
目の下のクマやたるみは、実年齢よりも疲れて見えたり、老けた印象を与えたりする大きな原因の一つです。毎朝のメイクでコンシーラーを重ねても影が消えず、鏡を見るたびにため息をついてしまうという30代から60代の女性は少なくありません。そうした深いお悩みを根本から解消する手段として、近年「クマ取り手術」を検討される方が非常に増えています。
しかし、目もとという極めてデリケートな部位の手術であるため、「前日はどのように過ごせばよいのか」「当日はどのようなスケジュールで進むのか」「痛みや腫れ、通院はどうなるのか」といった不安や疑問が尽きないのも当然のことです。外科手術に対する恐怖心は、術前や当日の具体的な流れが分からないという「不透明さ」から生じるケースがほとんどです。
手術の工程や前後の注意点をあらかじめ正しく理解しておくことは、不安を安心へと変える最善の方法です。事前の準備が整っていれば、術中の安全性が高まるだけでなく、術後の腫れや内出血といったダウンタイムを最小限に抑えることにも直結します。
今回の記事では、クマ取り手術(特に解剖学的な美しさと持続性に優れた裏ハムラ法を中心)を検討されている方へ向けて、前日および当日の過ごし方、来院から手術終了までの詳細な流れ、施術時間、術後の通院計画について解説いたします。
事前にしっかりとした準備を行い、心穏やかに手術当日を迎えられるよう、ぜひ最後までお読みください。
手術に対する不安を取り除く一番の近道は、当日のシミュレーションを頭の中で済ませておくことです。「何時に起きて、何を持参し、どうクリニックで過ごすか」を可視化しておくだけで、当日の緊張感は大幅に和らぎます。
クマ取り手術前に知っておきたいこと

クマ取り手術で後悔のない結果を得るためには、ご自身のクマの医学的な原因と、適した術式の特徴をあらかじめ正確に把握しておく必要があります。クマと一口に言ってもその原因は単一ではなく、原因に合致しない治療法を選択してしまうと、十分な改善が得られなかったり、かえって凹みが目立ってしまったりすることがあるためです。
例えば、下まぶたのクマ・たるみは主に以下の要素が複雑に絡み合って生じています。
クマの主な要素とは?
- 眼窩脂肪(がんかしぼう)の突出による「黒クマ(影クマ)」
加齢に伴い眼球を支える靭帯や眼輪筋が緩み、眼窩脂肪が前方に押し出されてふくらみとなり、その下に深い影が落ちる状態です。
- 皮下出血や血行不良による「青クマ」
睡眠不足、眼精疲労、冷えなどにより、下まぶたの薄い皮膚を通して静脈血のうっ滞が青黒く透けて見える状態です。
- メラニン色素の沈着による「茶クマ」
紫外線ダメージや摩擦、アレルギーなどによる長期的な皮膚への刺激で色素が沈着している状態です。
- 皮膚の菲薄化・たるみによる「赤クマ」
皮膚が薄くなることで、直下にある眼輪筋の赤みが透けて見えたり、たるんだ皮膚自体がたるみとなって影を強調したりする状態です。
30代から60代の女性において最も多く、かつ外科的な治療が必要となるのは、眼窩脂肪の突出と頬の境界の凹みによって生じる「黒クマ(影クマ)」です。この黒クマに対して現在行われている代表的な外科アプローチには、主に以下の手法が存在します。
代表的な外科アプローチとは?
- 経結膜脱脂術(けいけつまくだっしじゅつ)
下まぶたの裏側(結膜側)をわずかに切開し、突出している眼窩脂肪を取り除く方法です。皮膚表面を傷つけず手軽ですが、脂肪を取りすぎると将来的に目の下が窪み、小じわが増加するリスクを伴います。
- ハムラ法(表ハムラ法)
下まつ毛の生え際ギリギリの皮膚を切開し、余分な皮膚を切除すると同時に、突出した眼窩脂肪を窪んでいる靭帯(目袋の下の溝)の下へと移動・再配置(リポジション)して固定する手法です。皮膚のたるみが著しい60代以上の方に非常に適しています。
- 裏ハムラ法(経結膜的眼窩脂肪移動術)
下まぶたの裏側(結膜側)からアプローチし、皮膚表面に一切メスを入れずに、突出した眼窩脂肪を骨膜上の窪みへと移動・固定する高度な手法です。皮膚表面に傷跡が残らず、脂肪を取りすぎないため術後の窪み変形を起こしにくく、自然な若返りが持続します。
目の下の構造はミリ単位の緻密な解剖学的バランスの上に成り立っています。そのため、単に「脂肪を取ればよい」「注入すればよい」という安易な選択ではなく、ご自身の骨格や皮膚の厚み、脂肪の配置に適した術式を正しく見極めることが極めて重要です。皮膚表面に傷跡が残らず、脂肪を取りすぎないため術後の窪み変形を起こしにくく、自然な若返りが持続します。
カウンセリングの場では、「自分のクマはどのタイプに該当するのか」「脂肪を取るだけで窪まないか」を専門医に率直に問いかけてみてください。メリットだけでなく、将来的なリスクまで論理的に説明してくれる医師を選ぶことが大切です。
クマ取り手術の前日 準備すること

