目元、特に目の下にクマがあり、悩んでおられる方が多く、目元に悩みをもっている方であれば、マッサージで治すことができるのか、手術による治療が必要なのかといったことを日々、調べているようです。
今回は、そのような方に向けて、自宅で自分で治すことができるのか、クマにマッサージは有効であるのか、手術による治療を行う場合の脂肪除去、移動のそれぞれの方法やダウンタイム、経過、費用について、目元治療の専門医としての事例紹介や見解をご説明します。
また、前回、目の下のクマ取りについて、脱脂を選択する方が多く、後悔しないおすすめの治療としての記事もありますので、あわせてご覧いただき、目の下のクマ取り・クマの解消の治療について、参考にしていただけたらと思います。
目元のクマ取りのメリット・デメリット
目の下のクマを自分でマッサージするだけでは、根本的な解決はできず、よくあるご質問で後述しますが、目元のクマ解消には、手術による治療が必要です。
以下、手術治療によるメリット・デメリットをお伝えします。
クマ取りのメリット
- 見た目と内面の改善:目元のクマやたるみが改善されることで、見た目が若々しくなり、お顔全体がより明るい印象を与えることができます。治療により、自己満足感や自信が高まります。
- 長期的な効果:適切に行われた手術治療は、1回の手術で効果が得られ、長期的に持続する効果が期待できます。また、将来的なシワとたるみの予防にもなります。
- ダウンタイムが短い:切らない治療のため、手術後の腫れが少なく、抜糸が不要で傷跡が残らず、1週間後からメイクが可能です。
クマ取りのデメリット
- 手術リスク:手術治療には、合併症やリスクが伴う可能性があります。出血・感染・局所的な不快感などが含まれますが、術後72時間(施術3日間)は必ず患部を冷やしていただくことで、ノーダウンタイムとなった事例もあります。
- 費用:美容外科手術や治療には費用がかかり、保険が適用されない手術は自費負担となります。
- 治療期間:治療後の経過、ダウンタイムなど、回復期間や経過観察が必要な場合があり、日常の生活や仕事への影響が出ることがあります。
- 個人差:結果には個人差があり、選択されるクリニック、治療内容により、結果が異なる場合があることも考慮する必要があります。
- 脱脂術のリスク:医師の技量によっては適切な量の脂肪を除去しきれず、眼窩脂肪を取り過ぎた場合、逆に目の下が凹むことがあります。
目の下のクマ取り 主な治療方法
クマ取りの代表的な治療法としては、脱脂と裏ハムラ法が挙げられます。
どちらも皮膚を切らない治療法ではありますが、眼窩脂肪を取る治療であることと、眼窩脂肪を移動する治療であるという大きな違いがあります。
脱脂術と裏ハムラ法の違いについては、以下の記事もご覧ください。
裏ハムラ法のメリット・デメリット/脱脂との違い、手術事例を紹介
脱脂術 切らない脂肪除去
脱脂術とは?
脱脂術は、皮膚を切らずに、まぶたの『あかんべー』をした際に見えるピンクの粘膜を切開し、目の下の「膨らみ」に対して、上記イラストのように、突出した眼窩脂肪を取り除く治療です。
皮膚を切らない治療のため、術後の腫れや内出血といったダウンタイムがほとんどありません。高周波超音波メスを使用するため、出血も少なく、手術自体は30分程度の短時間で治療が終了するため、ダウンタイムも比較的少ないです。
眼窩脂肪を下まぶたの裏から取り、目の下のクマを改善する手術法であり、別名、経結膜的脱脂術とも呼ばれます。
眼窩脂肪を取り除く方法としては経結膜アプローチと言って、下まぶたをひっくり返し行います。脱脂術の治療の重要なポイントは、脂肪を取りすぎることなく、適切な量の脂肪だけを取り除くことです。
詳しくは、『目の下の脂肪移植・脱脂、入れすぎ・取りすぎなど失敗後の修正治療』の記事もご覧ください。
目の下の膨らみは『目袋』の存在、かつ皮膚の弾力があり、頬の位置が高い方は、脱脂のみで行うことができます。ですが、目の下から頬にかけて『理想のカーブ』を描くには、脱脂のみの治療では難しい場合があります。その場合は脂肪注入との併用が必要です。
脂肪注入に抵抗のある方であったり、脱脂後の凹むリスクを考慮すると、取るのではなく移動する手術である、裏ハムラ法をオススメしております。
裏ハムラ法 切らない眼窩脂肪移動術
裏ハムラ法とは?
