
まぶたが厚い・重いと感じると、「目つきが暗く見える」「眠そう」「アイメイクが映えない」など、見た目の印象に大きく影響します。
実際に、まぶたの印象は顔全体の印象の中でも非常に重要です。明るく開いた目元は若々しさや活力を感じさせますが、まぶたが重いとそれだけで疲れて見えてしまうこともあります。
しかし、まぶたが厚くなる原因は一つではありません。脂肪が多いだけでなく、むくみ、筋肉の発達、皮膚のたるみ、さらには眼瞼下垂といった医学的な要因が隠れていることもあります。
そのため、正しい原因を知り、自分に合った改善方法を選ぶことが大切です。
今回の記事では、まぶたが厚く・重く感じる原因と、マッサージ・メイクなどの自力ケア、そして医療機関での治療法までを詳しく解説します。
「ただのむくみ」と思って放置していたら、実は筋肉や皮膚の問題だったというケースもあります。自分のタイプを見極めて、適切なアプローチで理想の軽やかなまぶたを目指しましょう。
まぶたが厚い・重いと感じる主な原因

1. 皮下脂肪・眼窩脂肪が多いタイプ
最も多いのが、脂肪による厚みです。
まぶたには「眼窩脂肪(がんかしぼう)」と呼ばれる脂肪が存在し、クッションのように目を保護しています。
しかし、体質的に脂肪が多い人や全体的にぽっちゃりした人は、この部分にも脂肪が付きやすく、まぶたが腫れぼったく見えます。
特に、若い世代では皮膚にハリがあるため、脂肪が押し上げられて二重ラインが出にくく、「一重まぶた」に見えることが多いです。
また、体重増加に伴い目の印象が変化するケースもあります。体重が5kg増えるだけでもまぶたの厚みが増すことがあります。
脂肪が多いタイプは、ダイエットで全体の脂肪を減らしてもまぶたの脂肪は落ちにくく、セルフケアだけでは改善が難しい傾向にあります。
2. むくみによる一時的な厚み
「朝だけまぶたが腫れぼったい」という人は、むくみ(浮腫)が原因です。
長時間のスマホ・パソコン使用で眼精疲労が起きたり、塩分の摂りすぎ、睡眠不足、ホルモンバランスの乱れなどが関係しています。
むくみは、血液やリンパの流れが滞ることで余分な水分が皮下に溜まる状態。特に目の周りは皮膚が薄いため、わずかな水分でも腫れた印象になります。
生理前や飲酒後に一時的にまぶたが厚くなる人も多く、これはホルモンや血流の変化によるものです。
このタイプは、生活習慣の改善やマッサージで比較的改善しやすいのが特徴です。
3. まぶたの皮膚が厚い・筋肉が発達しているタイプ
日本人を含むアジア系の人種は、欧米人に比べて皮膚が厚く、眼輪筋が発達している傾向があります。
そのため、皮膚の重さ自体が厚みを感じさせることがあります。
特に若い頃から「まぶたが腫れぼったい」と感じる人は、この体質的要素が強いです。
こうした方は、二重の埋没法を行ってもラインが取れやすく、「二重にならない」「すぐに戻ってしまう」といった悩みを抱えることもあります。
この場合は、筋肉や皮膚の調整を伴う治療が必要になる場合があります。
4. 加齢による皮膚のたるみ
年齢を重ねると、まぶたの皮膚にハリを与えているコラーゲンやエラスチンが減少し、皮膚がたるみます。
この余った皮膚がまつ毛の上にかぶさることで、「厚くなった」「重くなった」ように感じるのです。
また、加齢に伴うまぶたの脂肪の移動や、筋肉の衰えも影響します。
若い頃はスッキリしていたのに、40代以降から「まぶたが下がってきた」「アイラインが引きづらくなった」と感じる方は、このタイプが多いです。
5. 眼瞼下垂によるまぶたの重さ
まぶたを開く筋肉(挙筋)の力が低下すると、まぶたが下がり、目を開けにくくなります。
これが眼瞼下垂(がんけんかすい)です。
見た目としては「まぶたが重くなった」と感じますが、原因は筋肉の機能低下であり、単なる厚みとは異なります。
眼瞼下垂の場合、額に力を入れて無理に目を開こうとするため、眉間にシワが寄る・疲れやすい・頭痛がするなどの症状が出ることもあります。
この場合は、手術による筋肉の修復が必要です。
自力でまぶたが厚い・重いを治すマッサージやメイク