クマ取り手術の前日は、翌日の手術を安全かつ円滑に進めるための土台作りの日です。身体の状態や精神的なコンディションが整っていなければ、血圧が上昇して術中の出血量が増えたり、麻酔の効き目に悪影響を及ぼしたりして、術後の腫れや内出血が顕著に出てしまう恐れがあるためです。
安全な手術と良好な仕上がりのために、前日は以下のポイントを必ず遵守してください。
- 禁酒の徹底
アルコールは血管を拡張させ、血液をサラサラにする作用があります。前日に飲酒をすると、手術中の出血が止まりにくくなり、術後の重度な皮下出血斑や腫れを誘発します。前日は終日アルコールを完全に断ってください。
- 過度な塩分や水分の摂取を控える
塩分の多い食事や深夜の水分過多は、翌朝のまぶたの浮腫(むくみ)を引き起こします。まぶたが過度にむくんでいると、医師が脂肪の正確な突出度合いや左右差をミリ単位で評価しづらくなり、微細なデザイン調整に支障をきたします。
- 十分な睡眠時間の確保
睡眠不足は自律神経を乱し、血圧の急激な上昇や痛覚の過敏化を招きます。当日の緊張を和らげるためにも、前夜はスマートフォンやパソコンの画面を早めに閉じ、最低でも7〜8時間の良質な睡眠をとるように心がけてください。
- 常用薬の確認と服薬指示の再チェック
アスピリン、ワルファリンなどの抗凝固薬(血液をサラサラにする薬)や、ビタミンE、EPA・DHA、イチョウ葉エキスなどのサプリメントは、出血傾向を高めるため休薬期間が定められている場合があります。医師から指示された休薬スケジュールが厳守されているかを今一度、確認してください。
- 帰宅ルートと付き添いの手配
手術当日は麻酔の影響でふらつきが出たり、視界が一時的にぼやけたりすることがあります。ご自身での自動車・バイク・自転車の運転は一切禁止となります。公共交通機関での移動ルートを確認し、可能であればご家族などの付き添いを手配しておくと万全です。
前日を穏やかに過ごし、規則正しい生活を徹底して心身を休めることこそが、手術のダウンタイムを劇的に軽減させるための第一歩となります。
前日の夕食は、消化が良く胃腸に負担をかけない和食(うどん、おかゆ、白身魚など)を軽めに摂ることをお勧めします。身体の水分バランスを整え、万全の体調で翌朝を迎えましょう。
クマ取り手術の当日 来院前に準備すること

