これまで目の下のクマ取り、たるみ解消の手術として、表ハムラ法と裏ハムラ法の違い、脱脂術の違いなどをご紹介してきました。
目の下のクマ・たるみの治療法として、ご存知の方が増えてきている2つのハムラ法について、クマ・たるみ・膨らみ・シワ、それぞれどちらを選んだ方が良いのか、症状別の比較や対象年齢を比較しながら、症例もご紹介します。
今回は、目の下の施術をお考えの方に、表ハムラ法・裏ハムラ法のどちらの治療法が適応か詳しく解説いたします。
目元の症状に適した各治療・手術 表ハムラ法・裏ハムラ法の違い
目の下のクマ・たるみに対する革新的な治療法としてのハムラ法ですが、皮膚を表側から切開する表ハムラ法、まぶたの裏側から脂肪を移動するという皮膚を切らない裏ハムラ法の2つに分かれ、それぞれの違いや脂肪を取る脱脂術との違いも解説してきました。
目の下の膨らみを影に移動して形を整える点はハムラ法においては共通していますが、表ハムラ法は同時に、眼輪筋の吊り上げ固定をし、皮膚切除、ほうれい線が深い場合にはミッドフェイスリフトを追加して頬の引き上げを行うことが可能です。
裏ハムラ法は術後患部を冷やすことで、皮膚を切らないため、ほぼダウンタイムがない治療として、幅広い年齢層の目の下の治療に向いています。
皮膚切開を行う表ハムラ法でたるみ取り・膨らみを改善
表ハムラ法とは?
表ハムラ法は、上記イラストのようにまつ毛の生えぎわの皮膚を切開し、たるみの原因である眼窩脂肪の膨らみを下に移動させます。
たるんだ皮膚に張りを出すため、切開した眼輪筋を吊り上げます。最後に余った皮膚を切除し、縫合して終了です。
日本では、表ハムラ法の治療の歴史が長いため、全体の手術件数は、裏ハムラ法の手術件数よりも多い可能性があります。
切開しない裏ハムラ法で目元の膨らみとくぼみを解消
裏ハムラ法とは?
裏ハムラ法は、上記イラストのように下まぶたをひっくり返して、まぶたの裏側である結膜を切開します。
眼窩脂肪を骨膜上に移動してバランスよく眼窩脂肪の再配置を行い、結膜を閉じて縫合して終了です。
裏ハムラ法での施術は、目の上と目の下のくぼみ目にならないのが特徴です。
皮膚を切らないためダウンタイムが少なくて、自然な仕上がりとなるため、最近では目の下の治療に裏ハムラ法を選択する機会が増えてきました。
Dr.三沢
技術的に、裏側からの小さな視野で行うため難しい治療法ではあるのですが、結果がよく、裏ハムラ法は目の下のアプローチに非常に良い治療法だと考えています。
目の下の症状に対するアプローチ比較
表ハムラ法と裏ハムラ法、以下のそれぞれの症状によって、どちらが適応か、どちらがより向いている治療法なのか、比較してみます。
皮膚のゆるみ
表面の皮膚と裏に張り付いている眼輪筋という薄い筋肉のゆるみ、主に加齢によって起こる皮膚のゆるみは、表ハムラ法によって皮膚を切除して取り除くことで対応できます。
皮膚のゆるみは、皮膚を切らない裏ハムラ法では対応ができません。
目の下の膨らみを作っている眼窩脂肪の移動だけでは、綺麗な目元にならないと判断した場合は、皮膚を切って取り除く表ハムラ法が適応となります。
目の下のクマの色
血行不良による青クマ、くすみによる茶クマ、たるみなどの影ができる黒くまなど、目の下のクマの色については、表ハムラ法の方が裏ハムラ法より薄く見えることがあると言われています。
ですが、結果的には、両者に大きな差は見られません。
目の下の膨らみ・涙袋の形
20〜40代くらいの比較的若い世代であれば、膨らみの原因は眼窩脂肪の突出によることが多いため、表ハムラ法での治療のメリットがほとんどないため、裏ハムラ法がおすすめです。
