
「最近、顔がなんとなく疲れて見える」「目の下にふくらみが出てきて老けた気がする」30代以降、こうしたお悩みを持つ女性は決して少なくありません。年齢とともに現れる「顔のたるみ」や「目の下のたるみ」は、実年齢よりも老けて見える主な原因のひとつです。
特に目の下のたるみは、化粧で隠すのが難しく、疲労感や不機嫌な印象さえも与えてしまいます。そのため、改善を望む声が非常に多い部位でもあります。
今回の記事では、たるみに悩む30〜60代女性のために、「自宅でできるケア」「メイクによるカバー方法」「美容医療による最新のたるみ治療法」までを包括的に解説します。
結論として、一番効果的かつ即効性のある治療は「スレッドリフト」や「裏ハムラ法」である理由を、原因と症状の理解を深めた上でわかりやすくお伝えします。
顔・目の下のたるみができる主な原因

- 加齢による肌構造の変化
年齢を重ねることで、皮膚の真皮層に存在するコラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸といった成分が減少し、肌の弾力が失われていきます。これにより、皮膚は重力に逆らえず、たるんだ状態になります。
また、皮膚の支持組織である「リテイニングリガメント(支持靭帯)」や「SMAS筋膜」も弱まり、脂肪や皮膚が支えきれなくなるのです。
- 表情筋の衰え
表情を作る「表情筋」も加齢により徐々に衰えていきます。特にあまり使わない筋肉(口角周辺や下まぶた周辺)は萎縮しやすく、肌のたるみや脂肪の下垂を引き起こします。
- 顔の脂肪移動・ボリュームロス
顔の脂肪は年齢とともに「減る場所」と「溜まる場所」に分かれます。目の下の脂肪は前方へ突出し、頬の脂肪は下方に移動・減少することで「ふくらみ+くぼみ」が生まれ、疲れた印象の顔つきになってしまうのです。
- 紫外線や生活習慣の影響
肌老化の約8割は「光老化」ともいわれるほど、紫外線の影響は大きいものです。さらに、以下のような生活習慣もたるみを加速させます。
・喫煙(血流悪化)
・睡眠不足(ホルモンバランスの乱れ)
・栄養バランスの偏り
・表情の偏り(片側咀嚼など)
日常生活の積み重ねが、数年後の肌、顔や目の下のたるみに大きく影響してきます。
顔・目の下のたるみの症状

たるみは「ゆるみ」「凹み」「下垂」など複数の要素が重なって生じます。初期段階では気づきにくいですが、次第に以下のような症状が現れてきます。
顔全体に見られるたるみのサイン
- フェイスラインが曖昧になる(輪郭がぼやける)
- ほうれい線が深くなる
- 頬が垂れ下がる(中顔面の下垂)
- マリオネットライン(口角下の線)が出現
- 口元にたるみが出て「への字口」に見える
目の下のたるみの特徴的症状
- 膨らみ+影による「黒クマ」「影クマ」
- メイクでカバーできないくぼみ
- 疲れて見える、怒って見える
- 表情が乏しく、無表情に見られる
目の下のたるみは、皮膚のたるみだけでなく、眼窩脂肪の突出や皮膚の薄さによる影響も大きく、根本からの改善が求められます。
自宅でできる顔のたるみの予防策と改善法
初期のたるみや加齢予防には、自宅ケアの積み重ねが効果を発揮します。以下の3つのアプローチを継続することで、老化の進行を遅らせることが可能です。
マッサージ・トレーニング

表情筋トレーニングやリンパマッサージは、顔の血行促進・筋肉の活性化に役立ちます。
トレーニングの例
- 舌回し運動:舌を口の中で大きく回すことで、口輪筋や頬筋を鍛えます。
- あいうえお体操:大げさに発音して口周りの筋肉を刺激。
- 耳下腺から鎖骨へのリンパ流し:老廃物の排出促進に効果的。
※ただし力を入れすぎるとシワやたるみを招くので、あくまで「優しく」「継続的に」がポイントです。
乾燥防止・保湿

たるみの進行には乾燥も大敵です。肌のバリア機能が低下すると外的刺激にも弱くなり、ハリや弾力が失われやすくなります。
おすすめ成分
- ヒト型セラミド
- ナイアシンアミド
- レチノール(ビタミンA誘導体)
また、目元は皮膚が薄いため、目元専用アイクリームを用いることで集中的な保湿ケアが可能です。
メイク・化粧品によるカバー

