
年齢を重ねるとともに多くの女性が気にするのが「顔のたるみ」です。フェイスラインのもたつきやほうれい線、マリオネットラインの出現は、実年齢よりも老けて見える原因となります。鏡を見るたびに気になる変化に「手術は怖いけれど、何とかしたい」と感じる方も多いのではないでしょうか。
そんな悩みに対して、ここ数年注目を集めているのが「糸リフト」です。糸リフトはメスを使わずにリフトアップ効果が得られる施術であり、比較的ダウンタイムが短く、仕事や生活に大きな支障をきたさない点が魅力です。しかし一方で「どれくらい効果が持つのか?」「半年で落ちてしまわないか?」「年齢によって違いがあるのでは?」と不安になる方も少なくありません。
今回の記事では、糸リフトの基本から、代表的な「LFLリフト」「VOVリフト」の特徴や持続期間、さらに効果を長持ちさせる方法まで詳しく解説します。施術を検討している20〜60代の女性が安心して治療を受けられるよう、理解を深めることを目的としています。
糸リフトとは?一般的な効果と持続期間

糸リフトとは?
医療用の特殊な糸を皮下に挿入し、物理的にたるんだ皮膚や皮下組織を引き上げる施術です。美容外科・美容皮膚科で行われており、韓国や欧米でも広く普及しています。糸は吸収性素材で作られているものが主流で、時間が経つと体内に吸収されます。その過程でコラーゲン生成が促され、肌にハリや弾力が生まれる効果も期待できます。
一般的な効果
- フェイスラインのリフトアップ
- ほうれい線の軽減
- マリオネットラインの改善
- 頬のもたつき解消
- 肌質改善(コラーゲン生成による)
一般的な持続期間
施術直後は引き上げ効果がはっきりと実感できますが、時間の経過とともに糸は吸収されます。多くの場合、半年〜2年程度が持続の目安とされています。ただし、糸の種類や太さ、本数、施術技術、患者様の肌質や生活習慣によって個人差があります。
LFLリフト

LFLリフトとは?
韓国発のPDO(ポリジオキサノン)製の糸を使用する施術です。PDOは吸収性のある安全な医療用素材で、縫合糸としても使用されています。
特徴
- 細かいコグ(トゲ状の突起)がついており、皮下組織にしっかり引っかかってリフトアップする
- 吸収されるまでの期間は約8〜12か月
- 糸が吸収される過程でコラーゲン生成を促し、肌のハリ感が増す
- 初めての糸リフト施術に向いている
効果の持続期間
おおよそ1年前後。若い世代(20〜30代)の軽度なたるみに適しており、「将来のたるみ予防」として受けられる方も多いです。
VOVリフト

VOVリフトとは?
PCL(ポリカプロラクトン)製の糸を使用します。PCLはPDOに比べて吸収に時間がかかり、長期的な効果が期待できます。
特徴
- 強い引き上げ力と長持ちする効果
- 吸収されるまで約18〜24か月
- 組織との親和性が高く、自然な仕上がりになる
- たるみが進んだ40代以降の女性にも適応できる
効果の持続期間
約1年半〜2年。中等度〜重度のたるみにもしっかり対応でき、施術効果が長持ちするため「一度の施術で効果を長く維持したい」方に人気です。
糸リフトの効果を長持ちさせるポイント

糸リフトの効果を少しでも長く持たせるには、施術後の生活習慣やケアが非常に重要です。
- 術後のマッサージや強い摩擦を避ける
施術直後に顔を強くこする、エステでのマッサージを受けると糸の位置がずれる恐れがあります。
- 口を大きく開ける動作に注意
施術後1〜2週間は大笑いや硬いものを噛む動作を控えると糸の安定が早まります。
- 紫外線対策を徹底
紫外線は肌老化の大きな原因。日焼け止めや帽子で予防することが、効果の持続につながります。
- バランスの取れた食事と睡眠
タンパク質・ビタミンC・コラーゲンを意識した食事や十分な睡眠は、糸によるコラーゲン生成を助けます。
- 併用治療で効果を補強
HIFU、ヒアルロン酸注入、ボトックスなどを組み合わせるとより長持ちしやすくなります。
糸リフトを使った施術間隔の目安 年齢別

年齢ごとに適した施術間隔や選ぶ糸の種類が変わります。
- 20〜30代前半
軽度なたるみや小顔目的が中心。LFLリフトを年1回程度で維持するのがおすすめ。
- 30代後半〜40代
ほうれい線やフェイスラインが気になり始める時期。VOVリフトで1.5〜2年ごとに施術するケースが多い。
- 50〜60代
皮膚や脂肪の下垂が強く、糸だけでは不十分なことも。VOVリフト+ヒアルロン酸・HIFUを組み合わせ、1〜2年ごとのメンテナンスが理想。
糸リフトの持続期間の注意事項・戻らないように防ぐ方法

