
「しっかり寝たのにクマが消えない」「毎朝コンシーラーで隠すのが大変」「最近、鏡に映る自分が老けて見える」30代から60代の女性の間で、こうした悩みが増えています。特に目の下にできる「クマ」は、疲れた印象や年齢を強調してしまうため、美容や印象管理のうえでも無視できない存在です。
クマには一時的に「すぐに消す方法」と、体の内側や構造にアプローチする「根本的な治し方」の2つがあります。今回の記事では、その両方を丁寧に解説。マッサージやメイクといった応急処置から、クリニックでの治療まで、段階に応じた対策をまとめています。
「今すぐなんとかしたいけど、将来的には根本的に治したい」という方にとって、この記事がクマ対策の第一歩になることを目指しています。
目の下のクマ 簡単にすぐに消す方法はある?

「今日だけでもクマを隠したい」そんなシーンは意外と多いものです。会議・写真撮影・お出かけ前など、クマをなんとかしたいタイミングで頼れるのが「即効性のある対処法」です。
まずはクマの種類を見極める
クマには主に以下の3種類があります。種類ごとに原因が異なるため、対処法も変わります。
短期的なケアは「青クマ」や「むくみ」に有効
青クマは、目元の血流を良くすることで比較的簡単に軽減できます。一方で、茶クマ・黒クマは構造的・慢性的な要因があるため、即効性には限界があります。
一時的なカバーはできるが、根本治療は別物
即効性のあるケアはあくまで「見た目の応急処置」に過ぎません。根本からクマを改善したい方は、美容医療や生活習慣の見直しが必要になります。
一般的に青クマ・茶クマ・黒クマという分類がありますが、当院では目の下のクマを以下の3つのタイプに分類しています。
目の下のクマの種類がわからない場合の見分け方と画像でタイプ診断
目をマッサージする

血流を促す目元マッサージは、青クマ・むくみクマ・疲れ目に非常に有効です。ただし、やり方を間違えると色素沈着(=茶クマ)を招くこともあるため、正しい方法で行うことが大切です。
ホットタオルによる温熱療法
- タオルを水に濡らし軽く絞る
- 電子レンジで30〜40秒温める
- 目を閉じて3〜5分のせる(気持ちよい程度の温かさ)
効果
- 目の周囲の血管が拡張し、青クマが改善
- 眼精疲労・ドライアイの緩和にも有効
目の下のリンパマッサージ
- 目頭から目尻に沿って指をすべらせる(薬指で優しく)
- こめかみに向かって流す
- 耳の後ろから首筋へ流すようにさする
注意点
・摩擦が起きないようにアイクリームを併用
・力を入れすぎない(皮膚が非常に薄いため)
ツボ押しでリフレッシュ
マッサージやツボ押しは「継続」することが大事。数日で効果が出るものではないため、毎日のケア習慣に組み込むことが大切です。
クマ隠しメイクでカバーする

コンシーラーやハイライトを使ったメイクは、クマの応急処置として非常に即効性があります。適切な色選びと塗り方で、ナチュラルに隠すことができます。
コンシーラーの色選びの基本
- 青クマ:オレンジ〜サーモンピンク
- 茶クマ:イエローベージュ
- 黒クマ:肌色に近い明るめ+ハイライト
メイクの手順
- 目の下にアイクリームで保湿し、滑りを良くする
- コンシーラーを指または筆で「トントン」と乗せる
- 境界をなじませる
- フェイスパウダーで仕上げ(透明タイプが自然)
ハイライトとシェーディングの併用
- 黒クマの場合、くぼみ部分にハイライトを入れることで影を飛ばし、ふっくら見せる
- ファンデーションは軽めにして、コンシーラー中心で仕上げると自然
NGメイクの注意点
・厚塗りは老け見えの原因に
・色が合っていないと逆にクマが目立つ
・乾燥対策を怠ると、シワに入り込んでヨレやすくなる
メイクは「隠す」ことに特化した方法ですが、時間が経つと崩れるため、外出先での化粧直しもセットで考えると効果的です。
その他 すぐにできるケア・自宅でできる改善方法

