目の下のクマの種類としては、膨らみ、凹み、シワたるみの3つの状態に分けて説明することができます。
これらはそれぞれ異なる原因によって生じ、外見に与える影響も異なります。
今回は、ご自身のクマの種類がわからないという方に向けて、それぞれのタイプについて特徴・原因・見分け方など、詳しく説明します。
目の下の構造・眼窩脂肪
眼窩脂肪(がんかしぼう)とは?
眼球が収納されている眼窩(がんか)という部分があり、その眼窩に存在する脂肪のことを指します。
目の下については、眼窩脂肪の突出であったり、ゆるむ症状により、クマとたるみに分かれます。
クマとたるみどちらの症状なのか、見極める方法として、皮膚のたるみがあるかないかで判断します。クマは10代からでも症状が出る場合があり、たるみは加齢とともに悪化していきます。
眼窩脂肪(がんかしぼう)の膨らみが目の下のクマたるみの原因
眼窩脂肪が出ていると、目の下が膨らみ、段差が生じて影ができます。
その影によって目元を暗くして『疲れている』ように見えたり、実年齢よりも老けて見えてしまうので、膨らんでいる余分な眼窩脂肪を処理する必要があります。
その場合、後述する目の下の治療法である裏ハムラ法などで目の下の膨らみを作っている原因である眼窩脂肪を移動、または再配置を行います。
目の下のクマの種類は、膨らみ・凹み・シワたるみの3種類
目の下のクマには大きく分けて「膨らみ」「凹み」「たるみ」の3種類が存在します。これらのクマは、それぞれ異なる原因や見た目を持っており、対処法や治療法も異なります。
クマが目立つと顔全体が疲れて見えるため、正確に種類を見極め、適切なケアと治療を行うことが重要です。
膨らみクマとは?
目の下の脂肪が突出してしまうことによって生じるものです。加齢や遺伝・生活習慣などが原因で、目の下に脂肪がたまり、膨らんで見えることがあります。
このタイプのクマは、特に加齢が進むにつれて目立ちやすくなり、目の下に厚みが出るのが特徴です。
凹みクマとは?
目の下の皮膚や脂肪が減少することによって、目の下が窪んで見える状態です。
加齢による皮膚や脂肪の減少が主な原因で、目の周りが骨ばって見えることが多いです。また、凹みが影を作り、クマが濃く見えることがあります。
シワたるみクマとは?
皮膚の弾力が低下することで生じます。目の周りの皮膚が緩んで下がることで、目の下にシワやたるみができ、クマとして現れます。
加齢や紫外線の影響、乾燥などが原因となることが多く、シワや皮膚のたるみが目立つ場合が多いです。
膨らみ・凹み・シワたるみの特徴・原因・見分け方
目の下のクマの種類を見極めるためには、以下のポイントを確認しましょう。
クマのタイプを正しく診断して理解することで、適切なケアや治療が可能になります。
膨らみ(脂肪による膨らみ)
特徴 |
目の下が膨らんで見えることで、クマができたように見えるタイプです。下まぶたの脂肪が前に突出し、影ができてクマが強調されます。 |
原因 |
このタイプのクマは、主に加齢に伴う脂肪の突出が原因です。
目の下には「眼窩脂肪」と呼ばれる脂肪が存在し、加齢や遺伝的な要因により、この脂肪が目立つようになります。眼窩脂肪が押し出されると、膨らみが生じ、膨らんだ部分に影ができることで、クマのように見えるのです。 |
膨らみクマの見分け方
目の下が全体的にふっくらとしている、または盛り上がっているように見える場合は、膨らみクマの可能性が高いです。特に、朝起きたときにクマが目立ちやすく、日中は少し軽減することもあります。
脂肪が目の下に集まることで、膨らんだように見えるのが特徴です。
凹み(目の下の凹みによる影)
特徴 |
目の下にくぼみができることで、影ができてクマのように見えるタイプです。
目元が落ち込んで見え、疲れた印象を与えることが多いです。 |