手術当日の朝は、クリニックに到着してから慌てることのないよう、ご自宅を出る前の段階から医療安全を意識した行動が求められます。患者様ご自身の些細な身支度の違いが、術野の衛生環境やバイタルサインの正確なモニタリングに直結するためです。
ご自宅を出る前には、以下の点について入念に準備と確認を行ってください。
- 絶飲食(食事・水分制限)の厳守
静脈麻酔や鎮静薬を使用する場合、胃の中に食べ物や水分が残っていると、麻酔導入時や術中に嘔吐し、胃内容物が気管に入って窒息や重篤な誤嚥性肺炎を引き起こす生命の危険があります。クリニックから指定された「手術○時間前からの絶食・絶水」の制限時間を1分たりとも違えず厳格に守ってください。
- ノーメイク・完全なすっぴんでの来院
ファンデーション、アイシャドウ、日焼け止め、スキンケアクリームなどの油分は、術前の皮膚消毒の効果を減弱させ、術後感染のリスクを高めます。また、術中は顔色や唇の色の変化を観察して全身状態を管理するため、基礎化粧品も含めて何も塗らない完全な素肌でお越しください。
- ネイル(マニキュア・ジェルネイル)のオフ
手術中は指先に「パルスオキシメーター」という医療機器を装着し、血液中の酸素飽和度(SpO2)と脈拍を常時モニタリングします。ネイルカラーやジェルネイル、スカルプチュアがついていると赤外線が透過せず、正確な数値を測定できなくなります。最低でも片手の1〜2本、可能であればすべての爪を自爪の状態にしておいてください。
- コンタクトレンズの取り外し
裏ハムラ法や経結膜脱脂術では、結膜(下まぶたの裏側)を直接処置します。コンタクトレンズを装着したままの手術は不可能です。角膜を保護し、感染や脱落を防ぐため、当日は必ずメガネを着用してご来院ください。
- 金属類・アクセサリーの全撤去
ピアス、ネックレス、指輪、ヘアピンなどの金属類は、手術中に使用する電気メス(高周波凝固装置)の電流と干渉し、皮膚に熱傷(やけど)を引き起こす危険性があります。ご自宅を出る前にすべて外し、紛失防止のためにも貴金属類は持参しないようにしてください。
- 着脱しやすい前開きの服装の選定
手術後は目もとの安静を保つ必要があり、包帯やテープが貼られていることもあります。首元の詰まったTシャツやセーターを頭から脱ぎ着すると、衣服が患部に強く擦れて出血や傷口の離開を招く危険があります。前開きのシャツやカーディガン、ジップアップパーカーなど、顔に触れずに着脱できるゆったりとした服装を選んでください。
これらの準備は、すべて患者様の命と安全を守り、手術を寸分の狂いもなく完遂させるために不可欠な医療的要請です。
当日は、手術後の目もとを覆い隠すための「ツバの深い帽子」と「フレームの太いメガネ(またはUVカットサングラス)」、さらに「不織布マスク」を持参すると、人目を一切気にすることなく安心してスムーズに帰宅できます。
クマ取り手術の当日 手術までの流れ

