
目の下に深く刻まれる線、「ゴルゴ線(ゴルゴライン)」をご存じでしょうか?
30代以降、特に女性にとって目立ちやすいこのゴルゴラインは、老けた印象や疲れた印象を与えがちです。
中には、10代20代の若い方や生まれつきゴルゴ線が目立つ方もいらっしゃいます。
今回の記事では、ゴルゴ線の原因やセルフケア、メイクでの対処法、そして根本から改善する医療的な治療方法まで、順を追ってわかりやすく解説していきます。
目の下の線ゴルゴラインとは

ゴルゴ線とは?
目頭から頬の中央を斜めに走る深いラインを指します。
漫画『ゴルゴ13』の主人公にちなみ、こう呼ばれるようになりました。
本来は加齢とともに現れることが多いものの、骨格や脂肪のつき方によって若い頃から目立つこともあります。
一度刻まれると自然に消えることは難しく、見た目年齢を大きく引き上げる要因となります。
さらに、ゴルゴ線があることで顔全体に陰影が生まれ、実際の年齢以上に老けた印象を与えてしまうことも少なくありません。
ゴルゴ線ができる原因

生まれつき(先天的要因)
- 頬骨の位置や目の下の骨格の形状により、皮膚や脂肪が支えられず、影ができやすい
- 眼窩脂肪(目の下の脂肪)が少ない、もしくは位置が低い
加齢による変化(後天的要因)
- 皮膚のたるみ、ハリの低下(コラーゲン・エラスチンの減少)
- 目の下の脂肪が下垂・突出する(目袋形成)
- 頬のボリューム減少(ミッドフェイスの萎縮)
- 表情筋(主に眼輪筋)の衰え
これらの要因が複合的に絡み合うことで、目の下にくっきりとしたゴルゴ線が現れるのです。
特に、骨格的な要素が大きい場合は、若い年齢でも深く目立つことがあるため、単なる「老化」と片付けず、適切な対処が必要です。
ゴルゴ線の予防・セルフケアと効果

ゴルゴ線は完全に防ぐことは難しいものの、セルフケアで進行を遅らせることが可能です。
保湿ケア
- アイクリームを用いた丁寧な保湿
- セラミド、ヒアルロン酸、レチノール配合の製品が効果的
- 目元専用のシートマスクを週に数回取り入れると、さらに効果的
UV対策
- 紫外線によるコラーゲン破壊を防ぐため、年間を通じたUVケアを徹底
- サングラスや帽子で物理的に紫外線をカットする工夫も有効
マッサージ・表情筋トレーニング
- 目の下から頬にかけて、リンパを流すような優しいマッサージ
- 口角を上げる運動、頬の筋肉を意識的に動かすトレーニング
- お風呂上がりなど、血流が良いタイミングで行うと効果的
ただし、強すぎるマッサージは皮膚のたるみを悪化させるため、注意が必要です。
睡眠・栄養管理
- 質の良い睡眠、バランスの取れた食事を心がける
- ビタミンC、E、亜鉛など美肌に必要な栄養素を積極的に摂取
- アルコールや喫煙は肌の老化を早めるため、控えることが望ましい
ゴルゴ線を目立たなくさせるメイク

セルフケアと並行して、メイクでゴルゴ線をカバーするテクニックも効果的です。
メイク方法 |
内容 |
コントロールカラー |
– 影になっている部分に明るめのコンシーラーを塗布
– グリーン系やイエロー系で赤み・くすみを補正
– リキッドタイプのコンシーラーを薄く重ねるのがコツ |
ハイライト |
– ゴルゴ線の下にハイライトを仕込むことで、影を飛ばし立体感を補整
– パール感の強すぎない自然なハイライトを選びましょう |
ベースメイクのポイント |
– 厚塗りは厳禁。薄付きで均一に整えることで、かえって自然な若々しさを演出
– クッションファンデーションなど、軽やかな質感のベースを選ぶと効果的 |
チークの入れ方 |
– 頬の高い位置にチークを斜め上方向に入れることで、ゴルゴ線の影を目立たなくする
– クリームチークを使うと、ツヤ感がプラスされ若々しい印象に |
目の下のゴルゴ線 直し方・改善治療
ゴルゴ線を根本的に改善するためには、医療的アプローチが最も有効です。ここでは代表的な治療法をご紹介します。
ハムラ法

ハムラ法とは?
ハムラ法は、突出した目の下の脂肪(目袋)を単に除去するのではなく、脂肪を目の下のくぼみ部分へ移動させて固定する手術です。
目元の凹凸がなだらかになり、自然な若返り効果が得られます。皮膚のたるみが目立つ場合は、表皮を切開する「表ハムラ法」が選択され、たるみが少ない場合は結膜側からアプローチする「裏ハムラ法」が適しています。ハムラ法は、特に目の下のたるみや深いゴルゴ線がある方に適しており、根本的な改善が期待できます。
裏ハムラ法の施術を詳しく見る
ヒアルロン酸注入・脂肪注入

