
目の下のクマ治療は、疲れて暗く見える印象から顔全体を明るい印象に改善するために行われる美容医療の一つです。この治療はクマの種類によって異なる治療方法が取られます。
主な治療法としては、ヒアルロン酸注入、脂肪注入(脂肪移植)、裏ハムラ法などがあり、それぞれに異なる痛みの度合いがあります。以下、それぞれの治療方法における痛みの特徴と痛みを軽減する麻酔について解説します。
目の下のクマ治療の痛みについて

目の下のクマ治療は、目元の印象を明るくし、若々しい外見を取り戻すための有効な施術ですが、治療が手術を伴う場合、痛みへの不安を抱く方も少なくありません。
こうした不安を解消するためには、痛みがどのように発生するか、その緩和法を事前に理解することが大切です。
各治療における痛み、痛みを軽減するための麻酔技術や対処法、手術中および術後のダウンタイム中に予想される痛みについて、それぞれご紹介します。
目の下のクマ治療 施術中の痛み

目の下のクマ治療において、手術中の痛みはほとんどの場合、麻酔により抑えられています。局所麻酔と併せて笑気麻酔や静脈麻酔を使用することで、患者の緊張が和らぎ、治療中の痛みや不快感がさらに軽減されます。
局所麻酔とは?
手術する特定の部分や神経に注射して、意識を保ったまま、限定的にその部分の痛みを麻痺させる麻酔です。
笑気麻酔とは?
医療用ガスの一種である亜酸化窒素(別名が笑気)と医療用酸素を用いた、意識を保ったままリラックスした状態にできる全身麻酔です。
静脈麻酔とは?
静脈内に点滴で麻酔薬を注入し、眠気を誘い、痛みを和らげる麻酔法です。眠ってるけど意識はある状態で痛みは感じません。
手術中に軽い圧迫感や不快感を覚えることがあっても、静脈麻酔を使用することでほぼ痛みを感じることなく、リラックスした状態で治療を受けることができます。麻酔により、ほとんどの患者が手術中の痛みを感じることなく、安全に施術を完了することができるというのは、治療を検討する上で安心できるポイントです。
治療の際には、痛みをできるだけ軽減するための対策が取られます。主に注射による麻酔が用いられますが、痛みの感じ方は個人差が大きいため、痛みが不安な場合は医師に相談して、痛みに配慮した治療方法や麻酔を選ぶことが可能です。
1. ヒアルロン酸注入

ヒアルロン酸注入とは?
肌の潤いとハリを維持する天然成分であるヒアルロン酸を注入し、目の下のクマ・くぼみ・しわの改善を図り、1年間ほどの持続期間である短期的な治療です。
施術前に麻酔クリームや麻酔注射が行われるため、痛みは最小限に抑えられます。針を使用するため、注射部位に一時的なチクッとした痛みを感じることがありますが、多くの場合は耐えられる程度です。
施術後は腫れや内出血が出ることがありますが、数日で自然に消えます。
2. 脂肪移植・脂肪注入

脂肪注入とは?
太ももやお腹から採取した自分の脂肪を目の下に注入する方法で、ボリュームが不足している目の下のクマ・たるみ・凹み・くぼみを改善します。
この方法は、採取する部位と注入する部位の両方に痛みを伴う可能性がありますが、麻酔が行われるため、術中は大きな痛みを感じることはありません。
ただし、施術後は腫れや痛みが出る場合があり、回復までに数日から数週間かかることがあります。
3. 裏ハムラ法

裏ハムラ法とは?
皮膚を切らずに、下まぶたの内側から脂肪を再配置することで、目の下のクマ・くぼみ・影を改善する手術です。自然な仕上がりを求める方に人気の高い治療法で、まぶたの内側(結膜側)から脂肪を再配置するため、外から見える傷が残らず、長期的な効果が得られます。
稀に手術後に一時的な痛みや腫れが発生することがあります。以下のように、術後の経過に応じて痛みの程度が変わります。
- 麻酔が切れた直後の鈍痛:手術直後は局所麻酔や鎮静剤により痛みを感じませんが、数時間後に麻酔が切れると、鈍い痛みや圧迫感を覚えることがあります。
- 腫れによる違和感:術後2~3日は腫れがピークに達し、目の周りに引っ張られるような感覚や軽い痛みが伴います。この痛みは腫れが引くに従って徐々に軽減します。
- 回復期の違和感:1週間が過ぎると目立った腫れや痛みは軽減しますが、1ヶ月程度は軽い鈍痛や突っ張り感が残る場合もあります。
Dr.三沢
裏ハムラ法により再配置した脂肪によって、目元の自然な若々しさが得られます。皮膚を切らない外部からの刺激を減らす方法で行われ、痛みを感じにくい施術です。
術中の痛みを軽減するための麻酔技術と対処法

目の下のクマ治療では、痛みを最小限に抑えるために、前述しました笑気麻酔や静脈麻酔などが活用されています。
これらの麻酔は痛みを感じにくくし、リラックスした状態で治療を受けられるようにする効果があり、特に痛みに敏感な方や手術に不安を抱く方にとって安心材料となります。
笑気麻酔の特徴と効果
笑気麻酔は、酸素と亜酸化窒素を混ぜたガスを吸入することで、軽い鎮静状態を作り出す麻酔法です。
痛みの知覚を鈍らせる効果があり、治療中の不安感を軽減することができます。吸入を止めると短時間で効果が切れるため、治療後にすぐに意識がはっきりとし、比較的早く日常生活に戻ることができるのが特徴です。
静脈麻酔の特徴と効果
静脈麻酔は、点滴によって体内に麻酔薬を投与し、意識をほぼ完全に消失させる方法です。
静脈麻酔を使用することで、治療中に痛みを感じないだけでなく、手術の記憶も残りにくくなります。このため、痛みに敏感な方や恐怖心が強い方には特に適しています。また、静脈麻酔によって患者がリラックスした状態でいることで、医師もよりスムーズに治療を行うことが可能です。
目の下のクマ治療後(ダウンタイム)の痛みはいつまで?

