一部では若い人にも症状が見られる
目の下のクマ・たるみは、主に加齢などにより
眼窩脂肪(がんかしぼう)という脂肪が出て目の下が膨らみ、段差が生じて影ができる症状です。
クマ・たるみは、ほおっておくと、実年齢よりも老けて見られたり、『疲れている?』などのマイナスの印象を与えてしまいます。
適切な治療を行うことで目の下から頬にかけての「理想のカーブ」を描き、明るい印象的な目元にすることが重要です。そこで、今回はその治療法としてよく知られている『ハムラ法と裏ハムラ法』についてご紹介します。
Hamra(ハムラ)法とは?
アメリカの形成外科専門医であるDr.Hamraが発表した『下まぶた形成における革新的なメソッド』がハムラ法です。
ハムラ法は、目の下のクマ・たるみの原因である眼窩脂肪をただ単に取るだけではなく、脂肪弁として移動させ、『理想のカーブ』を実現することが可能になります。
上記のイラストのように、ハムラ法には2種類の方法があり、皮膚の表側を切開して行う方法であるハムラ法、皮膚を切らないで瞼(まぶた)の裏側である結膜を切開して行う方法である裏ハムラ法に分かれます。
皮膚を切るハムラ法と皮膚を切らない裏ハムラ法の違い・効果
皮膚側から切開(皮膚を切る)・・・下まぶたのたるみ取り(ハムラ法)
瞼の裏側から切開(皮膚を切らない)・・・裏ハムラ法(経結膜的眼窩脂肪移動術)
治療方法の違いとして、皮膚を切るのがハムラ法、切らないのが裏ハムラ法ですが、”目の下の膨らみを移動して形を整える”という点は共通しており、皮膚を切るハムラ法においては余った皮膚を取り除くという大きな違いがあります。
また、その他の違いとして、以下に列挙します。
- 皮膚のゆるみ ハムラ法で対応可能
- 目の下のシワ ハムラ法の方が効果的
- 目の下のクマの色 大きな差はなし
- 頬の引き上げ ハムラ法+ミッドフェイスリフトで広い範囲で引き上げ可能
- 20~40代 皮膚を切らない裏ハムラ法でアプローチ
- 50代以上 皮膚を切るハムラ法でより広範囲にアプローチ
- ダウンタイム 皮膚を切るためハムラ法の方が長い
- 術後のリスク ハムラ法は外反(あっかんべー)状態になるリスクあり
- 長期的な効果 大きな差はなし
目の下のクマ 皮膚を切らない裏ハムラ法による治療
経結膜的眼窩脂肪移動術と呼ばれる方法で、皮膚を切らないで行い、まぶたの裏側を切開するので、傷跡が目立ちません。
上記イラストのように、まぶたの裏側から眼窩脂肪を移動して、目の下の凹凸を改善する方法です。
目の下のたるみ重症度(GradeⅠ~Ⅲ)に分類
たるみの症状としては、状態に分けて以下の3つに分類し、それぞれ適した治療法があります。
Grade Ⅰ(軽度) 適した治療:下まぶたの皮膚切除
目の下の膨らみがなく、皮膚のみが緩んでいるタイプ
しわや余った皮膚のみを切除する方法で、筋肉や靭帯・眼窩脂肪の内部構造の処理は行いません。
Grade Ⅱ(中等度) 適した治療:下まぶたのたるみ取り(ハムラ法)
目の下の膨らみがあり、皮膚・筋肉・靭帯すべてが緩んでいるタイプ
ハムラ法により、皮膚・筋肉のたるみや眼窩脂肪の突出など、改善する方法です。
ダウンタイムが他の施術より長いのが欠点ですが、一度に下まぶたのたるみを改善して、長期の効果持続性が期待できます。
Grade Ⅲ(重度) 適した治療:ハムラ法+ミッドフェイスリフト
GradeⅡの状態に頬脂肪体(MFP)の下垂を認め、ほうれい線が深いタイプの方には、効果的です。
下瞼のたるみ取り 皮膚を切るハムラ法による治療
上記イラストのように、まずはまつ毛の下の皮膚を切り、眼窩隔膜を切開し、眼窩脂肪を骨膜上に移動します。
筋肉のゆるみが多い場合は、骨膜に吊り上げて固定を行います。
裏ハムラとの大きな違いである余った皮膚は取りすぎに注意しながら切除し、最後に皮膚を縫合して終了となります。
ハムラ法+ミッドフェイスリフトによる治療
頬の位置が下にある、ほうれい線が深い人の場合、ハムラ法だけでは、目の下の改善は認められますが全体的な顔のたるみはどこかしら残っているという印象を受けます。
そういったケースでは、ミッドフェイスリフトという施術も行います。
ミッドフェイスリフトによるリフトアップ効果
ミッドフェイスリフトとは?
