
鏡を見たとき、「なんだか最近疲れて見える」「実年齢より老けて見える気がする」と感じたことはありませんか?その印象の大きな原因となっているのが、目の下にできた「たるみ」や「クマ」です。
特に30代から60代にかけては、加齢や生活習慣の影響によって目元の変化が顕著に現れやすい時期でもあります。自己流のマッサージや高価なアイクリームを試してみたものの、なかなか効果を実感できずに悩んでいる方も少なくないでしょう。
ひと昔前は「目の下のたるみ治療=皮膚を切開する手術」というイメージが強く、傷痕や長いダウンタイムへの不安から施術を諦めてしまうケースが多く見られました。しかし、近年の美容外科医療の進化により、メスを使って皮膚を切ることなく、切らない方法で目元の印象を劇的に改善できる治療法が主流となっています。
今回の記事では、切らない目の下のたるみ取りの基礎知識、クマ取りとの決定的な違い、代表的な4つの施術法(ヒアルロン酸注入、HIFU、脱脂術+脂肪注入、裏ハムラ法)の特徴やメリット・デメリットを分かりやすく解説します。
正しい知識を身につけ、ご自身の症状やご希望に合った最適な治療法を見つける第一歩として、ぜひ最後まで参考にしてください。
目の下の皮膚は体の中で最も薄く、わずか0.5mmほどの厚みしかありません。非常に繊細でデリケートな部位だからこそ、原因を見極めずに間違った自己流ケア(強いマッサージなど)を続けると、かえって摩擦による色素沈着やたるみを悪化させることがあります。まずは専門医による正しい診断を受けることが大切です。
目の下のたるみ取りとは?

目の下のたるみ取りとは?
目の下のたるみ取りとは、加齢や筋肉の衰えによって目元に生じた膨らみ、段差、皮膚のドレープ(たるみ)を改善し、若々しく滑らかな目元を取り戻すための美容医療治療です。
目の下のたるが発生するメカニズム
なぜ目の下にたるみができてしまうのでしょうか。その背景には、眼球の周りに存在する構造上の変化が深く関係しています。
- 眼窩脂肪(がんかしぼう)の突出
眼球の周りは「眼窩脂肪」というクッションのようなクッション材で守られています。若い頃は「眼輪筋(がんりんきん)」と呼ばれる目の周りの筋肉や、「眼窩隔膜(がんかかくまく)」という膜がしっかりとその脂肪を支えています。
- 支持組織の緩みと筋力低下
加齢に伴い、脂肪を支える筋力や膜が徐々に緩んできます。すると、支えきれなくなった眼窩脂肪が前方に押し出され、目元に「ぽっこりとした膨らみ」を作り出します。
- コラーゲン・エラスチンの減少
真皮層にあるコラーゲンやエラスチンが減少して皮膚のハリが失われると、押し出された脂肪の重みに耐えきれなくなり、皮膚ごと下垂して「たるみ」となります。
「切る治療」と「切らない治療」のアプローチの違い
目の下のたるみ治療には、大きく分けて「切開法(切る治療)」と「非切開法(切らない治療)」があります。
切らない治療は、皮膚表面に傷痕を残さず、身体への負担(侵襲)を最小限に抑えながら目元の段差や膨らみをフラットに整えられる点が最大の特徴です。
目の下のたるみは、単に「皮膚が伸びているだけ」ではなく、内部の脂肪の移動と靭帯による引きつれ、骨の吸収が複雑に絡み合って起こります。見た目の皮膚だけを引っ張るのではなく、内部構造の原因に対して適切にアプローチすることが、仕上がりの美しさを大きく左右します。
目の下のたるみが出やすい人の特徴