1. むくみ改善マッサージ(リンパ流し)
むくみが原因の場合、日常的なマッサージで血流やリンパの流れを促すことができます。
- 手を温めてから、まぶた全体を覆うように優しく押さえる。
- 目頭からこめかみに向けて、まぶたの上を軽くなでるように3回ほど流す。
- 目の下も同様に内側から外側へなで、耳の後ろから鎖骨へと流す。
※強く押すと皮膚を痛めるので、あくまで“なでる程度の力”がポイントです。
寝る前に1分程度行うだけでも翌朝のまぶたのむくみが軽くなります。
2. 温冷交代ケア
朝のむくみ解消には、冷たいタオルと温かいタオルを交互に目元に当てる「温冷交代法」も効果的です。
温めることで血流を促し、冷やすことで毛細血管が収縮し、老廃物の排出が促進されます。
特に「朝、二重が消える」「目が開けづらい」といった方にはおすすめです。
3. まぶたを軽く見せるメイクテクニック
メイクでも印象を大きく変えることができます。
ただし、厚ぼったいまぶたに濃い色を広く塗ると、逆に重く見えるため注意が必要です。
- アイシャドウはブラウンやベージュなど自然なグラデーションを意識。濃い色を際に、明るい色を眉下に入れる。
- アイラインは細め・短めにして上向きに引くと目が開いた印象に。
- マスカラはロングタイプを選び、縦のラインを強調。
- 眉はやや高めに描くと、目の位置が上がって見えます。
上記のようなメイクによる目元の工夫で、まぶたの重さを自然にカバーすることができます。
まぶたが厚い・重い場合の脂肪取り メリット・デメリット

メリット
- 余分な脂肪を除去して目元がスッキリ見える
- 二重ラインが安定しやすくなる
- アイメイクがしやすくなる
- 若々しく軽い印象の目元に変わる
特に「経結膜脱脂法(けいけつまくだっしほう)」は皮膚を切らず、まぶたの裏側から脂肪を取り出すため、傷跡が外から見えず、回復も早いのが特徴です。
デメリット・リスク
- 脂肪を取りすぎると“くぼみ目”になる
- むくみ・たるみが原因の場合は改善しない
- 術後の腫れや内出血が一時的に出る
- 医師の技術によって仕上がりが大きく変わる
Dr.三沢
脂肪取りは「誰にでも合う万能の解決策」ではありません。
まぶたの厚みの原因が脂肪であることを見極めることが前提です。
診察で筋肉や皮膚の状態も含めて判断する必要があります。
原因別 まぶたが厚い場合の治し方・治療法

| タイプ・治療法 |
内容 |
脂肪が多いタイプ
治療法:経結膜脱脂術・切開法による脂肪除去 |
皮膚の裏側(結膜側)から脂肪を取り除くことで、まぶたの厚みを減らします。
皮膚を切らないためダウンタイムが短く、翌日からメイクが可能な場合もあります。
皮膚のたるみが強い場合は、外側から皮膚も同時に調整する「表ハムラ法」や「上眼瞼皮膚切除術」を併用します。 |
むくみ・水分代謝タイプ
治療法:生活習慣改善・脂肪溶解注射・点滴治療など |
むくみは根本的には生活習慣で改善できますが、慢性的な場合は脂肪溶解注射(BNLS、カベリンなど)で局所的に水分と脂肪を減らす方法もあります。
また、ビタミン点滴や高濃度ビタミンCによる代謝改善も有効です。 |
皮膚のたるみタイプ
治療法:上眼瞼皮膚切除術/眼瞼下垂手術 |
加齢による皮膚の余りには、余分な皮膚を除去してまぶたを軽くする「上眼瞼皮膚切除」が最適です。
同時に筋肉の衰え(眼瞼下垂)を修正する「挙筋前転法」を行うことで、目の開きも改善します。
これにより、まぶたの厚みだけでなく「目が開けにくい」「疲れやすい」といった機能的な悩みも解消します。 |
筋肉・皮膚が厚い体質タイプ
治療法:二重切開法+脂肪調整 |
筋肉や皮膚の厚みが原因の場合は、埋没法では効果が持続しにくく、数年でラインが取れることもあります。
この場合は、切開法で余分な組織や脂肪を微調整しながら二重ラインを作ることで、自然で長持ちする結果を得られます。 |
眼瞼下垂による重さ
治療法:挙筋前転法・ミュラー筋短縮術 |
目を開ける筋肉そのものが弱っている場合、単に脂肪を取るだけでは改善しません。
挙筋やミュラー筋を修復することで、まぶたを正常に引き上げられるようになります。
「まぶたの厚み」と感じていても、実際は機能低下であることも多いため、必ず医師の診断が必要です。 |
施術事例【20代/女性 重い一重まぶたを二重切開法で改善】

目元が重たく見える症例で、二重全切開+挙筋前転法+脂肪除去を行いました。
手術ではまず、余分な脂肪を適量除去し、腫れぼったさを軽減。次に挙筋腱膜を前転して上まぶたをしっかり開けられるようにし、自然なラインをデザインしました。術後は、重さのない明るい目元となり、まつ毛の生え際がしっかり見えるようになっています。
さらに後日、グラマラスライン形成を追加し、目の下方向に自然な丸みと優しい印象をプラス。上下のバランスが整い、より女性らしく華やかな目元に仕上がりました。