糸リフトは魅力的な施術ですが、以下の点に注意が必要です。
- 効果は永久ではない
糸は必ず吸収されるため、半永久的なリフトアップはできません。
- 加齢の進行は避けられない
糸でリフトアップしても、皮膚や筋肉の加齢は進行します。
- 戻らないようにするには?
定期的な施術・生活習慣の改善・美容医療との併用が必要です。
すぐ戻らないように防ぐには |
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取り組み内容 |
HIFUで定期的にたるみ予防を行う
保湿を徹底し、肌の弾力を維持する
睡眠不足や喫煙を避ける |
こうした工夫で、糸リフトによる施術後の効果の持続を最大化できます。
よくあるご質問
一般的に糸リフトは何年もつか気になりますが、長くもつ糸リフトを選ぶのが良いですか?
糸リフトの持続期間は「糸の種類・太さ・挿入する層・本数・患者さんの年齢や肌質」によって変わります。一般的には半年〜1年半ほどの効果が目安ですが、PDO(ポリジオキサノン)糸のように吸収が早めのものは6か月程度、PCL(ポリカプロラクトン)糸やPLA糸などは1年〜2年ほど効果が続く場合もあります。
「長くもつ糸」だから必ずしも良いとは限りません。例えば、持続期間が長い糸はしっかり固定力がありますが、仕上がりの自然さや柔らかさで劣ることもあります。逆に吸収の早い糸は効果は短めでも、ダウンタイムが少なく自然な仕上がりが期待できます。
大切なのは「ご自身のたるみの進行度・年齢・希望する仕上がり」に合った糸を選ぶことです。医師と相談しながら、「自然さを重視するか」「しっかりリフトアップしたいか」を明確にすることで、満足度の高い結果につながります。
糸リフトの効果を高めるために、長持ちさせる方法や併用した方が良い他の施術はありますか?
糸リフトは単独でも効果がありますが、施術後の過ごし方や併用治療によって持続力が大きく変わります。
■長持ちさせる生活習慣
・紫外線対策を徹底する(UVはたるみを進行させる最大要因)
・バランスの良い食事と十分な睡眠で肌の代謝を整える
・過度なマッサージや強い表情筋運動を避ける
■併用すると効果的な施術
・ヒアルロン酸注射:ボリュームロスを補い、糸で引き上げた形を維持しやすくなる
・ボトックス注射:表情筋の動きを抑えることで、糸への負担を軽減し長持ちさせる
・レーザー・高周波治療(HIFU、RFなど):皮膚の弾力やコラーゲン生成を高め、糸リフトと相乗効果を発揮
「糸だけで持続力を追求する」のではなく、他の施術を上手に組み合わせることが、結果を長持ちさせるコツです。
何度も受けたいのですが、糸リフトの回数制限はありますか?
糸リフトには明確な「回数制限」はありません。吸収性の糸は体内で分解されるため、何度でも繰り返すことが可能です。ただし以下の点に注意が必要です。
・短期間で繰り返すリスク:皮膚や組織に過剰な刺激を与えると、違和感やひきつれが起きやすくなります。
・目安となる間隔:一般的には半年〜1年程度の間隔を空けて施術するケースが多いです。糸が体内で落ち着いてから新しい糸を入れることで、トラブルを避けられます。
・長期的な計画:40代以降では、糸リフトだけに頼るのではなく、定期的にレーザーや注入治療を併用して「メンテナンス感覚」で継続すると、結果的に自然で若々しい印象を保ちやすくなります。
つまり「無制限に受けられる」が「適切なタイミングを見極めること」が非常に大切です。
人によって効果の出やすい人・効果の出にくい人の特徴はありますか?
はい、糸リフトは同じ施術を受けても人によって効果の実感に差があります。
■効果が出やすい人
・年齢が比較的若く、皮膚の弾力が残っている
・たるみが軽度〜中程度
・頬やフェイスラインの脂肪が多すぎない
■効果が出にくい人
・皮膚が厚く硬いタイプの方
・脂肪が多く、糸の力だけで支えきれない場合
・たるみが進行し、皮膚が余っている場合
こうした場合、糸リフト単独よりも「脂肪吸引」「ヒアルロン酸」「外科的なフェイスリフト」などを組み合わせた方が満足度が高くなります。
カウンセリングで医師が肌質・骨格・たるみの程度を見極めて、最適な治療方針を提案することが重要です。
まとめ
- 糸リフトは、メスを使わずに顔のたるみを改善できる人気施術です。
・LFLリフトは1年前後の持続で軽度なたるみに向く
・VOVリフトは1.5〜2年(長ければ3年)持続し、年齢が高めの方に効果的
- 持続期間は半年〜2年程度が一般的ですが、生活習慣やアフターケアによって差が出ます。大切なのは「自分の年齢やたるみの程度に合った方法を選ぶこと」と「正しいケアで効果を長持ちさせること」です。
- 糸リフトの持続期間について理解を深め、計画的に施術を受ければ、長く若々しい印象を保つことができます。