目の下のたるみは誰にでも起こり得る現象ですが、年齢にかかわらず早いうちから目立ってしまう方や、症状が強く出やすい方が存在します。これには骨格的素因、解剖学的特徴、そして日頃の生活習慣が強く影響しています。
解剖学的・骨格的な特徴
骨格や生まれつきの組織の配置によって、脂肪が前に押し出されやすいタイプが存在します。
- 頬の骨(中顔面)が低い・平らな人
頬の中央部分の骨が平らであると、眼窩脂肪を下から支える土台が弱いため、比較的若い年代(20代〜30代)から脂肪が前に押し出されてたるみが目立ちやすくなります。
- 生まれつき眼窩脂肪が多い人
遺伝的に眼窩脂肪のボリュームが多い方は、筋肉や膜がしっかりしていても脂肪の圧力が高く、前に出てきやすい傾向があります。
- 目が大きい・落ち窪んでいる人
眼窩(目を収めている骨のくぼみ)が広く、目が大きい方は、眼球の重みが脂肪にかかりやすいため、脂肪が前方へ押し出されやすい構造をしています。
生活習慣・環境的要因
日常生活での何気ない癖や環境も、たるみを加速させる大きな要因です。
- 長時間のスマホ・PC作業による眼精疲労
画面を長時間見続けると、目の周りの血流が滞り、眼輪筋が緊張・疲労して筋力が低下しやすくなります。
- 無意識に目をこする癖がある人
アレルギー性鼻炎や花粉症、アトピー性皮膚炎などで日常的に目を強く擦ると、皮膚が伸びるだけでなく、脂肪を止めている眼窩隔膜ダメージを受けて緩んでしまいます。
- 乾燥や紫外線対策の不足
目元の皮膚は非常に薄いため、紫外線や乾燥のダメージをダイレクトに受けます。これによりコラーゲンが破壊され、皮膚の弾力が急速に失われます。
- 大幅なダイエットや過度の体重変動
短期間で急激に体重を落とすと、顔の皮下脂肪が減少して皮ふが余り、風船がしぼんだような状態になってたるみが強調されることがあります。
「まだ若いから大丈夫」と思っていても、骨格的にたるみが目立ちやすい方は20代前半から症状が現れます。遺伝的要因や骨格的要因がある場合は、早めの予防的治療や施術を検討することで、将来的な皮膚の重度な伸びを防ぐことにつながります。
皮膚を切らないクマ取り、たるみ取りの違いは?

一般的に「クマ取り」と「たるみ取り」という言葉は混同されて使われがちですが、医学的視点においてはその原因とアプローチに明確な違いがあります。両者の違いを正確に理解しておくことは、自分に必要な施術を選ぶ上で非常に重要です。
「クマ」の分類とそれぞれの原因
「クマ」とは、目の下が暗く見えたり、色味が変わって見えたりする状態の総称です。主に以下の3種類(またはそれらの複合型)に分類されます。
- 1. 青クマ(血行不良型)
目元の皮膚が薄いため、皮膚の下を通る静脈血が透けて見えている状態です。睡眠不足、冷え、眼精疲労などで血流が滞ると青黒く見えます。皮膚を引っ張ると色が薄くなる特徴があります。
- 2. 茶クマ(色素沈着型)
摩擦や紫外線、メイクの残りなどによって皮膚自体にメラニン色素が沈着した状態です。皮膚を引っ張っても色味が変わりません。
- 3. 黒クマ(影クマ・構造型)
眼窩脂肪が前に出てきたことで「影」ができ、黒っぽく見えている状態です。上を向くと影が薄くなるのが最大の特徴です。
「たるみ」の定義とクマとの関係性
一方、「たるみ」とは、脂肪の突出と皮膚・筋肉の下垂によって物理的な立体変化(凹凸・段差)が生じている状態を指します。
つまり、「黒クマ(影クマ)」の根本的な原因こそが「目の下のたるみ」なのです。
| 区分 |
目的 |
| クマ取りの目的 |
色味の改善、または脂肪による「影」を消すこと。 |
| たるみ取りの目的 |
脂肪の突出や皮膚の段差という「立体的な凹凸」を平坦に整えること。 |
「青クマ」や「茶クマ」に対して脂肪除去を行っても改善は望めません。逆に「黒クマ」に対してレーザーや美白クリームを使っても、影の原因である段差はなくならないため解決しません。
ご自身の目元の悩みが「色の問題」なのか「段差(たるみ)による影の問題」なのかを見極めることが、施術選択の核心となります。
実際のカウンセリングでは、青クマ・茶クマ・黒クマが複雑に混ざり合っている「複合型」の患者様が多数を占めます。たとえば、黒クマ(段差)をたるみ取り施術で解消した上で、残った茶クマ(色素沈着)にトーニングレーザーを行うといった、段階的・複合的なアプローチが最も美しい仕上がりを生み出します。
目の下のたるみ取りはこんな人におすすめ