原因 |
目の下の凹みは、加齢による皮膚や脂肪の減少、筋肉の衰えが主な原因です。
若いころは目元に脂肪がある程度あり、ふっくらしていますが、年齢を重ねるとその脂肪が減少し、目の下がくぼんでしまいます。また、遺伝的に目の下がくぼんでいる人もいます。この凹みによって影ができ、クマのように見えることがあります。 |
凹みクマの見分け方
目の下がくぼんで見え、目の周りが影のように暗くなるのが凹みクマの特徴です。
凹みが深いほど影が濃く見え、特に目を閉じたときや顔全体を明るい光で照らしたときに、目の下の窪みが強調されることがあります。このタイプは、疲れて見えることが多いです。
目の下の凹みの原因としては、医原性による脱脂後の眼窩脂肪の取り過ぎによることが最も多い状況です。
たるみ(皮膚のシワたるみによるクマ)
特徴 |
目の下の皮膚がたるみ、しわや影ができることでクマのように見えるタイプです。
たるみによって肌の弾力が失われ、クマが強調されます。 |
原因 |
たるみは、主に加齢によって皮膚や筋肉の弾力が失われることで発生します。
コラーゲンやエラスチンといった成分が減少し、皮膚が緩んでしまうことで、目の下に余分な皮膚がたまり、たるみとなって現れます。また、生活習慣や紫外線のダメージもたるみの進行を早める要因となります。 |
シワたるみクマの見分け方
皮膚が緩んでシワが目立つ場合、シワたるみクマの可能性があります。
特に、目の下に複数の細かいシワができている場合や、目の周りの皮膚が垂れ下がっていると感じる場合は、シワたるみクマが原因である可能性が高いです。たるみによって皮膚が不均一に見えることもあります。
Dr.三沢
形状に基づく膨らみ・凹み・シワたるみの診断は、セルフチェックだけでは比較的難しく、目元の専門医によるカウンセリングが必要です。
自宅でできるセルフケア 膨らみ・凹み・シワたるみ
軽度のクマを改善するためには、まず日常生活でできるセルフケアや予防が有効です。
以下、膨らみ・凹み・シワたるみ、それぞれに効果的なセルフケアの方法を紹介します。
膨らみクマのセルフケア
膨らみクマには、血行を促進し、目の周りの余分な水分や脂肪の滞留を防ぐケアが有効です。
- 温冷交互のタオルで目の周りを温めたり、冷やしたりする
- 目の周りを軽くマッサージすることで、血流を良くする
- 睡眠不足や塩分の摂り過ぎもクマの原因となるため、十分な睡眠とバランスの取れた食生活を心掛ける
凹みクマのセルフケア
凹みクマには、目の周りの保湿や栄養補給が有効です。
- コラーゲンやヒアルロン酸を含んだ目元専用のクリームを使用して、皮膚に潤いを与え、弾力を保つ
- ビタミンCやビタミンEを含む食事やサプリメントを摂取し、皮膚の健康をサポートする
シワたるみクマのセルフケア
シワたるみクマには、アンチエイジング効果のあるスキンケアや目の周りの筋肉を鍛えるエクササイズが有効です。
- リフトアップ効果のあるクリームを使用し、毎日のスキンケアで目元のハリを保つ
- 目の周りの筋肉を軽く押さえながら目を開閉するエクササイズを取り入れて、筋肉の弾力を取り戻す
根本的な改善治療 目の下の膨らみ・凹み・シワたるみ
セルフケアで改善が見られない場合や、より効果的な治療を求める場合、クリニックによる専門の治療を受けることが考えられます。それぞれのクマに対して適切な治療法を選ぶことで、より確実な効果が期待できます。
主な治療法
- 眼窩脂肪の再配置:裏ハムラ法
- 眼窩脂肪の除去:脱脂術
- 注入療法:脂肪注入・ヒアルロン酸注入
- レーザー治療
膨らみクマの改善治療
膨らみクマに対する治療としては、主に裏ハムラ法による眼窩脂肪の再配置や脱脂術による脂肪除去が一般的です。
裏ハムラ法とは?
