性(家族性)
2.加齢性
3.医原性
4.眼瞼下垂症性
1.遺伝性は、文字通り家族内でそのような目の形態をしている方です。若い頃より上まぶたがくぼんでいます
2.加齢性は、4と重複することもあるのですが眼瞼下垂がないのに脂肪萎縮が生じて上まぶたが次第にくぼんでくる方です。
3.医原性は、重瞼術(二重)や下まぶた形成などで眼窩脂肪もしくはROOFと呼ばれる眼輪筋下の脂肪を摘出した経歴がある方です。
4.眼瞼下垂に伴う方です。眼瞼下垂になると瞼が重くなります。以前からも他の記事で紹介していただいているように腱膜が伸びる、もしくは切れることで眼瞼挙筋が目の奥に引っ込んでしまいます。それに伴って挙筋及び挙筋腱膜の上に存在する眼窩脂肪もつられて後ろに引っ込んでしまうのです(解剖用語に関しては下図を参照)。
今回ご紹介するかたは、4の眼瞼下垂症性です。