切らない目の下のたるみ取りは、患者様のライフスタイルや症状の程度に合わせて非常に柔軟に対応できる治療です。具体的には、以下のような悩みをお持ちの方に特に推奨されます。
切らないたるみ取りが向いている方の特徴
- 「疲れてる?」と周りからよく言われる方
しっかりと睡眠をとっているにもかかわらず、目元の影のせいで不機嫌そうに見えたり、疲労感を指摘されたりする方。
- 実年齢よりも老けて見られることが増えた方
目の下の膨らみとその下にある凹み(目頭から斜め下へ伸びるゴルゴライン・涙くぼみ)のギャップが強調され、老けた印象を与えてしまっている方。
- 顔の表面に傷痕を残したくない方
仕事や日常生活の都合上、顔の目立つ場所に傷痕をつくるわけにはいかない方。切らない治療であれば、傷口やまぶたの裏側のみ、あるいは注射痕程度で済みます。
- 長期間の休みが取れず、ダウンタイムを最小限に抑えたい方
連休を取るのが難しく、週末を利用して施術を受けたい方や、翌日からメイクをして出社したい方。
- メイクでクマや凹凸が隠しきれなくなってきた方
コンシーラーやファンデーションを厚塗りしても、立体的な影や段差は隠せません。メイクの時間を短縮したい方にも最適です。
- 「切開手術」に対して強い恐怖心や抵抗感がある方
メスで皮膚を切ることに恐怖を感じている方でも、まぶた裏からのアプローチ(経結膜施術)や注入治療であれば安心して受けることができます。
「まだそこまで重度ではないから…」と施術を先延ばしにする方も多いですが、脂肪の圧力がかかり続けて皮膚が伸びきってしまう前に処置を行う方が、施術後の皮膚の馴染みが良く、切らない施術だけで圧倒的にきれいな仕上がりを得やすくなります。
美容外科 切らない目の下のたるみ取り
ここからは、現在美容外科で広く行われている「切らない目の下のたるみ取り」の代表的な4つの施術法について、それぞれのメカニズム、メリット・デメリット、どのような人に向いているかを詳しく解説します。
注射 ヒアルロン酸注入

概要とメカニズム
ヒアルロン酸注入は、元々人の体内(皮膚や関節など)に存在する保水成分である「ヒアルロン酸」の製剤を、目の下の凹んでいる部分(涙くぼみやゴルゴライン)に注射で注入する治療法です。
脂肪の膨らみそのものを減らすのではなく、膨らみの下にできている「溝・凹み」に充填剤を補うことで、段差を平坦(フラット)にして影を消すというアプローチをとります。
メリット
- 施術時間が非常に短い:カウンセリング後、実際の注入作業は10〜15分程度で完了します。
- ダウンタイムがほぼない:内出血が出なければ、直後から日常復帰が可能です。
- 即効性がある:注入直後から変化を実感できます。
- 修正が可能:万が一仕上がりに満足できない場合でも、「ヒアルロン酸分解酵素(ヒアルロニダーザ)」を注射すれば元に戻すことができます。
デメリット
- 効果が持続期間が限定的:製剤の種類によりますが、半年から1年半程度で体内に徐々に吸収されるため、維持には定期的な注入が必要です。
- チンダル現象のリスク:皮膚の浅い層に細かく注入しすぎると、光の屈折により皮膚が青透明に透けて見える「チンダル現象」が起きることがあります。
- 重度の脂肪突出には不向き:膨らみが大きすぎる場合、凹みに合わせて大量に注入すると顔全体がパンパンに膨らんだ不自然な印象になってしまいます。
おすすめの人
- 脂肪の出っ張りが軽度で、主に「溝の凹み」が目立っている方
- 手軽に試してみたい方、まずはダウンタイムなしで目元の変化を確認したい方
超音波を照射 HIFU(ハイフ)