クリニックに到着してから実際に手術台に上がるまでには、いくつかの段階的なプロセスが用意されています。一つひとつのステップは、医学的な安全性を担保し、事前の計画通りの美しい仕上がりを追求するために極めて論理的に組み立てられています。
来院から手術開始までの標準的な流れは以下の通りです。
- 【来院】受付・体調チェック・着替え
- 【最終カウンセリング・デザイン】座位での精密なマーキング
- 【手術室への入室】モニター装着・全身管理体制の確立
- 【麻酔の導入】局所麻酔・静脈麻酔による無痛環境の構築
- 【手術開始】緻密な外科的アプローチの実施
各工程の具体的な内容は以下の通りです。
- 1. 受付・体調確認・リカバリールームへの案内
クリニックに到着後、まずは血圧・脈拍・体温などのバイタルサインを測定し、絶飲食が守られているか、体調に異変がないかを確認します。その後、専用の個室やリカバリールームへ移動し、手術着への着替えや、洗顔を行って皮脂や埃を完全に洗い流します。
- 2. 医師による術前の最終診察と精密デザイン(マーキング)
この工程は手術の成否を決定づける最重要ステップです。脂肪の突出や窪みの影は、横たわった状態(仰臥位)になると重力の影響で位置が大きくシフトしてしまいます。そのため、必ず背筋を伸ばした「座った状態(座位)」で、光の当たり方を変えながら、移動させるべき脂肪の境界や骨の窪みのラインを特殊なペンでミリ単位で皮膚上にマーキングしていきます。
- 3. 手術室への入室と生体モニターの装着
清潔な手術室へ案内され、手術台に横たわります。心電図モニター、自動血圧計、パルスオキシメーターが装着され、手術中の全身状態をリアルタイムで監視できる体制を整えます。感染予防のため、顔面および周辺の皮膚を医療用消毒液で広範囲に消毒し、滅菌された清潔な布(滅菌ドレープ)を顔にかけて準備を完了します。
- 4. 麻酔の投与と除痛管理
患者様が痛みや恐怖を感じることのないよう、適切な麻酔を行います。点滴から鎮静薬や鎮痛薬を注入する「静脈麻酔」を用いる場合、投与後数十秒で心地よい眠気におそわれ、浅い眠りに落ちた状態になります。その後、下まぶたの結膜側に「局所麻酔」を丁寧に注入します。細心の注意を払って極細の注射針を使用するため、痛みは最小限に抑えられます。
- 5. 手術の開始
麻酔が完全に効き、痛覚が完全に遮断されていることを医師が確認した上で、清潔かつ慎重に手術が開始されます。
このように、すべてのプロセスが厳格な安全基準に基づいて進行します。スタッフや医師が常に患者様の呼吸や表情に気を配りながら進行しますので、身を委ねてリラックスしていただくことが大切です。
デザイン時に「普段気になっている影の出方」を改めて鏡を見ながら医師と共有してください。日常の光線下で最も綺麗に見えるラインを、術直前の最後の瞬間に医師と患者様の間で擦り合わせることが、理想の仕上がりを確実に手繰り寄せます。
裏ハムラ法の施術時間の目安・術後の通院

目の下のクマ取り手術の中でも、解剖学的な完成度が高く長期的な若返り効果を誇る「裏ハムラ法」を選択された場合、あらかじめ所要時間と術後の通院計画を把握しておくことが、スケジュール管理や職場復帰の計画において不可欠です。
1. 手術時間および院内滞在時間の目安
裏ハムラ法は、単に脂肪を摘出して廃棄する脱脂術とは異なり、下まぶたの裏側から骨膜を丁寧に剥離し、眼窩脂肪を包む膜(隔膜)ごと窪みの骨膜上へ移動・平坦化させて縫合・固定するという高度で緻密な手技を要します。
- 手術単体の所要時間
両目で約60分〜90分程度です(患者様の解剖学的形態、脂肪のボリューム、出血のしやすさによって多少前後します)。
- 来院から退院までの総滞在時間
およそ3時間〜4時間程度です。これには術前の洗顔、精密デザイン、麻酔導入、手術、術後のアイシング(冷却冷却)、およびリカバリールームでの休憩時間がすべて含まれます。
2. 術後の通院スケジュール
裏ハムラ法は皮膚表面を切開しないため、皮膚側の「抜糸(ばっし)」は原則として不要です。ただし、骨膜上へ移動させた脂肪が新しい位置で強固に生着するまでの初期段階において、経過を厳密にモニタリングする必要があります。
一般的な術後の通院スケジュールは以下の通りです。
- 術後7日目〜10日目(初期検診・固定解除)
術直後に施した皮膚表面の圧迫テープを除去(またはご自身で除去した後の確認)し、傷口の治癒状態、強い内出血や血腫(血の塊)の有無、左右差、感染の兆候がないかを専門医が視覚的・触診的に厳密にチェックします。
- 術後1ヶ月目(中間検診)
大きな腫れや内出血が引き、組織の拘縮(創傷治癒過程で組織が硬くなる現象)が始まる時期です。脂肪の生着状態、下まぶたの引きつれや違和感の有無を確認し、今後の経過の見通しをお伝えします。
- 術後3ヶ月目(完成検診)
組織の拘縮がすっかり解け、皮下組織が柔らかく馴染む時期です。腫れが完全に消失し、本来の美しい仕上がりが完成します。術前写真と術後写真を比較対照し、クマと凹凸の解消度合いを客観的に評価します。
裏ハムラ法は皮膚表面に傷がつかない反面、内部では繊細な組織剥離と再配置を行っています。医師の指示に従って指定された検診を確実に受けていただくことが、万が一の微細なトラブルを未然に防ぎ、長期にわたる美しい仕上がりを担保するための必須要件です。
術後1週間前後は腫れや内出血のピークを迎えますが、これは組織が修復している正常な生体反応です。「完成形は3ヶ月後」という医学的な時間軸を心に留めておくと、初期のダウンタイム中も焦らず精神的にゆとりを持って過ごすことができます。
施術事例【女性 裏ハムラ法の一般的なダウンタイム軽度の経過】