合併症リスク
出血、感染、術後瘢痕問題(ケロイド、肥厚性瘢痕などの発生)、麻酔・薬剤によるアレルギー・アナフィラキシーショック、ドライアイ、一過性の視力低下、顔貌の変化、二重の左右差、まぶたの皮膚知覚障害、糸が露出する、目の中のゴロゴロ感、皮膚色素沈着、皮膚の表面の凸凹、頭痛、吐き気、その他再発など、下眼瞼外反症、頭皮脱毛、耳介変形、仕上がりの左右差
重たい【一重まぶた】を二重切開法で改善/安静+患部の冷却で腫れを最小限に
よくあるご質問
まぶたが厚いのは遺伝や年齢で変わってきますか?
まぶたの厚みや重さは、実は「遺伝」と「加齢」の両方が深く関係しています。
まず遺伝的要素としては、生まれつき皮膚が厚い・脂肪が多い体質の方は、若い頃からまぶたが重く見える傾向にあります。特に両親のどちらかが一重まぶたや奥二重である場合、その特徴を受け継ぐことが多く、まぶたの脂肪量や皮膚の質感も似てきます。
一方で年齢による変化も見逃せません。20〜30代までは脂肪がしっかりしていて「厚い」と感じやすいのに対し、40代以降になると皮膚の弾力が低下し、脂肪の位置が下がることで「まぶたが重く垂れた」ように見えることがあります。逆に脂肪が減少して「くぼみ目」に変化する方もおり、厚い・重い印象が年齢とともに変わっていくのです。
つまり、まぶたの厚みは「体質で決まる部分」と「年齢によって変化する部分」の両方が影響しています。どちらの要素が強いかによって、改善のアプローチも異なります。
厚いまぶたをマッサージやメイクで隠すことはできますか?
軽度のまぶたの厚みであれば、マッサージやメイクの工夫で印象を軽くすることは可能です。
たとえば朝のむくみが原因でまぶたが重く見える場合、冷タオルや温冷交代法によって血流とリンパの流れを促し、むくみを取るだけでもすっきり見えることがあります。特に目の上を強くこすらず、目頭から目尻にかけて軽く指先でなでるようにマッサージするのがポイントです。
メイクでは、アイホールに陰影をつけることで厚みをカバーできます。ブラウンやグレーなどの自然なグラデーションを使うと、まぶたの立体感が増して軽やかに見せられます。また、アイラインを太く引きすぎず、細く目尻を少し上げるように描くことで目元が引き締まり、まぶたの重さが目立ちにくくなります。
ただし、マッサージやメイクはあくまで一時的な対処です。脂肪量が多いタイプのまぶたでは、根本的な改善には医療的なアプローチが必要となる場合もあります。
まぶたの厚みや重みは目の上に脂肪が多いからでしょうか?
その通りです。多くの方が感じる「まぶたが重い・厚い」という状態は、皮下脂肪や眼窩脂肪(がんかしぼう)と呼ばれる深い層の脂肪が多いことが主な原因です。
とくに日本人は骨格的に目のくぼみが浅く、脂肪が前方に出やすい傾向にあります。そのため、皮膚が分厚く見えたり、二重のラインがうまく出なかったりするのです。
また、脂肪だけでなくむくみや筋力の低下も影響します。たとえば、睡眠不足や塩分の摂りすぎ、眼精疲労などで目の周りの血流が悪くなると、皮下に余分な水分がたまり、まぶたが一時的に厚く見えます。
加えて、加齢によって眼輪筋(がんりんきん)の張りが低下すると、脂肪を支えきれず、まぶたがより重く垂れ下がって見えることもあります。
このように、まぶたの厚みの原因は「脂肪の量」「皮膚の厚さ」「筋肉の衰え」「むくみ」の複合的なものです。見た目の印象を変えるためには、原因を正確に見極めることがとても大切です。
まぶたの脂肪を取ると、くぼむ可能性があるのでやめた方がいいでしょうか?
まぶたの脂肪除去は、確かに注意が必要な治療です。脂肪を取りすぎるとくぼみや老けた印象になるリスクがあります。特に若い方の場合、もともと皮膚にハリがあるため、必要以上に脂肪を取ると不自然な目元になってしまうことがあります。
ただし、これは「取りすぎた場合」の話です。経験豊富な医師が目の構造や脂肪のバランスを考慮して施術すれば、まぶたをスッキリさせつつも自然な仕上がりにすることが可能です。
たとえば、単に脂肪を取るのではなく、位置を調整する『脂肪再配置(ハムラ法や裏ハムラ法)』を行うと、膨らみとくぼみのバランスを整えながら若々しい目元を作ることができます。
つまり、「脂肪を取る=危険」ではなく、「適切にコントロールすること」が大切です。自己判断で避けるよりも、まぶたの状態を診察してもらい、医師と一緒に最適な方法を選ぶことをおすすめします。
まとめ
- まぶたが厚い・重いと感じる原因は、脂肪やむくみだけではなく、筋肉・皮膚・加齢・眼瞼下垂など多岐にわたります。
そのため、見た目の症状だけで自己判断すると、間違ったケアで悪化することもあります。
- 軽度のむくみや血行不良であれば、マッサージや生活改善で十分改善できます。
しかし、脂肪が多い・皮膚がたるんでいる・筋肉が厚いなど構造的な問題がある場合は、医療的なアプローチが必要です。
- まぶたの印象が変わると、顔全体の印象も明るくなります。
「厚い・重い」と感じるまぶたの原因を知り、最適なケアや治療で、自信の持てる目元を取り戻しましょう。