応急処置とあわせて、日常の中でできる目元ケアも重要です。特に慢性的なクマに悩む方は、体の内側からのアプローチが必要です。
睡眠の質を高める
- 毎日同じ時間に寝起きする
- 寝る1時間前にはスマホやPCを見ない
- 寝室の照明や温度を整える(22〜25℃、湿度50〜60%)
食事による内側からの改善
貧血気味の女性は青クマが出やすいため、鉄分の補給も重要です。
アイクリーム・美白ケア
有効成分
- ビタミンC誘導体:色素沈着の抑制
- ナイアシンアミド:血行促進・保湿
- レチノール:ハリ・シワ予防
使用タイミング
- 洗顔後、化粧水・乳液の後に指先で優しくなじませる
- 朝晩の継続使用がポイント
美容施術による治す方法

構造的な原因が大きいクマ(とくに黒クマ・脂肪が原因の青クマ)は、美容医療での治療が必要になるケースが少なくありません。以下では、代表的な施術とその特徴を解説します。
ヒアルロン酸注入

ヒアルロン酸注入とは?
目の下のくぼみや軽度のクマを手軽に改善できる美容治療です。ヒアルロン酸はもともと体内にある成分で、注入によって皮膚の下からふくらみをもたせ、ハリや明るさを与えます。ダウンタイムが少なく、施術直後から効果を実感できることが多いですが、数ヶ月〜1年程度で徐々に吸収されるため、継続的な施術が必要です。
- くぼみに注入し、影を解消
- ダウンタイムは1〜2日、持続効果は6〜12ヶ月
- 適量注入が重要。不自然にならない医師の技量が必要
脂肪注入

脂肪注入とは?
自分の体から採取した脂肪を目の下に注入する方法で、自然なボリューム感を出すことができます。ヒアルロン酸と異なり、定着すれば長期的な効果が期待できるのが特徴です。ただし、注入後の腫れや内出血、脂肪の定着率に個人差があり、複数回の施術が必要になることもあります。
- 太ももなどから脂肪を採取して注入
- 自然な仕上がりが特徴だが、定着率に個人差あり
- 2〜3回の施術が必要になる場合も

裏ハムラ法とは?
下まぶたの裏側からアプローチして目の下のふくらみ(脂肪)をくぼみに移動させる外科的な施術です。クマやたるみの根本原因を改善できるため、効果が長持ちしやすく、自然な仕上がりが得られます。傷跡が表面に残らず、腫れも比較的抑えられますが、外科手術であるため、医師の技術とアフターケアが重要です。
- 脂肪を取り除くのではなく、くぼみに移動して再配置
- 加齢によるたるみ・ふくらみを根本から修正
- ダウンタイム:1〜2週間程度(腫れ・内出血)
- 効果は長期間持続(5年・10年以上)
レーザー治療

レーザー治療・フォトフェイシャルとは?
目の下の色素沈着や血行不良によるクマの改善に効果的な光治療です。肌のターンオーバーを促進し、メラニンの排出や血流の改善を図ることができます。ダウンタイムは少なく、安全性も高いですが、複数回の施術を重ねる必要があり、骨格や脂肪によるクマには効果が限定されます。
- メラニンに反応し、茶クマや色素沈着に有効
- 回数を重ねて徐々に薄くなる(目元専用の機器が安心)
Dr.三沢
美容医療はコストがかかる反面、構造的な原因に対して非常に効果的です。カウンセリングでクマのタイプを診断し、自分に最適な方法を選びましょう。
施術事例【40代/女性 目の下のクマ・膨らみが強い方に裏ハムラ法で改善】

裏ハムラ法は、特に30〜40代の方で、目の下の膨らみが強い方に適応となりますが、50〜60代であっても目の下のシワやたるみが少ない方にも適応となりますので、まずは診断とカウンセリングが必要です。