裏ハムラ法を受けた後のダウンタイムの経過を、日数ごとに分かりやすくご紹介いたします。※回復のスピードには個人差がございますが、腫れや内出血が軽度で、術後2日目から仕事復帰できた標準的な症例としてご参考になさってください。
手術前・手術直後テープ
裏ハムラ法はまぶたの裏側(結膜側)からアプローチするため、皮膚の表面に傷跡が残る心配はありません。術後は腫れや内出血を最小限に抑える目的で、目元に固定用テープを貼ります。直後は麻酔が効いている影響もあり、まぶたに重みやつっぱり感を覚えることがあります。

手術翌日
翌日は腫れのピークを迎えることが多く、目元にむくみが生じやすい時期です。無理をせず安静に過ごし、目元を適度にクーリング(冷却)することで腫れの引きを早めることができます。この日はご予定を入れず、ご自宅でゆっくり過ごされることをおすすめします。

3日目
大きな腫れが落ち着きはじめ、内出血の色味も徐々に薄くなっていきます。近所への買い出しや短時間の外出程度であれば、周囲の目を気にせず過ごせるレベルまで回復します。術後の経過に不安を感じていた方も、この頃になると安心していただけるケースが多いです。

7日目(1週間)
術後1週間が経つと、多くの方でダウンタイムがひと段落します。わずかに腫れや内出血が残っていたとしてもごく軽微なため、他人に気づかれる心配はほとんどありません。お仕事や日常の活動にも支障なくお戻りいただけます。なお、こちらの患者様は術後1週間目より目元のメイクを再開されています。