概要とメカニズム
HIFU(High-Intensity Focused Ultrasound:高密度焦点式超音波)は、肌の表面を傷つけることなく、熱エネルギーをピンポイントで深層の組織に照射する切らないたるみ治療機器です。
目元専用の特殊なカートリッジ(浅い層に届くもの)を使用し、真皮層からコラーゲン生成を促すとともに、脂肪層や筋膜(SMAS層)に熱凝固を引き起こしてギュッと引き締めます。
メリット
- 完全に非侵襲的:針もメスも一切使用せず、機器を肌に当てるだけなので傷痕のリスクがゼロです。
- ダウンタイムが実質ゼロ:施術直後にわずかな赤みが出る程度で、すぐにメイクをして帰宅できます。
- 肌質の改善効果:熱刺激によってコラーゲンやエラスチンの生成が活性化されるため、目元の小ジワ改善やハリ感アップも同時に期待できます。
デメリット
- 大きな脂肪の除去はできない:目立つ脂肪のぽっこりとした出っ張りを劇的に消し去るほどの変化量は期待できません。
- 効果の発現に時間がかかる:照射直後の引き締め感に加え、コラーゲンが再生成される2〜3ヶ月後に効果のピークが訪れます。
- 定期的なメンテナンスが必要:効果の持続は半年前後のため、維持するためには継続的な照射が必要です。
おすすめの人
- 目の下の「初期のたるみ」や「小ジワ・皮膚の緩み」が気になる方
- 注射や針を刺す施術すら抵抗がある方
- 予防医療として目元のハリを維持したい30代の方
眼窩脂肪を除去 脱脂術+脂肪注入

概要とメカニズム
「脱脂術(経結膜脱脂術)」は、あっかんべーをした際に見えるまぶたの裏側の粘膜(結膜)を数ミリ小さくミリ切開し、そこから原因となっている余分な眼窩脂肪を適量取り除く施術です。表側の皮膚を切らないため傷痕は見えません。
しかし、脂肪を減らすだけだと、その下の凹み(くぼみ)が残ってしまったり、脂肪が抜けたことで皮膚にシワや凹みが強調されたりすることがあります。そこで、ご自身の太ももや腹部から採取・抽出した高品質な脂肪細胞を凹み部分に移植する「脂肪注入」をセットで行うのが現代の標準的かつ効果的なアプローチです。
【脱脂術+脂肪注入のステップ】
- まぶた裏の結膜を数ミリ切開
- 前方に押し出された余分な「眼窩脂肪」を丁寧に除去
- 太もも等から採取・濃縮した自己脂肪を凹み部分(涙くぼみ)に緻密に注入
- 脂肪の膨らみと下の凹みが同時に解消され、完全にフラットな目元へ

メリット
- 根本原因を直接除去:たるみの主因である眼窩脂肪そのものを減らすため、圧倒的な変化量と持続性があります。取り除いた脂肪は再生しないため、効果は半永久的です。
- 表側に傷が残らない:結膜側からのアプローチなので、顔の表面には一切傷痕がつきません。
- 自然な仕上がり:自身の脂肪を注入して凹凸を補填するため、滑らかで若々しい目元が手に入ります。
デメリット
- ダウンタイムが存在する:腫れや内出血が1〜2週間程度生じることがあります(メイクでカバー可能)。
- 脂肪採取部位のケアが必要:太ももなど脂肪を採取した部位にも数日間の拘縮や鈍痛が生じます。
- 脂肪の定着率に個人差がある:注入した脂肪の定着率(およそ50〜70%)を見越したデザイン力と医師の高い技術が必要です。
おすすめの人
- 目の下にぽっこりと大きな脂肪の膨らみがある方
- 根本的な解決を望み、一回の施術で半永久的な効果を得たい方
眼窩脂肪を移動 裏ハムラ法

概要とメカニズム
「裏ハムラ法(経結膜ハムラ法)」は、前述の脱脂術と同様にまぶたの裏側(結膜)を切開してアプローチしますが、脂肪を捨てずに再利用する高度な術式です。
出っ張っている眼窩脂肪を切除して捨てるのではなく、そのすぐ下にある凹み(涙くぼみのライン・靭帯の付着部)へと脂肪の位置を移動(再配置)させて固定します。出っ張りを引っ込めると同時に凹みを内側から押し持ち上げるという、「脂肪の引っ越し」を行う画期的な手法です。
メリット
- 他の部位からの脂肪採取が不要:体から脂肪を採る必要がないため、太ももなどのドナー部位の傷痕や痛みが一切ありません。
- 仕上がりが極めて自然で滑らか:自分の組織を茎(血流)がつながった状態で移動させるため、移植脂肪のように吸収される心配がなく、長期的な定着が安定しています。
- 凹凸を同時に一元解決:出っ張りの改善と凹みの凹凸修正を、同一の術野で一気に完結させることができます。
デメリット
- 非常に高度な医師の技術が必要:狭やまぶた裏の視野で脂肪を剥離・固定する工程は難易度が高く、執刀医の熟練度が仕上がりに直結します。
- 脱脂術よりややダウンタイムが長め:組織を剥離する範囲が広いため、腫れや内出血が落ち着くまでに1〜2週間ほどかかる場合があります。
- 脂肪の量が極端に少ない人には不向き:移動させるための十分な脂肪量が存在しない場合、この術式は適応外となります。
おすすめの人
- 脂肪の膨らみと、その直下の強い凹み(くぼみ)の両方に悩んでいる方
- 太ももなどから脂肪を採取することに抵抗がある方
- 技術力の高い専門医のもとで、最も構造的合理性のある治療を受けたい方
どの施術法も一長一短があり、「誰にとってもベストな万能施術」というものは存在しません。脂肪の量、皮膚の弾力、靭帯の強さ、そして患者様が許容できるダウンタイムの期間によって最適な選択肢は全く異なります。解剖学を熟知した形成外科専門医のカウンセリングを受け、ご自身の目元の構造に合った術式を選ぶことが成功への鍵です。
施術事例【50代/女性 皮膚を切らない裏ハムラ法で目の下の膨らみ・たるみを解消】