目の下にたまった眼窩脂肪を外科的に移動・再配置する方法で、長期的な改善が期待できます。
また、最近ではレーザーやラジオ波を使用して脂肪を分解する治療法も増えてきています。これにより、ダウンタイムが少なく、比較的手軽に治療を受けることができるようになっています。
凹みクマの改善治療
凹みクマに対しては、脂肪を再配置して凹んだ部分にボリュームを持たせる裏ハムラ法、脂肪注入やヒアルロン酸注入が効果的です。
ヒアルロン酸を目の下に注入することで、皮膚の凹みを埋め、自然な膨らみを取り戻すことができます。また、コラーゲンやPRP療法(自己血小板を使った再生治療)も凹みクマの改善に有効とされています。
シワたるみクマの改善治療
シワたるみクマの改善には、たるんだ脂肪を移動させる裏ハムラ法やミッドフェイスリフトが用いられます。
皮膚を引き締めるレーザー治療や、高周波を使用した治療、または糸を使ったリフトアップがあります。これらの治療によって、皮膚の弾力を回復させ、たるみを改善することができます。
また、たるみが深刻な場合には、フェイスリフトのような外科的手術も考慮されることがあります。
クマ取り手術として一般的な脱脂術がありますが、眼窩脂肪の取りすぎ・取り残しのリスクを考慮すると、裏ハムラ法による眼窩脂肪の再配置での膨らみ・凹み・シワたるみの根本的解消をオススメしております。
脱脂術による注意点については、以下の記事もご確認ください。
目の下のクマたるみ取り 脱脂のへこみで後悔・失敗しない10年後も見据えたオススメ治療
目の下のクマたるみ治療 裏ハムラ法による膨らみの改善事例
目の下の膨らみである眼窩脂肪を脱脂術で取るのではなく、移動・再配置させる裏ハムラ法による治療で改善したビフォアアフターをご覧ください。
目の下のクマ・たるみの原因は眼窩脂肪の突出で、飛び出た眼窩脂肪を皮膚の表面から化粧で隠そうとしてもで悪くなる一方です。また、コンシーラを厚く塗っても余計に目立つだけです。
これを根本的に改善するには手術しかありません。
従来からの手法である脱脂術に関してはどれくらい脂肪を取って良いのか、決まったものがありません。
脱脂術では中長期でみると眼窩は凹みます。眼窩脂肪は眼窩という箱の中に納まっている脂肪で、その脂肪を取れば確実に容量は少なくなるので凹みます。そして、一度取られた脂肪は戻ることはありません。
くぼみ目(目の上)のある方へ脱脂は行ってはいけません。
目の下の膨らみを改善するには裏ハムラ法(経結膜眼窩脂肪移動術)を行うことで、目の下の膨らみはなくなると同時に目の上の凹みも改善します。
詳しくは、以下の施術事例のページもご覧ください。
目の上の凹み=くぼみ目/目の下のクマ・たるみの原因である膨らみを裏ハムラ法で改善
よくあるご質問【クマの種類・色による分類との違い】
目の下のクマの種類を「青クマ」「茶クマ」「赤クマ」「黒クマ」といった色で分類する方法とはどう違いますか?
クマを色で分類する方法(青クマ・茶クマ・赤クマ・黒クマ)は、原因を特定しやすく、ケアがしやすいという利点があります。色はクマの見た目を自身で簡単に確認できるため、日常的なセルフケアや予防を目的とする場合には有効です。
対して、膨らみ・凹み・シワたるみという症状(形状)で分類する方法は、根本的な治療を求めている場合、明らかな目元の形状の変化が気になる場合、特に美容医療や外科治療においての治療法の選択に役立ちます。
まとめ【クマの種類がわからない方への分類】
- 青クマ・茶クマ・赤クマ・黒クマの色の種類による分類は、原因を特定しやすく、セルフケアや市販のスキンケア商品を使った対策をしやすいです。
- 膨らみ・凹み・シワたるみの形状に基づく診断は、目元の構造に対するより直接的なアプローチを可能にし、美容医療や外科的治療に役立ちます。
目の下のクマは、膨らみ・凹み・シワたるみの種類によって、適切な根本的な治療を行うことで、顔全体の印象を明るくすることができます。