クマ治療後のダウンタイムには、腫れや軽い痛みが伴うことがありますが、一般的には約1〜2週間程度で回復します。
治療直後から数日間は痛みが強く感じられることもありますが、その後、徐々に痛みや腫れが和らいでいきます。
ダウンタイム初期(手術後3日以内)
手術直後から3日間は、麻酔が切れ始めるため、鈍い痛みや圧迫感が現れる時期です。
この期間中、腫れが強く感じられる場合も多いため、医師から処方された鎮痛剤を使用しながら冷却ケアを行うと、痛みや腫れが和らぎやすくなります。特に術後1~2日は、できるだけ目を休ませ、刺激を避けることが重要です。
ダウンタイム中期(手術後4日〜1週間)
この時期になると、痛みや腫れは徐々に落ち着き、軽い鈍痛や突っ張り感が残る程度になります。
皮膚が伸びたような感覚がある場合もありますが、冷却を継続しながら安静にして過ごすことで、日ごとに痛みが軽減されていきます。まぶた周辺の負担を減らすために、無理に表情を動かさないこともポイントです。
ダウンタイム後期(手術後1〜2週間以降)

術後1〜2週間が経過すると、ほとんどの痛みや腫れが収まり、日常生活に支障なく戻れる状態になります。
完全に痛みや腫れが取れるまでは1ヶ月ほどかかることもありますが、その間は医師の指示に従い、保湿や紫外線対策を徹底して、患部を適切にケアすることが大切です。
術後の痛みと腫れの対策

施術後の痛みや腫れを和らげ、スムーズに回復するためには、以下の対策が有効です。
方法 |
効果 |
鎮痛剤の使用 |
医師から処方される鎮痛剤を指示に従って服用することで、術後の鈍痛を緩和できます。術後1~2日目は特に鈍痛を感じやすいため、定期的に服用することで痛みをコントロールしやすくなります。 |
冷却による腫れの軽減 |
術後の腫れや炎症を抑えるため、短時間(10〜15分)のアイスパック冷却が効果的です。ただし、冷やしすぎには注意が必要(術後72時間が限度)ですので、適度な冷却を心がけてください。 |
安静と目の休息 |
術後の目元はデリケートな状態にあるため、長時間の読書やスマートフォン・PCの使用など目の酷使は控え、目を休めることが大切です。こうしたケアにより、腫れや痛みが早期に治まります。 |
痛みの軽減方法と医師への相談

裏ハムラ法は比較的痛みが少ないとされていますが、痛みの感じ方には個人差があり、不安がある方は事前に医師としっかり相談することが大切です。
手術前に鎮痛剤の使用方法や追加の鎮静処置について確認しておくと、術後も安心して過ごせます。また、術後の具体的なケア方法を医師から指示を受けることで、ダウンタイム中の不安を軽減し、スムーズな回復をサポートできます。
施術事例 局所麻酔で裏ハムラ法・術中は痛みなし



男性の目の下のクマ取りは、最近では珍しくありません。男性も目の下のクマがあると暗く見えてしまったり、睨みつけているような、怒っているような顔の印象となります。
30代男性の目の下のクマ(膨らみ)に対して、裏ハムラ法による施術を行い、術後の凹凸感をなくし、再発の予防も行いました。
Dr.三沢
静脈麻酔で治療を受ける方もいますが、この方は局所麻酔で行い、術中はとくに痛みもなく無事手術を終えました。目の下のクマの原因となっている眼窩脂肪の膨らみは完全になくなって、顔の印象がすっかりと明るく変わりました。
裏ハムラ法で男性の目の下のクマ・膨らみ改善/局所麻酔で行い、再発も予防
よくあるご質問
クマ取り後に笑うと痛いことはありますか?
クマ取り手術後、術後1~2週間は笑ったり顔の表情を大きく変えたりすると、稀に軽い痛みを感じることがあります。これは、まだ組織が完全に回復していない状態で表情筋を動かすと、患部に負荷がかかり、痛みや圧迫感が生じやすくなるためです。
笑顔を作る動きも、時間が経つと共に自然と痛みがなくなっていくため、無理をせず、安静にすることがポイントです。通常、1ヶ月が経過すると表情による痛みや違和感は消え、自然な表情が可能になります。
まとめ【目の下のクマ取りの痛み・麻酔】
- 目の下のクマ治療は、笑気麻酔や静脈麻酔の活用により、治療中の痛みや不安を和らげながらほぼ痛みがなく進められ、痛みに敏感な方も安心して施術を受けることができます。術後のダウンタイム中の痛みや腫れも、鎮痛剤や冷却ケア、安静に過ごすことで1~2週間後には多くの人が通常の日常生活に戻れます。
- 裏ハムラ法によるクマ取りであれば、皮膚を切らないので、術中・術後の痛みはほとんどなく改善することも可能です。治療への不安がある場合は、事前に医師に相談し、最適な麻酔方法や術後ケアの方法を確認しておくと、安心して施術に臨むことができます。