裏ハムラ法(経結膜的眼窩脂肪移動術)は、一般的には以下の方に適した施術とされています。
- 「1. 眼窩脂肪による膨らみがある」
- 「2. ティアトラフ(ゴルゴ線)の凹みがある」
- 「3. 30〜40代の方」
そのため、皮膚の余りや眼輪筋のたるみが目立ちやすい50代以降の方には、裏ハムラ法ではなく表ハムラ法(経皮的眼窩脂肪移動術)をご提案する場合がありました。しかし、お顔の表面を切開する表ハムラ法を積極的に希望される方はごく少数です。今回の施術を受けられたお客様も、できれば切らない方法を希望されていました。


「とにかく目の下の眼窩脂肪の膨らみ・たるみをどうにかしたい」という強いご要望をいただき、診察したところ、皮膚の伸びや眼輪筋のゆるみはそれほど大きくなかったため、ご希望に沿って裏ハムラ法を適用いたしました。
Dr.三沢
当院の裏ハムラ法は、単に眼窩脂肪を移動させるだけでなく、ティアトラフ靱帯の解除と、眼窩隔膜を用いた「オーバーラップタイトニング(再発予防の補強)」を同時に行っております。その結果、目元の膨らみ・たるみはすっきりと改善し、ティアトラフと呼ばれる目の下の深い凹みラインもきれいに消えました。
なお、ティアトラフ靱帯をしっかりと解除するため、術後1〜3日ほどはダウンタイムとして腫れが生じます。これは靭帯の処理を適切に行えている証拠でもあり、時間が経つにつれて落ち着いてまいります。
【裏ハムラ法で靱帯解除】目の下の線ティアトラフは消失
よくあるご質問
目の下のたるみが日によって目立ったり目立たなかったりしますが、何から始めたらいいですか?
日によって目立ち方が異なる場合、その主な原因は水分代謝による「むくみ」や「眼精疲労」が一時的に重なっている可能性が高いと考えられます。塩分の取りすぎや睡眠不足の翌朝は、顔全体の血流やリンパの流れが滞り、目元の膨らみが強調されやすくなります。
まずはご自身の生活習慣を見直し、十分な睡眠時間の確保、塩分の控えめな食事、長時間のスマホ操作を控えるといったセルフケアを徹底することから始めてみてください。
ただし、日によって変動するとはいえ「目立つ日がある」ということは、背景に眼窩脂肪の突出や組織の緩みが潜在的に存在しているサインでもあります。セルフケアを続けても変化がない場合や、目立つ頻度が増えてきたと感じる場合は、一度美容外科や形成外科のカウンセリングを受け、ご自身の目元がどのような状態にあるのか専門家による評価を受けることをお勧めします。
気になる目の下のブヨブヨを治す方法もたるみ取りと同じですか?
はい、目の下の「ブヨブヨ」とした感触の正体は、押し出された眼窩脂肪ですので、治療アプローチは基本的に目の下のたるみ取りと全く同じになります。
指で触ると柔らかくブヨブヨと動く感覚がある場合、それは加齢や筋力低下によって眼窩脂肪が前方に飛び出している証拠です。このブヨブヨ感を根本的に解消するためには、自力でのマッサージや化粧品では限界があります。
医療機関において、まぶたの裏側から脂肪を取り除く「脱脂術」を行うか、脂肪を凹んでいる場所に移動させる「裏ハムラ法」を行うことで、ブヨブヨとした膨らみを劇的に解消し、フラットで引き締まった目元を取り戻すことが可能です。
クマ取りたるみ取りは原因が同じなので、治療も同じと思っていいですか?
クマ取りとたるみ取りは必ずしも「同じ治療」とは限りません。
確かに「黒クマ(影クマ)」と呼ばれる状態に関しては、目の下のたるみ(脂肪の膨らみ)が原因で影ができているため、たるみ取りの治療(脱脂術や裏ハムラ法など)を行うことで同時に解決します。