たるみを完全に隠すことは難しくとも、うまくメイクでカバーすることで印象を改善できます。
ポイントメイクの例
- ハイライトをCゾーン(目の下〜頬骨上)に入れる
- コンシーラーで目の下の影を飛ばす
- チークを頬の高めの位置に楕円形に入れる
毎日のメイクに取り入れることで、顔全体が引き締まった印象になります。
美容医療で効果のある顔のたるみ治療 スレッドリフト

中等度〜重度の顔のたるみに対して即効性を求めるなら、美容医療によるスレッドリフト(糸リフト)が非常に効果的です。
スレッドリフトとは?
皮膚の下に特殊なトゲ(コグ)のついた吸収糸を挿入し、皮膚や脂肪を物理的に引き上げる施術です。使用される糸にはPDO、PCL、PLLAなど種類があり、それぞれ持続期間や引き上げ力が異なります。
項目 |
内容 |
スレッドリフトの効果と特徴 |
・フェイスライン・頬のリフトアップ
・ほうれい線の軽減
・肌質改善(コラーゲン生成促進)
・自然な引き上げで表情が固まらない |
ダウンタイムと注意点 |
・腫れや内出血は数日〜1週間程度
・施術直後に「引きつれ感」や「つっぱり感」を感じることあり
・糸は6ヶ月〜1年半かけて体内で吸収 |
外科手術のような大掛かりな処置を避けたい方や、ナチュラルな若返りを望む方にぴったりの施術です。
目の下のたるみ取り・改善治療 裏ハムラ法

目の下のたるみに対して最も根本的かつ効果が高い治療法が「裏ハムラ法」です。ヒアルロン酸や脱脂術で満足できなかった方の「最終手段」として選ばれるケースも多く、10〜20年後の長期視点でも最初に選択すべき非常に満足度の高い治療です。
裏ハムラ法とは?
下まぶたの裏側(結膜側)からアプローチし、突出した眼窩脂肪を単に除去するのではなく、目の下のくぼみに移動(再配置)させて滑らかな目元を作り出す施術です。
項目 |
内容 |
主なメリット |
・傷跡が外から見えない
・脂肪の取りすぎによる凹みが起こりにくい
・「膨らみ」と「くぼみ」の両方を一度に解消できる
・一度の治療で長期的な効果が得られる(半永久的) |
向いている人 |
・目の下に膨らみ+くぼみが共存している
・影クマ・黒クマが目立つ
・ヒアルロン酸や脱脂だけでは満足できなかった
・切らない治療では限界を感じている |
ダウンタイム |
・腫れや内出血は1〜2週間
・メイク・洗顔は数日後から可能
・術後の定期フォローで左右差の調整も可能 |
難易度の高い手術である裏ハムラ法ですが、経験豊富な形成外科医のもとで行うことで、安全性と美しさの両立が実現します。
施術事例【60代/女性 他院修正 裏ハムラ法で目の下の膨らみ改善】

過去に『下まぶたのたるみ取り』を他院で受けたことがある方、患者さん自身は前医からハムラ法を行ったと聞いたようですが、当院では、裏ハムラ法による施術を行いました。
通常、『下まぶたのたるみ取り』は、皮膚の表側を切って行い、その後、ハムラ法による眼窩脂肪移動、眼輪筋の吊り上げ固定、ミッドフェイスリフト、余った皮膚切除の順で行っていきます。
60代ということで年齢的にも皮膚のたるみ、眼輪筋の緩み、眼窩脂肪の膨らみなどの全てを改善するには、もう一度皮膚の表側から行うハムラ法(表ハムラ)が適応でした。
ですが、皮膚側を一度切っており、外反症(あっかんべー)リスクが非常に高いため、再度、皮膚の表側を切って行う修正には注意が必要です。
以上のことを説明し、皮膚のたるみ・眼輪筋の緩みは改善できないが、眼窩脂肪による膨らみのみ改善できるかもしれないと伝え、本人から『膨らみさえなんとかなればよい。シワが増えても仕方がないと思う。』ということで裏ハムラ法を行うことになりました。