加齢に伴って皮膚が下がり、脂肪・骨量の低下とともにくぼみが出てきますので、眉毛の下から鼻の下までの範囲である中顔面=ミッドフェイスを持ち上げます(リフト)。
頬の位置を高く上げて、さらに弛んだ皮膚を調整することができる治療なので、長期間の効果持続が期待できます。
効果としては、目の下のたるみの改善+頬前面のボリュームを補い持ち上げるので頬にかけての加齢性変化を改善できます。
※通常のフェイスリフトは耳の前の皮膚を切開して皮膚を斜め方向に引っ張り上げますが、ミッドフェイスリフトは、MFP(頬脂肪体)を持ち上げる必要があります。
これまでのミッドフェイスリフトは骨膜上といって骨の上を剥離し、一塊として頬を持ち上げるのが通常のため、ダウンタイムが非常に長く侵襲が大きい施術法でした。
一方、スレッドリフトを併用したミッドフェイスリフトはダウンタイムが少なく、リフトアップ効果が最大限に認められる方法です。
ミッドフェイスリフトは目の下を切開するので、ハムラ法と同時におこない、目の下の余った皮膚(弛んだ皮膚)を取り除くことができます。
腫れ・ダウンタイム・注意事項など
- 施術時間: 裏ハムラ法(60分)、ハムラ法(90分)、ハムラ法+ミッドフェイスリフト(120分)
- 入浴: 腫れが概ね引いてから可能
- シャワー : 翌日から可能 洗顔:翌日から可能
- メイク: 1週間後から可能
- コンタクト: 施術後7日目から可能
- 腫れ: 術後72時間(施術3日間)は必ず目の上の患部を冷やしてください
- 手術当日の車の運転は控えてください
- アルコールは 1週間ほど控えてください
- 術後から1〜2週間後、来院が必要
- その後の術後の経過で 1カ月後、3カ月後に通院が必要
裏ハムラ法(経結膜的眼窩脂肪移動術)の施術事例
経結膜的におこなう通称 裏ハムラ法にて、眼窩脂肪を移動しました。
施術のリスク:
だるさ・熱感・頭痛・蕁麻疹・痒み・むくみ・発熱・咳・冷や汗・胸痛・アナフィラキシーショック・呼吸困難・糸が露出する・仕上がりに左右差があると感じる・施術箇所の知覚の麻痺・鈍さ、しびれ・傷跡のもり上がり・凹み・色素沈着・皮膚の表面が凸凹になるなど
ハムラ法+ミッドフェイスリフトの施術事例
ミッドフェイスリフト(中顔面):下まぶたの皮膚を切開して、頬脂肪体を引き上げ固定を行いました。
施術のリスク:
だるさ・熱感・頭痛・蕁麻疹・痒み・むくみ・発熱・咳・冷や汗・胸痛・アナフィラキシーショック・呼吸困難・糸が露出する・仕上がりに左右差があると感じる・施術箇所の知覚の麻痺・鈍さ、しびれ・傷跡のもり上がり・凹み・色素沈着・皮膚の表面が凸凹になるなど
治療料金
裏ハムラ法(経結膜的眼窩脂肪移動術) 600,000円(税込660,000円)
下まぶたのたるみ取り(ハムラ法) 550,000円(税込605,000円)
下まぶたのたるみ取り(ハムラ法)+ミッドフェイスリフト 650,000円(税込715,000円)
まとめ
Dr.三沢
目の下の治療における裏ハムラ法/ハムラ法、どちらの治療にするかの最終的な判断は、ハムラ法をおこなう専門医にご相談ください。