しかし、クマの原因が皮膚の血行不良による「青クマ」である場合は、血流改善や注入治療がメインとなりますし、メラニン色素の沈着による「茶クマ」である場合は、レーザー照射や外用薬(ハイドロキノンなど)による皮膚の治療が必要となります。
「クマ」という言葉が指す範囲の中に「たるみによる影」が含まれているという関係性であるため、「茶クマ」に脂肪除去を行っても改善せず、「黒クマ」に美容液を使っても段差はなくならない点に注意が必要です。ご自身のクマのタイプがどれに該当するかによって選ぶべき治療法は大きく変わってきます。
目の下のたるみ取りのダウンタイムはどれくらいですか?
切らない目の下のたるみ取り施術におけるダウンタイムの期間は、採用する施術方法によって大きく異なります。
まず、ヒアルロン酸注入やHIFU(ハイフ)といった非侵襲的な施術の場合、ダウンタイムはほとんどありません。注射部位のわずかな赤みや針痕が1〜2日程度残ることがありますが、直後からメイクで隠せるレベルであり、日常生活への影響は最小限です。
一方、まぶたの裏側から手術を行う「脱脂術+脂肪注入」や「裏ハムラ法」の場合、主なダウンタイムの症状として「内出血」と「腫れ」が生じます。腫れのピークは施術直後から3日目あたりまで続き、その後1週間程度かけて徐々に落ち着いていきます。内出血が出た場合は、黄色から紫色の影が1〜2週間ほどかけて消退していきます。
いずれの切らない手術においても、表面の皮膚を切開しないため抜糸の必要がなく、術後翌日〜数日後からはメイクやコンシーラーが可能になりますので、お仕事を長期間休めない方でも週末などを利用して受けられるケースが非常に増えています。
まとめ
目の下のたるみやクマは、お顔全体の印象を暗く、疲れて見せてしまう大きな原因となります。しかし、適切なアプローチを行えば、決して解決できない悩みではありません。
本記事で解説した重要ポイントを改めて整理しておきましょう。
- 原因の把握:目の下のたるみの主因は、加齢や骨格的素因によって前方に押し出された「眼窩脂肪」と、それを支える組織の緩みにある。
- クマとの違い:影によって生じる「黒クマ」の正体こそがたるみであり、血行不良(青クマ)や色素沈着(茶クマ)とは治療法が異なる。
- 切らない選択肢:現代の美容外科では、皮膚表面を切ることなく、以下の4つのような多様な切らない施術から最適な選択が可能。
1. ヒアルロン酸注入(手軽に溝を埋める)
2. HIFU(熱エネルギーで肌を引き締める)
3. 脱脂術+脂肪注入(脂肪を減らして凹みを補う・半永久的)
4. 裏ハムラ法(脂肪を捨てずに凹みへ移動・再配置する)
「メスを使って皮膚を切るのが怖い」「仕事を休めないから傷痕やダウンタイムが心配」と不安に思っていた方にとっても、切らない目の下のたるみ取りは非常に有効でリスクを抑えた選択肢となります。
大切なのは、切らない目の下のたるみ取りの施術方法やクマ取りとの違いを正しく理解した上で、信頼できる形成外科・美容外科の専門医のもとで自分の目元に合った正しい治療を選択することです。
長年悩んしてきた目元のたるみを解消し、鏡を見るのが楽しみになるような、ハリのある明るく若々しい目元を取り戻してみませんか?まずは一度、専門クリニックのカウンセリングで第一歩を踏み出してみてください。
カウンセリングを受ける際は、「自分がどうなりたいか(自然な仕上がりが良いのか、とにかく平らにしたいのか)」と「許容できるダウンタイム期間」を医師に明確に伝えることが成功の秘訣です。納得がいくまでしっかりと話し合い、あなたにとって最善の治療計画を一緒に作っていきましょう。