50〜60代以上の皮膚のゆるみも伴う場合は、表ハムラ法がおすすめとなりますが、涙袋の構成成分である皮膚と眼輪筋を切開するため、個人差がありますが、もともとあった涙袋がなくなった、涙袋が自然ではなくなったと感じる場合があります。
涙袋の形を気にされる場合は、皮膚のゆるみがある方であっても涙袋に処置をしない裏ハムラ法が適応となります。
目の下のシワ
たるみと共に気になる目の下のシワについて、細かい小ジワは取れないこともありますが、表ハムラ法の方が向いています。
こちらも個人差があり、表ハムラ法でもシワが増えることはありますが、術後1年くらいでようやくシワの状態がわかってきますので、早期には判断できません。
40代くらいまでの方であればあまり気にならないことが多いですが、裏ハムラ法の方がシワが増えやすい傾向にあると言えます。
その可能性はありますが、裏ハムラ法の術後のシワ増加の可能性と、表ハムラ法の術後の涙袋の形が変わる可能性、どちらのリスクを許容されるか比較して決めることもあります。
頬の引き上げ
目の下のさらに下の頬のたるみは、50〜60代と加齢によって、より気になってくる方も多い箇所です。
目の下のたるみ治療と一緒にミッドフェイスリフトと呼ばれる治療を併用することで、広い範囲で頬を引き上げることが可能です。
表ハムラ法の治療であれば、ミッドフェイスリフトとの併用が可能です。
当院の施術事例もありますので、症例もご覧ください。
ダウンタイム・術後の痛み・経過・リスク
皮膚を切る表ハムラ法は約2週間ほどのダウンタイムを覚悟する必要がありダウンタイムが長く、対して、裏ハムラ法は術後3日間にわたって患部をよく冷やすことで、ダウンタイムがほとんどない事例もあります。
当院の裏ハムラ法での術後、ダウンタイムがほぼなかった事例もご覧ください。
麻酔を行うため術後の痛みはどちらもほとんど大差がなく、術後の経過についても両者にほぼ差はありません。
術後のリスクについて、表ハムラ法は、下まぶたがあっかんべーの状態になってしまう外反のリスクがあり、高齢になるほど起こりやすい傾向にあります。裏ハムラ法は、外反のリスクはほぼありません。
下まぶたが少し下に引っ張られて白目が出がちになる三白眼について、こちらも表ハムラ法は組織の収縮によってなりやすい傾向にあり、対して、裏ハムラ法では、ほぼなりません。
20代・30代・40代・50代・60代 年齢別の推奨
加齢とともに皮膚のゆるみ・たるみが多くなる50代・60代は、皮膚を切開する表ハムラ法が推奨となります。
Dr.三沢
皮膚を切らない裏ハムラ法は全年齢での手術が推奨となりますが、特に60代の皮膚のたるみが多い方であれば、皮膚を切除する表ハムラ法が良い場合もあります。
詳しくは、専門医によるカウンセリングで判断します。
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表ハムラ法
20代・・・▲
30代・・・▲
40代・・・▲ ※個人差あり
50代・・・○
60代・・・○
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裏ハムラ法
20代・・・○
30代・・・○
40代・・・○
50代・・・○
60代・・・▲ ※個人差あり
表ハムラの症例・画像による比較
推奨年齢50〜60代、皮膚・筋肉のゆるみ・たるみが多い方、涙袋の形などあまり気にならないという方の表ハムラ法 手術事例です。
50代/女性 ハムラ法 下眼瞼(したまぶた)のたるみ取りで解消
1.眼窩脂肪の処理を行い、2.眼輪筋弁の吊り上げで外反の予防、3.筋肉の緩みを解消させて余った部分の皮膚を切除、以上の3工程をしっかりと行いました。
【ハムラ法】-下眼瞼(したまぶた)のたるみ取り
50代/女性 目の下のたるみ取り【ハムラ法】+ミッドフェイスリフトで頬の引き上げ