裏ハムラ法は、皮膚を切らない下まぶた形成における革新的なメソッドとして、アメリカの形成外科専門医であるDr.Hamraが発表した、眼窩脂肪の切らない移動術です。
従来の考え方であれば、眼窩脂肪の突出である通称「目袋」を改善するには、脱脂術などで単純に取るしかないと考えられていました。
対して、ハムラ法は眼窩脂肪を取るのではなく、その脂肪をも最大限に活用して、眼科脂肪を移動することで、目の下から頬にかけて『理想のカーブ』を形成することを実現化しました。
これは形成外科における基本概念である再建法というコンセプトを基に、考え出されたものです。
裏ハムラ法は皮膚を切らずに、上記イラストのように、まぶたの裏側から切開して脂肪を移動させる手法であり、術後はスッキリした目元になります。
ダウンタイムが短い治療で、術直後から術後3日間、可能な限り安静してもらい、かつ、患部をよく冷やしていただくことで、ほぼダウンタイムのない状態にできた事例もあります。
アメリカの形成外科専門医であるDr.Hamraが発表した、下まぶた形成における革新的なメソッドです。
従来の考え方では、眼窩脂肪の突出である通称「目袋」と呼ばれる部分を改善するには、単純に取るしかないと考えられていました。
対して、Hamra(ハムラ)法は眼窩脂肪を取るのではなく、その脂肪をも最大限に活用して、目の下から頬にかけて『理想のカーブ』を形成することを実現化しました。
これは形成外科における基本概念である再建法というコンセプトを基に、考え出されたものです。
そんな革新的なメソッドであるハムラ法は、2種類に分かれます。皮膚の表側を切開して行う方法であるハムラ法、皮膚を切らないで瞼(まぶた)の裏側である結膜を切開して行う方法である裏ハムラ法です。
裏ハムラ法であれば、脂肪注入を行わずに、目の下のクマ改善が可能であり、傷跡がないため腫れが少なく、外反(あかんべー状態)のリスクはほとんどありません。
医師による高度な技術が必要とされる裏ハムラ法ではありますが、ご自身の眼窩脂肪を移動する治療であるため、従来法である脱脂+脂肪注入による脂肪定着を考慮するリスクがなく、皮膚のたるみやしわが少ないが、目の下の膨らみのある方への治療法として特に有効です。
推奨年齢は、皮膚がたるむ前の30〜40代で裏ハムラ法による施術を行うことで、脂肪の移動によりクマ・たるみを改善できるだけでなく、50代からの皮膚のたるみを事前に防ぐことができますので、早めの治療をオススメしております。
クマ取りのダウンタイムと経過・事例紹介
30代女性 ダウンタイムも少なく中長期での結果が得られます
術後1日目の経過・ダウンタイム
腫れはありますが、内出血はほとんどありません。
術後1週間の経過・ダウンタイム
薄らと肌の黄染を認めますが、腫れは消失しています。
術後1ヶ月の経過・ダウンタイム
脂肪の膨らみはしっかりとなくなりました。
詳しくは事例詳細もご覧ください。
皮膚のたるみが少ない目の下のクマ取りに裏ハムラ法(トラコンハムラ法)
40代女性 膨らみの再発を予防してクッキリとした目元が復活
50代になると、原則、皮膚のたるみが多くなるため、表側から行うハムラ法が推奨ですが、目の下の皮膚・筋肉が緩む前の40代以下であれば、裏ハムラ法による眼窩脂肪の移動を行うことで、目の下のクマを解消でき、かつ、結果的に皮膚や筋肉の緩みの進行を遅らせることができます。
術後翌日の経過・ダウンタイム
腫れと内出血がありました。
術後3日の経過・ダウンタイム
左目の下に内出血が現れましたが、3日経過しているのでお化粧をしても構いません。
詳しくは事例詳細もご覧ください。
目の下の膨らみ・独自の涙袋がある方に裏ハムラ法で改善/中長期での膨らみの再発予防
Dr.三沢
術後72時間(施術3日間)は必ず患部を冷やしてください。個人差はありますが、ノーダウンタイムとなった事例もあります。
クマ取りの費用・値段
目の下のクマ取りの治療として、自費診療となり、以下の費用となります。
脱脂術(経結膜的脱脂術)
片目 ¥220,000(税込)
両目 ¥330,000(税込)
裏ハムラ法(経結膜的眼窩脂肪移動術)
片目 ¥418,000(税込)
両目 ¥550,000(税込)
よくあるご質問
クマ取りは片目のみの治療は可能ですか?
はい、可能です。左右差ができる可能性がありますので、カウンセリング後、片目のみの治療で良いのか、または両目の治療が推奨となるのか、医師による判断が必要となります。
目の下のクマ取り・改善にマッサージは有効ですか?
目元のクマができるという実際の症状が出てからは、マッサージのみでは治りません。セルフケアや化粧品などでは、根本的な解決はできません。裏ハムラ法などによる脂肪の移動を行い、クマを解消する治療の1ヶ月後の術後マッサージにはマッサージは効果的です。目の下が硬いので、定期的にマッサージを行うことがより効果的です。
まとめ【目の下のクマ取り(脂肪除去・移動)の治療方法】
- 目元のクマに気付いた時、自分で治す方法、マッサージ、クリームや化粧品などの限界を理解し、クマ取り手術の治療法について、知っておきましょう。
- 目の下のクマ取りの根本的解決には、手術治療が必要で、脂肪を移動させる裏ハムラ法がおすすめです。
形成・美容外科 エムズクリニックは、目の下の裏ハムラ法専門の横浜にあるクリニックです。