ヒアルロン酸注入・脂肪注入とは?
ヒアルロン酸注入は、ゴルゴ線の凹みに直接ヒアルロン酸を注入してボリュームを出し、影を目立たなくさせる方法です。
脂肪注入は、自分の体から採取した脂肪をゴルゴ線に注入する治療です。
ヒアルロン酸注入は、施術時間が短く、ダウンタイムも少ないため、忙しい方にも適しています。ただし、効果の持続期間は6か月〜1年程度のため、定期的なメンテナンスが必要です。脂肪注入は、定着すれば半永久的に効果が続きますが、技術力によって仕上がりに差が出るため、信頼できる医師に依頼することが重要です。
脂肪注入の施術を詳しく見る
スレッドリフト

スレッドリフトとは?
特殊な糸を皮下に挿入してたるみを引き上げる施術です。リフトアップ効果に加えて、糸の刺激によってコラーゲン生成が促され、肌質の改善も期待できます。
PDO素材、PCL素材など様々な糸があり、持続期間や引き上げ力に違いがあります。特に頬のたるみが強く、ゴルゴ線が目立つ方には効果的な選択肢となります。
スレッドリフトの施術を詳しく見る
ハイフ(HIFU)

ハイフ(HIFU)とは?
高密度焦点式超音波(HIFU)を使用して、皮膚の深層部であるSMAS層に熱エネルギーを届け、たるみを引き締める治療法です。
メスを使わずにリフトアップ効果が期待でき、ダウンタイムがほとんどないのが大きな特徴です。軽度のゴルゴ線やたるみの予防に適しており、数か月かけて徐々に効果が現れるため、自然な仕上がりを求める方に向いています。
HIFUの施術を詳しく見る
ゴルゴ線4つの治療法 比較表 向いている人・効果・ダウンタイム
Dr.三沢
治療法の選択はゴルゴ線の程度、たるみの有無、希望する効果、ダウンタイムの許容度に応じて、医師と相談しながら決定することが重要です。
施術事例【40代女性 目の下のクマ・ゴルゴライン改善】

ゴルゴラインまでいかない目の下のクマについて、適度に眼窩脂肪を取り出すクマ取りと脂肪注入を同時に行いました。目の下から頬にかけての『理想のカーブ』を作ることができ、目元がハッキリとして明るくなりました。

目頭から下側にくっきりした線(黄色で囲った部分)は、Tear Trough Deformity(TTD)と呼ばれるもので、このTTDは眼窩脂肪の突出によって形成されています。この線が延長したものがいわゆるゴルゴライン(ゴルゴ線)です。ゴルゴラインは、解剖学的にNasojugal Groove(NG)と呼ばれます。
生まれつき眼窩脂肪が多かったり、眼球が大きく、それに伴って眼窩が広い方は、相対的に眼窩脂肪の量が多くなります。そのため、若い頃から目の下の膨らみがあって、TTDが認められる場合があります。
加齢によって起こるTTDやNG(ゴルゴライン)を認める場合は、眼窩脂肪の突出だけではなく、加齢によって下まぶたの皮膚の萎縮・SOOFの萎縮・頬脂肪体の下垂などによって起こります。
Dr.三沢
脱脂だけでもTTDの改善は可能ですが、40代のため皮膚の萎縮や頬脂肪体の下垂が少なからず認める場合、脂肪注入も必要になります。
目の下のクマがひどい…クマの分類と治療事例を解説!
よくあるご質問
ゴルゴ線を消すトレーニングやマッサージはありますか?
トレーニングやマッサージでゴルゴ線を完全に消すことは難しいのが現実です。なぜなら、ゴルゴ線の主な原因は脂肪の下垂や骨格による影であり、筋肉だけで根本的な改善は難しいからです。ただし、頬の筋肉を鍛える表情筋トレーニングや、血流を促進する優しいマッサージは、進行予防には一定の効果が期待できます。セルフケアを続けることで、たるみやゴルゴ線の進行を緩やかにできる可能性はありますが、明確な改善を目指す場合は、医療機関での相談と治療が必要です。
ゴルゴ線治療に保険は適用されますか?
ゴルゴ線治療は美容目的の自由診療となるため、保険適用外です。費用は治療法によって大きく異なりますが、初診料や診察料が別途かかる場合もあるため、事前に受診する医療機関に確認しましょう。
男性でもゴルゴ線を消す施術を受けられますか?
もちろん可能です。最近では男性のエイジングケアへの関心も高まり、ゴルゴ線治療を希望する男性も増えています。男性の場合はナチュラルな変化を希望することが多いため、それに合わせた治療設計が行われます。
まとめ【目の下のゴルゴ線 改善治療】
- 生まれつきの骨格要因によるゴルゴ線、そして加齢とともに進行するゴルゴ線は、セルフケアだけで完璧に防ぐことは難しいのが現実です。メイクやトレーニングで目立たなくさせる工夫はできますが、根本改善を目指すなら形成外科での診察と治療が欠かせません。
- ゴルゴ線にお悩みの方は、まずは専門の形成外科を受診して、自分に合った最適な治療プランを提案してもらうことをおすすめします。自然で若々しい印象を取り戻し、毎日、自信をもって過ごせるようになり、目元の疲れた印象が改善されます。