過去の手術歴や状態を踏まえ、患者さんと共に『どこをゴールとするか』が重要でした。
『完璧とはいかないけど、目の下の膨らみだけは改善したい』という点を模索した結果が裏ハムラ法でした。
Dr.三沢
裏ハムラ法で、術前よりもスッキリとした、膨らみが改善した目元になったと満足していただけました。
よくあるご質問
顔のたるみができやすい人の特徴や、目立ち始める年齢は?
顔のたるみは、一般的に30代後半から40代にかけて徐々に目立ち始めます。これは、加齢とともに肌のハリを保つコラーゲンやエラスチンといった成分が減少し、皮膚の弾力が低下していくためです。また、顔の土台となる表情筋も年齢とともに衰えていくため、筋肉の支えが弱くなることで皮膚が下がりやすくなります。さらに、以下のような方はたるみができやすい傾向があります。
・紫外線をよく浴びる方:真皮層にダメージが蓄積し、コラーゲンが破壊されやすくなります
・乾燥肌の方:肌の水分量が少ないと、ハリがなくなりやすくなります
・急激なダイエットを繰り返す方:脂肪や筋肉の減少により、皮膚が余ってしまいます
・喫煙習慣がある方:血流が悪化し、皮膚の新陳代謝が低下します
・睡眠不足・ストレスが多い方:肌の修復機能が弱まり、たるみの原因に
とくに頬骨が低い方や皮膚が薄く脂肪のつきやすい体質の方は、構造的にたるみやすい傾向にあります。
顔のたるみに一番効果のある施術は何ですか?
たるみの改善にはさまざまな治療法がありますが、なかでも「スレッドリフト(糸リフト)」は即効性と自然な仕上がりの両立が期待できる代表的な治療法です。皮膚の下に特殊な糸を挿入して、たるんだ皮膚を物理的に持ち上げる施術で、ダウンタイムも短く、フェイスラインの引き締めに非常に効果的です。
また、目の下のたるみに特化した治療としては「裏ハムラ法(経結膜的脂肪再配置術)」が最も根本的な解決法とされています。目の下にある余分な脂肪を切らずにまぶたの内側からアプローチし、へこみ部分に再配置することで、膨らみとくぼみを同時に整える治療法です。
このほかにも、軽度のたるみであればハイフ(HIFU)やラジオ波などの照射系施術、ヒアルロン酸などの注入治療が検討されることもあります。たるみの種類や程度によって、最適な施術は異なりますので、まずは専門医の診察を受けることをおすすめします。
目の下のたるみは、マッサージなどで自力で治すことができますか?
目の下のたるみを自力で完全に改善することは難しいですが、早い段階であればマッサージや表情筋トレーニング、血行促進などのケアで進行を遅らせることは可能です。たとえば、以下のような方法が役立ちます。
・リンパマッサージ:目の周りの老廃物を流すことで、むくみの軽減に
・目の下の筋肉(眼輪筋)トレーニング:筋力を維持し、たるみ予防に
・ホットタオルなどで血行促進:皮膚の代謝を高め、ハリを保つ効果が期待できます
ただし、すでに脂肪のふくらみや皮膚のたるみが目立っている場合、セルフケアだけでは限界があります。むしろ間違ったマッサージを続けると、摩擦によって皮膚が伸びて悪化することもあるため、注意が必要です。目立つたるみやへこみがある方は、医療的な治療との併用を検討するのがよいでしょう。
目の下のたるみに、市販クリームを使うのは即効性がありますか?
市販のアイクリームには、保湿成分やハリを与えるペプチド、レチノール、ビタミンC誘導体などが配合されており、軽度なたるみや乾燥小ジワに対しては一定の効果が期待できます。とくに乾燥によるたるみやハリのなさには、毎日のスキンケアでの保湿が重要です。
しかしながら、即効性を求める場合や明らかな脂肪のふくらみ・皮膚のたるみがあるケースには、市販クリームだけで根本改善するのは難しいというのが実情です。あくまで予防や補助的なケアとして活用するのが望ましい使い方です。また、効果を得るには以下のようなポイントも重要です。
・継続的に使用すること(数週間〜数ヶ月)
・摩擦を避けて優しく塗ること
・日中の紫外線対策も併用すること
「クリームを塗ればすぐにたるみが解消する」という即効性を求めるより、丁寧なスキンケアと並行して、必要に応じて医療的な施術を検討する姿勢が大切です。
まとめ
- 顔や目の下のたるみは、加齢や生活習慣の影響によって誰にでも訪れる自然な変化です。しかし、放置することで老けた印象が加速し、自信の喪失につながることもあります。たるみ対策には、自宅ケアやメイクなどの手段も有効ですが、根本から改善したいとお考えなら、美容医療による治療が最も即効性があり、効果的です。
- 顔全体のたるみには「スレッドリフト」、目の下のたるみ・クマには「裏ハムラ法」
この2つの治療は、即効性と持続性を兼ね備えており、“一番効果のある治療”として非常に高い支持を集めています。
見た目の若返りは、気持ちの若返りにもつながります。ぜひ、あなたの悩みに合った治療法を選び、プロの医師と相談のうえ、たるみのない理想の自分を取り戻してみてください。