1.ゴルゴライン、2.目袋・クマ、3.ほうれい線の老化現象の方に、目の下のクマ・たるみに対してはハムラ法を行い、頬脂肪体の挙上にはスレッドリフトを使用してミッドフェイスリフトを行いました。
目の下のたるみ取り【ハムラ法】+ミッドフェイスリフト
60代/女性 ハムラ法+眉下切開法で目の上と目の下の治療
目の上は偽性眼瞼下垂のため眉下切開法、目の下は下まぶた~ほうれい線にかけて皮膚のゆるみがある方のため、脱脂+脂肪注入、裏ハムラよりも最適な方法であると考え、ハムラ法で施術しました。
60代/女性 ハムラ法+眉下切開法
60代/女性 ハムラ法(経皮的眼窩脂肪移動術)ですっきりとした下まぶたへ
1.皮膚のたるみ・シワ、2.筋肉(眼輪筋)・靭帯の緩み、3.眼窩脂肪の突出などによることから、下まぶた〜鼻側(内側)〜頬骨(外側)にかけて陥凹変形が形成された60代の方のため、表側から目の下の皮膚や筋肉などを処理することで、すっきりとした下まぶたとなりました。
60代/女性 ハムラ法(経皮的眼窩脂肪移動術)行いました。
表ハムラの料金(値段)
下まぶたのたるみ取り(ハムラ法) ¥605,000(税込)
下まぶたのたるみ取り(ハムラ法)+ミッドフェイスリフト ¥715,000(税込)
裏ハムラの症例・画像による比較
全年齢推奨、皮膚のたるみがあまりなく皮膚の引き上げが必要がない、膨らみを整えることで自然な目の下になる裏ハムラ法 手術事例です。
30代/女性 裏ハムラ法【経結膜的眼窩脂肪移動術】ダウンタイムがほぼない
皮膚のたるみもなく、頬の位置も高く、ほうれい線も深くない30代の方で、目の下のクマの原因は出っ張りである眼窩脂肪でした。
2種類のレーザー治療を使用して可能な限り出血をコントロールして行い、ダウンタイム・内出血・腫れがほとんどない事例です。
30代/女性【裏ハムラ】経結膜的眼窩脂肪移動術
40代/女性 裏ハムラ法 内側・中央・外側の3つの眼窩脂肪を治療
目の下の内側–中央–外側、3つに分かれる眼窩脂肪において、裏ハムラ法により内側・中央を移動、外側が『ポコっ』て出ているため適量を摘出。
眼窩脂肪の移動は凹みを改善するために行いました。
40代/女性 【裏ハムラ】経結膜的眼窩脂肪移動術行いました。
50代/女性 裏ハムラ法で目の下のクマ/眼窩脂肪の膨らみを改善
50代女性で目の下の膨らみがあり、皮膚や筋肉の緩みが少ない方でした。
脱脂術のみでは脂肪を取るため目の下が凹みますが、裏ハムラでは脂肪は取らないので目の下が凹みません。目の下の仕上がりが自然なのが特徴です。
50代/女性 裏ハムラ法【経結膜的眼窩脂肪移動術】
60代/女性 裏ハムラ法 皮膚を切らない・ダウンタイムが少ない膨らみ改善を希望
1.皮膚のたるみ、2.皮膚のシワ、3.筋肉の弛み、4.靭帯の弛み、5.ほうれい線の深さなど、60代はどれかが存在するため改善するには皮膚切除を行う必要があります。
ですが、皮膚を切らない、ダウンタイムが少ない、膨らみを改善したいというご本人の強い思いから裏ハムラ法を選択し、膨らみはなくなり、笑った時も涙袋が形成されて良い状態となりました。
60代/女性 裏ハムラ(経結膜的眼窩脂肪移動術)行いました。
裏ハムラの料金(値段)
裏ハムラ法(経結膜的眼窩脂肪移動術) ¥495,000(税込)
まとめ
- 50〜60代の加齢により、クマ・たるみ・シワが多く、頬の引き上げが必要な方は、表側から切開を行う表ハムラ法が推奨です。
- 20代〜50代の目の下のクマ・膨らみの改善には、ダウンタイムが少ない裏側から皮膚を切らない裏ハムラ法が推奨です。60代以上でもたるみが少ない方や皮膚を切らないダウンタイムを気にされる場合は、裏ハムラで治療を行うこともあります。