目の下(下眼瞼)の眼窩脂肪は、内側・中央・外側の3つに分かれますが、裏ハムラ法における眼窩脂肪の移動・再配置は内側と中央が対象となります。
外側は上にあるので、眼窩縁まで伸ばすことはできません。今回のケースの40代女性のように外側が出ている場合、適量を摘出します。眼窩脂肪の外側を摘出し、内側と中央は移動させて、目の下の膨らみを改善しました。
Dr.三沢
裏ハムラ法により目の下のクマが根本的に改善され、治療終了直後の状態でも腫れはほとんどなく、ダウンタイムが少ない症例となりました。
【裏ハムラ】経結膜的眼窩脂肪移動術 目の下の膨らみが強い方に適応
よくあるご質問
目の下のクマにマッサージ機を頻繁に当てるのは逆効果ですか?
使い方を誤ると逆効果になる可能性があります。目元の皮膚は非常に薄くデリケートなため、マッサージ機の強すぎる刺激や振動、過度な頻度は、かえって皮膚にダメージを与えてしまいます。特に毎日長時間使用することで、摩擦や皮下組織への負担が蓄積し、色素沈着やたるみ、小じわの原因になることもあります。
また、目の下に「青クマ」や「黒クマ」がある場合は、血行改善や筋肉の刺激である程度の効果が期待できますが、「茶クマ(色素沈着)」や脂肪のふくらみによるクマには、マッサージだけでは根本的な改善は難しいこともあります。
マッサージ機を使用する際は、以下の点に注意しましょう。
・肌に負担をかけないソフトな設計のものを選ぶ
・1回あたりの使用時間は短く(5分以内)、1日1回程度にとどめる
・使用前後はしっかり保湿する
・目の下の皮膚を引っ張らないよう、優しく当てる
正しい使い方をすれば、血流促進やむくみの軽減などの効果が得られる可能性がありますが、頻繁に当てれば当てるほど良いというものではありません。
市販のアイクリームで目の下のクマは治りますか?
市販のアイクリームでクマを「完全に治す」ことは難しいですが、症状を緩和することは可能です。アイクリームには、保湿成分、血行促進成分、美白成分などが配合されているものがあり、クマの種類に応じて選べば、目元の印象を明るく整える効果が期待できます。
たとえば、以下のようにクマの種類によって適したアイクリームが異なります。
・青クマ(血行不良型):ビタミンK・カフェイン・ビタミンEなど血行促進成分が有効
・茶クマ(色素沈着型):トラネキサム酸・ビタミンC誘導体・アルブチンなど美白成分入りのもの
・黒クマ(たるみ・影型):レチノールやペプチドなど、皮膚のハリを高める成分を含むもの
ただし、皮膚の構造的な問題や加齢による脂肪のふくらみが原因のクマに対しては、アイクリームだけでは改善が難しく、美容医療の併用が必要になることがあります。日常的に使うことで予防や印象の改善にはつながるため、クマのタイプに合った成分を見極めて選ぶことが大切です。
男性ですが、女性のように目の下のクマをマッサージで改善したり、化粧品で隠せますか?
はい、もちろん男性でも目の下のクマの改善やカバーは可能です。クマの原因は性別に関係なく、血行不良・色素沈着・加齢などが主な要因であるため、基本的なケア方法や対処法は男女共通です。まず、マッサージやスキンケアによる改善については以下のような方法があります。
・目の周りの温め(ホットタオルで数分温めることで血流促進)
・優しいタッピングマッサージ(血流を促進し、青クマに有効)
・保湿ケア(乾燥によるくすみやしわの予防)
また、最近では男性向けのコンシーラーやBBクリームも多く販売されており、自然にクマを隠すことができます。
クマをメイクでカバーすることに抵抗がある男性もいらっしゃいますが、ビジネスシーンや人と会う場面で疲れた印象を与えないために、取り入れる方が増えています。無理に「隠す」というより、「整える」ことを意識すると、自然な仕上がりになります。
マッサージや生活習慣の改善、そして必要に応じて化粧品を取り入れることで、男性でも十分に目元の印象を改善することができます。
まとめ
- 目の下のクマを「簡単にすぐ消す方法」は、マッサージやメイクなどの応急処置である程度可能です。ただし、それらは一時的な対処に過ぎず、根本からの改善には生活習慣の見直しや美容医療が必要になります。
青クマ・茶クマ・黒クマ、それぞれに原因と対策があり、正しいアプローチを取ることで、目元の印象を大きく変えることができます。クマを完全に消すためには「見た目だけ隠す」から「根本的に治す」へのステップアップが重要です。
- 「もう隠すだけのケアはやめたい」「目元から若々しく見せたい」と感じたら、ぜひ一度、専門医に相談してみましょう。あなたのクマに合った最善の治療法がきっと見つかるはずです。