施術1週間の経過【治療前・翌日・3日後・1週間後】

Dr.三沢
裏ハムラ法は皮膚表面を切開しないため、比較的ダウンタイムが軽度で済みやすい施術です。手術翌日こそ安静が必要ですが、2日目以降からは問題なくお仕事へ復帰される方が多くいらっしゃいます。1週間ほど経過すれば自然な目元に仕上がり、周囲に施術が知られることもほとんどありません。
【裏ハムラ法のダウンタイム 1週間の経過写真】翌日は安静に2日目から仕事復帰
よくあるご質問
クマ取り手術はメイク・コンタクト・まつエクなどはどうしたらいいですか?
当日は感染予防と全身状態の観察のため、日焼け止めも含め完全なノーメイクでお越しください。術後は目もと以外のメイクであれば翌日以降から可能ですが、アイメイクは傷口の安静のため約1週間控える必要があります。また、結膜側を処置するため、コンタクトレンズの装着は術後1週間から10日ほど禁止となりますので、必ず度数の合ったメガネをご持参ください。まつ毛エクステは術前に外しておくのが理想的で、再開は組織が落ち着く術後1ヶ月以降が目安です。
手術前の食事・飲酒・睡眠など制限はありますか?
静脈麻酔を用いる場合、胃内容物の逆流による窒息や誤嚥性肺炎を防ぐため、手術の6時間前からの絶食、2時間前からの絶水が必須となります。アルコールは血管を広げて術中の出血を増やし、術後の腫れや内出血を悪化させるため、前日はもちろん可能であれば3日前から断ち、術後も1週間は禁酒を守ってください。また、睡眠不足は血圧の上昇を招いて出血しやすくなるだけでなく痛覚も過敏にするため、前夜は最低でも7時間以上のまとまった睡眠を確保しましょう。
クマ取り手術に向けて忘れてはいけない持ち物は?
術後の目もとの腫れや内出血、固定テープを隠すため、「ツバの広い帽子」「フレームが太めのメガネやサングラス」「不織布マスク」の3点は必ずご持参ください。手術当日はコンタクトレンズを着用できませんので、移動用のメガネと、万が一に備えたレンズケースも必要です。その他、診察券や同意書、身の回りの貴重品をまとめ、帰宅時に麻酔の影響でふらついても安全に行動できるよう、両手が自由に空くリュックサックやショルダーバッグでお越しいただくのが最適です。
クマ取り手術後に気をつけることはありますか?
術後2〜3日間は、頭部への血液の鬱滞を防ぐため、枕を高くして上体をやや起こした姿勢でお休みください。術後1週間は血圧を上げる長風呂、サウナ、激しい運動、飲酒を避け、入浴はぬるめのシャワーで済ませましょう。重い荷物の持ち上げや目もとを強くこする行為、下まぶたを引っ張る動作も組織の固定を乱すため厳禁です。術後48時間は保冷剤をタオルで包み、下まぶたの下方を優しく冷やすことで、血管が収縮し初期の腫れや内出血を大幅に抑えられます。
まとめ
目の下のクマ取り手術は、単に疲れた印象を取り払うだけでなく、目もとの若々しいハリとご自身の自信を取り戻すための非常に価値の高い医療アプローチです。下まぶたの皮膚を切らずに脂肪を再配置する裏ハムラ法をはじめ、現代の美容外科・形成外科の技術は長足の進歩を遂げており、適切な術式を選択すれば極めて自然で持続性の高い改善が期待できます。
しかし、どれほど熟練した専門医が卓越した技術で手術を執刀したとしても、患者様ご自身による術前の適切な準備と、当日の正しいルール遵守が伴わなければ、最善の結果を得ることはできません。
- 前日
禁酒・減塩・十分な睡眠を徹底し、内出血を起こしにくい健やかな体内環境を整えておくこと。
- 当日
指定された絶飲食の制限時間を厳格に守り、ノーメイク・メガネ着用で清潔かつ安全にクリニックへ向かうこと。
- 手術前
座位での精密なデザインを通じて、医師と目指すべき理想のゴールを正確に共有すること。
- 術後
血流を上げない安静な生活を維持し、指定された検診スケジュールを守って組織の治癒を正しく見守ること。
手術に対する恐怖や不安の根源は、工程が見えない「未知」にあります。クマ取り手術の全体像と前日・当日の詳細な流れをあらかじめ把握し、確固たる準備を整えて手術に臨むことこそが、精神的な平穏をもたらし、ダウンタイムを最小限に抑え、最も美しい仕上がりへと導く確実な道筋です。
鏡を見るたびにため息をつく日々から抜け出し、明るく晴れやかな目もとでこれからの人生を楽しむために、まずは当日の流れをしっかりイメージし、入念な準備を整えた上で、信頼できる専門医のもとへと一歩を踏み出してください。
美しい結果は、医師の技術と患者様の丁寧な術前・術後ケアの「共同作業」によって生まれます。事前の準備を一つひとつクリアしていくこと自体が、理想の目もとを手に入れるための大切な第一歩です。